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第十章 マーマレード元皇太子の反撃

魔王の闇の一閃の前に、赤い死神と暴風王女は屈しました

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ジャンヌは追い詰められていた。このままではさすがのジャンヌも終わりだ。ここで死ぬことは
無駄死にだ。ボフミエ最終兵器とジャルカらに言われている沽券にも関わった。負けるわけにはいかない。

そもそも最終兵器は私達ではなくて、クリスだ。

クリスさえこちらに取り戻せばなんとかなる。

それは陰険皇太子がなんとかしてくれるだろう。

たとえ、エドを戻せなくてもクリスがなんとかしてくれる。

と信じてジャンヌはやってみることにした。

魔人と化したエドの爆裂魔術を転移で避ける。

そして、エドの真正面に出る。

思わす、魔人は瞠目した。まさかこの期に及んで反撃されるとは主つてもいなかったのだ。

その動揺のすきをみて、右手に魔力の全てを注ぐ。

子供の頃、悪いことをしたエドを思いっきり殴ったことがある。

その時エドの顔が腫れて大変だった。王妃からは1ヶ月間の謹慎処分と礼儀作法の特訓という地獄を見せられたが………・

「歯を食いしばれ、エド!」
ジャンヌは叫んでいた。

エドは思わず障壁を張って避けようとするが、ジャンヌの拳がその障壁を一瞬で破壊して、そのままエドの顔に直撃した。

巨大なエドの体が浮き上がり、壁に激突する。

宮殿中が揺れた。

そして、黒煙の消え去った跡には、人に戻ったエドが倒れていた。

「ほっ」
ジャンヌはホット溜息をついた。

「やったなジャンヌ」
その横には傷だらけになって転移してきたアレクがいた。

何とか逃げ出してきたが、アレクも傷だらけだった。

二人は満身創痍だった。


「おのれ、人のことをかまっていられるとは余裕だな。赤い死神」
魔王が転移して現れた。
「最も貴様もここで終わりか」

「ふんっ、遊びはここまでだ」
アレクはニヤリと笑った。

「何が遊びだ。もうフラフラだろうが」
魔王は笑う。

「ふんっ、とっておきのものは最後まで取っておくものさ」
アレクは笑うと、剣を抜いた。
ジャンヌもアレクの横で抜く。

「行くぞ魔王」
二人は叫ぶと駆け出した。
左右から魔王に向かう。

魔王はアレクに向けて爆裂魔術を発する。
しかし、アレクはは転移で避ける。
そして、魔王の斜め前上方に飛び出ると剣に最後の全ての魔力を込めて切り込んだ。
その逆側からはジャンヌが。

渾身の力を込めた両側からの魔導攻撃で凄まじい爆発が起こり、魔王はふっとばされた。

宮殿の外壁に激突する。

しかし、爆炎の中からゆっくりと立ち上がる人影がある。

そこには髪を振り乱した魔王の憑依した王妃の顔があった。

「おのれ、よくも」
魔王は両手を上げた。その手に魔力を込める。

確かに魔王はダメージは受けたが、魔王は魔王なのだ。これくらいでは倒されない。

対峙する二人はもう魔力もほとんど残っていなかった。

と言うか立っているだけで精一杯だった。


「喰らえ闇の一撃」
魔王から真っ黒な怨念が二人に襲いかかる。

二人はもう避ける気力もなかった。

黒い渦の中に飲み込まれて二人は倒れた。
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