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第十章 マーマレード元皇太子の反撃

戦神に恨みを持つ女が殺そうとしましたが、逆に逆鱗に触れて無限地獄は焦土と化しました

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「閻魔様。大変にございます」
副官が慌てて飛んできた。

「いかがいたしたのじゃ」

「シャラザールには鬼たちは全く歯も立ちませんでした」

「何じゃと。そもそもシャラザールは絶対に破られない魔術も使えない特殊な檻に閉じ込めてあろう。それに魔術の込められた特殊な槍を持たせたのだ。何故通用せん?」
閻魔が叫ぶが通用しないものはしない。

「理由はわかりませんが、10人が刺した槍は全くシャラザールに被害を与えられず、その槍で4人の鬼が刺殺され、残りはほうほうの体で逃げてまいりました」

「なんとも腰抜け共じゃの。腰抜けと言えば千年前、シャラザールを嵌めた女が、まだ、刑期を終えられずに、無限地獄におったろう。その女にシャラザールを倒せれば刑期を終えさせてやると言って相手させろ」

「御意」
副官は慌てて駆けて行った。

「変じゃの。やつはもう神ではないはずじゃが」
閻魔は訝しんだ。

しかし、シャラザールは元々人間の分際で地獄から脱獄した女だった。

閻魔は不吉な予感がした。

史上始まって以来、地獄を脱獄したのは後にも先にもシャラザール唯一人。

もし、今回も脱獄されたとなると2回目となる。流石に閻魔の地位もゆるぎかねない。

閻魔は不吉な予感がしたが、無視することにした。


次の日シャラザールの前にはお岩のように顔をボコボコにされた女が立っていた。

「シャラ。会いたかったよ」
女がニヤリと笑うと不気味な顔がさらに不気味になった。

「余は貴様のような化け物の知り合いはおらんが」
シャラザールは平然と言い切った。

「何を言うの。お前のせいで地獄に入れられたのに」
「その醜さのせいで地獄に入れられたのか」
興味なさそうにシャラザールが言った。

「何言ってんのよ。あんたが、あんたの分まで私に罪を償わせたんでしょ」
コニーは叫んでいた。

「そうか、しかし、そのような醜い顔の知り合いはおらんが」
「何言ってんのよ。あんたのせいで何万回も殺されて顔もボコボコにされて治らなくなったのよ」
女は叫んで檻の中に手を入れてシャラザールの胸ぐらを掴む。

「そうは言ってもな」
「コニーよ。あなたに嵌められた」
「お前のせいでずうっとこの地獄で殺され続けているのよ。なんとかしなさいよ。貴様の娘をいじめていじめてせっかく生贄にしたのに」

コニーはシャラザールの変化がよく見えていなかった。

「あんなんだったらいじめ殺してやればよかったわ」


「コニー。貴様。まだ生きておったのか」
シャラザールが叫んだときは檻の中にも関わらず、雷撃がコニーに突き刺さりコニーは消滅していた。

「貴様、良くも余との約束を破って我が愛しの娘をいじめ抜きよって」
シャラザールの怒りは爆発して更に無限地獄のシャラザールがいる一帯は焦土と化していた…………・

*******************************************************

シャラザール1000年前の話、地獄の脱獄の様子等はこちらの話を

「娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します」

https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/474495563

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