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第十章 マーマレード元皇太子の反撃
王妃は魔王となり、クリスの母に襲いかかりました
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シャーロットは侍女のコマリーによって王妃の部屋に案内された。この部屋に案内されるのは初めてだった。
「王妃様。ミハエル夫人をお連れましました」
コマリーはシャーロットを部屋の中に案内する。
「シャーロット。さあ座って」
王妃は立ち上がって迎えるとシャーロットを目の前の椅子に招いた。
「王妃様、御用と伺ってまいりました」
「そうなのよ、実はあなたに頼みがあって」
王妃はにこやかに言った。
「どのようなお話ですか」
「実はエドが泣き込んで来たのよ。出来ればもう一度クリス嬢とやり直したいって」
「しかし、王妃様。娘は大衆の面前でエドワード様から婚約破棄されたのです。流石にそれに頷くとは思えませんが」
王妃の言葉にシャーロットは困惑した。公の場で婚約破棄されたのだ。もう一度やり直したいと言われて配送ですかと言えるわけはなかった。
「クリスが納得してくれたら、あなた方も考えてくれるということ」
王妃は何でも無いような言い方で言う。
「まあ、それはそうですが、王妃様のお姉さまからも、クリスを嫁に欲しいとやいのやいのと催促が参りまして」
「えっ? それはあなたがマーマレード王家にはクリスを任せられないということ」
一転して不機嫌そうに王妃は言った。
「そうは申せませんが、エドワード様は一度娘の信頼を裏切られました。すぐの修復は難しいかと」
「そう、これだけ頼んでも無理かしら」
王妃はどす黒いオーラを漂わせながら言った。
「王妃様。どうされたのですか」
シャーロットは思わず立上った。
「どうしても難しいというのならば、強引に話を進めるだけです」
王妃は合図をした。
後ろから屈強な兵士たちがわらわらと入ってきた。
「何をなさるのですか」
「国の至宝、クリスを隣国ドラフォートに嫁がせようとするのは国に対する不利益な行動、すなわち反逆の意思ありとみなします」
「な、何を言われるのです。そのような強引な手法通るわけは無いでしょう」
拘束しようとした兵士たちをシャーロットは魔術で弾き飛ばした。
「ミハイル侯爵夫人。あなた、王国の兵士たちに逆らうのですか」
「法を曲げて私を捕まえようとなさるならば私にも考えがあります」
「なるほど、あくまでも王国に反逆すると。では私の魔術受けてもらいましょう」
王妃は立上った。目はどんより光っており、醸し出すオーラはとても暗かった。
シャーロットは何故王妃がこのようなことをするのか理解できなかった。
それに雰囲気がいつもの王妃ではない。
そして、平素ならば王妃には確実に勝てたが、何故か目の前の王妃には勝てる気がしなかった。
「では行きますよ」
王妃が衝撃波を放った。
シャーロットは障壁で受け止めるが、そのあまりの強さに、障壁が弾き飛んで、シャーロットは地面に叩きつけられた。
そんなバカな。シャーロットの魔力はマーマレードではジャルカについで高いはずだった。
王妃に負けるなど考えられなかった。
続いて、王妃の衝撃波はシャーロットを壁に叩きつける。
シャーロットはなんとか立上った。
「ふんっ、もう終わりですか」
立上ったシャーロットに王妃は言って笑った。
ここで負けるわけにはいかなかった。出来たらクリスを逃したい。しかし、逃げようにも、部屋自体が障壁で囲まれており、王妃をどうにかしない限り逃げようがなかった。
シャーロットは渾身の力を込めて雷撃をピンポイントで王妃に向けて放った。
王妃は障壁を展開したが、錐のように鋭い雷撃はそれを貫き王妃を弾き飛ばしていた。
王妃が弾き飛ばされると同時に、部屋の障壁にほころびが生まれた。
「クリス逃げて」
シャーロットは叫んでいた。
「おのれ。女、よくもやってくれたな」
王妃は魔王の本性を現して髪を振り乱して立上った。
目は釣り上がり、顔は裂けて牙が見えているようだった。
「喰らえ」
爆裂魔術がシャーロットに襲いかかり、シャーロットボロ雑巾のように弾き飛ばされていた。
****************************************************
ついにエドに魔王が付きました。
ボフミエ魔導国始まろって以来のピンチです。最強のシャラザールは地獄に落ちており、クリス自身も眠らされています。魔王は元気ハツラツ。
親衛隊は全員捕まって、頼みの母も破れました。
残りは赤い死神に暴風王女と正義の騎士。
この3巨頭に戦力的にはだいぶ劣るが頭だけは働く陰険皇太子。
ボフミエ魔導国は巨大な大敵魔王らに勝てるのか。
話はここから佳境に入ります
乞うご期待。
「王妃様。ミハエル夫人をお連れましました」
コマリーはシャーロットを部屋の中に案内する。
「シャーロット。さあ座って」
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「王妃様、御用と伺ってまいりました」
「そうなのよ、実はあなたに頼みがあって」
王妃はにこやかに言った。
「どのようなお話ですか」
「実はエドが泣き込んで来たのよ。出来ればもう一度クリス嬢とやり直したいって」
「しかし、王妃様。娘は大衆の面前でエドワード様から婚約破棄されたのです。流石にそれに頷くとは思えませんが」
王妃の言葉にシャーロットは困惑した。公の場で婚約破棄されたのだ。もう一度やり直したいと言われて配送ですかと言えるわけはなかった。
「クリスが納得してくれたら、あなた方も考えてくれるということ」
王妃は何でも無いような言い方で言う。
「まあ、それはそうですが、王妃様のお姉さまからも、クリスを嫁に欲しいとやいのやいのと催促が参りまして」
「えっ? それはあなたがマーマレード王家にはクリスを任せられないということ」
一転して不機嫌そうに王妃は言った。
「そうは申せませんが、エドワード様は一度娘の信頼を裏切られました。すぐの修復は難しいかと」
「そう、これだけ頼んでも無理かしら」
王妃はどす黒いオーラを漂わせながら言った。
「王妃様。どうされたのですか」
シャーロットは思わず立上った。
「どうしても難しいというのならば、強引に話を進めるだけです」
王妃は合図をした。
後ろから屈強な兵士たちがわらわらと入ってきた。
「何をなさるのですか」
「国の至宝、クリスを隣国ドラフォートに嫁がせようとするのは国に対する不利益な行動、すなわち反逆の意思ありとみなします」
「な、何を言われるのです。そのような強引な手法通るわけは無いでしょう」
拘束しようとした兵士たちをシャーロットは魔術で弾き飛ばした。
「ミハイル侯爵夫人。あなた、王国の兵士たちに逆らうのですか」
「法を曲げて私を捕まえようとなさるならば私にも考えがあります」
「なるほど、あくまでも王国に反逆すると。では私の魔術受けてもらいましょう」
王妃は立上った。目はどんより光っており、醸し出すオーラはとても暗かった。
シャーロットは何故王妃がこのようなことをするのか理解できなかった。
それに雰囲気がいつもの王妃ではない。
そして、平素ならば王妃には確実に勝てたが、何故か目の前の王妃には勝てる気がしなかった。
「では行きますよ」
王妃が衝撃波を放った。
シャーロットは障壁で受け止めるが、そのあまりの強さに、障壁が弾き飛んで、シャーロットは地面に叩きつけられた。
そんなバカな。シャーロットの魔力はマーマレードではジャルカについで高いはずだった。
王妃に負けるなど考えられなかった。
続いて、王妃の衝撃波はシャーロットを壁に叩きつける。
シャーロットはなんとか立上った。
「ふんっ、もう終わりですか」
立上ったシャーロットに王妃は言って笑った。
ここで負けるわけにはいかなかった。出来たらクリスを逃したい。しかし、逃げようにも、部屋自体が障壁で囲まれており、王妃をどうにかしない限り逃げようがなかった。
シャーロットは渾身の力を込めて雷撃をピンポイントで王妃に向けて放った。
王妃は障壁を展開したが、錐のように鋭い雷撃はそれを貫き王妃を弾き飛ばしていた。
王妃が弾き飛ばされると同時に、部屋の障壁にほころびが生まれた。
「クリス逃げて」
シャーロットは叫んでいた。
「おのれ。女、よくもやってくれたな」
王妃は魔王の本性を現して髪を振り乱して立上った。
目は釣り上がり、顔は裂けて牙が見えているようだった。
「喰らえ」
爆裂魔術がシャーロットに襲いかかり、シャーロットボロ雑巾のように弾き飛ばされていた。
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ついにエドに魔王が付きました。
ボフミエ魔導国始まろって以来のピンチです。最強のシャラザールは地獄に落ちており、クリス自身も眠らされています。魔王は元気ハツラツ。
親衛隊は全員捕まって、頼みの母も破れました。
残りは赤い死神に暴風王女と正義の騎士。
この3巨頭に戦力的にはだいぶ劣るが頭だけは働く陰険皇太子。
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