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第十章 マーマレード元皇太子の反撃
ウィルは実家に久々に帰りました
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一方ウィル達はミハイル侯爵邸の前に転移する。
「うわーっ。すごく大きいですね」
ミアは邸宅を見て言った。門からは邸宅がかろうじて見えるほど前庭が大きかった。
「本当ね」
イザベラも驚いて言った。
「何言ってんだよ。イザベラのところも侯爵家だろ」
ウィルが言う。
「うちは侯爵家って言っても伯爵家とそんなに変わんないから。でも、この広さ、アルバートの実家のバーミンガム公爵家よりも広いんじゃない」
「なわけ無いだろ。あそこは大国ドラフォードの筆頭公爵家だぜ。中堅国のマーマレードの1侯爵家と比べられるわけ無いだろう」
ウィルは笑って言った。
でも、その大きさはイザベラが全ての邸宅を把握している訳でもないが、ずば抜けて大きかった。
「あっ、ウィル様。おかえりなさい」
ウィルを見つけて門番が飛んできた。
「ああ、姉さまは? 」
「クリスティーナ様は昨日から王宮に行かれてこちらにはお戻りなっておりません」
「えっ王宮に行った? 」
ウィルは初耳だった。
「何でも王妃様のお茶会に呼ばれて少し気分が悪くなられて、王宮で休まれているとか」
「えっ、姉上が倒れられたって。聞いていないぞ!」
「本当なんですか?」
後ろの二人も慌てて門番に詰め寄る。
「詳しくは、ジャン様に聞いていただければ」
門番は3人を中に入れる。
歩いてくるウィルを見て、執事のジャンが慌てて飛び出し来た。
「これはこれはウィル様。お久しぶりです」
「それよりもジャン。姉上が倒れられたんだって」
「昨日奥様と王妃様のお茶会に招かれて、今までの心労がたたって少し気分を害されて王宮で休んでいらっしゃると」
「また、王妃にいじめられたの?」
ウィルは執事に詰め寄る。
「ウィル様。そのような不敬なことを」
ジャンは咎めるが、
「事実でしょ。こうはしてはいられないぞ。すぐに俺も王宮に」
「ウィル様。今日は奥様も連れて帰ると言われたので、もう帰られるかと思うのですが」
今にも転移して行きそうなウィルをジャンは止めた。
「そうなのか。なら待つけど。でも姉さまが倒れられたという事は前もって俺にもちゃんと報告してくれないと」
ウィルがムッとして言った。
「クリス様が大したこと無いし大げさにしたくないとおっしゃられたと」
ジャンが言い訳する。
「まあ仕方がないかも知れないけれど、姉さまが勝手にここに帰られて俺たちはてんやわんやだったんだから」
「その事もあってではないですかね。普段周りに気を使われるクリス様が、単独行動なさるなど余程のことかと」
ウィルの不満にジャンが宥めた。
「そんなに疲れておいででしたか」
ミアが聞く。
「いえ、奥様とお話になられた後、お見かけした時はそうでもなかったかと。それよりも旦那様のお相手なさるのに、お疲れになられたような気がいたしますが」
「父様は姉上至上主義だからな」
ウィルが笑って言うが、ミアもイザベラも お前もだろ と言いたいのを我慢した。
「もうお戻りになると思いますので、客間で少しおくつろぎ下さい」
ジャンは3人を客間に案内する。
「あの、ジャン様。私クリス様付きの侍女なので、クリス様付きの侍女の方を紹介頂けるとありがたいのですが」
「あなたは」
「申し遅れました。ミア・フェルトと申します」
ジャンにミアが挨拶する。
「あなたがクリス様の侍女をしていただいているのですか。では、侍女長の所に案内しましょう」
執事とミアが出ていくと侍女たちが二人にお茶を出す。
「ウィル。待ってて良いの?」
イザベラが聞く。
「まあ、もう帰ってくるんなら良いんじゃないかな。俺も王妃は苦手なんだよね」
苦笑いをしながらウィルが言った。いつも礼儀作法がなっていないと、ウィルも怒られてきた口なのだ。
しかし、ウィルらはその王宮にエドがいるとは知らなかった。もし、エドがいると知っていたならばウィルは即座に王宮に向かっただろう。と言うか、アルバートらをすぐに王宮に向かわせたはずだった。後でそれを知ったウイルは後悔することになった。
「うわーっ。すごく大きいですね」
ミアは邸宅を見て言った。門からは邸宅がかろうじて見えるほど前庭が大きかった。
「本当ね」
イザベラも驚いて言った。
「何言ってんだよ。イザベラのところも侯爵家だろ」
ウィルが言う。
「うちは侯爵家って言っても伯爵家とそんなに変わんないから。でも、この広さ、アルバートの実家のバーミンガム公爵家よりも広いんじゃない」
「なわけ無いだろ。あそこは大国ドラフォードの筆頭公爵家だぜ。中堅国のマーマレードの1侯爵家と比べられるわけ無いだろう」
ウィルは笑って言った。
でも、その大きさはイザベラが全ての邸宅を把握している訳でもないが、ずば抜けて大きかった。
「あっ、ウィル様。おかえりなさい」
ウィルを見つけて門番が飛んできた。
「ああ、姉さまは? 」
「クリスティーナ様は昨日から王宮に行かれてこちらにはお戻りなっておりません」
「えっ王宮に行った? 」
ウィルは初耳だった。
「何でも王妃様のお茶会に呼ばれて少し気分が悪くなられて、王宮で休まれているとか」
「えっ、姉上が倒れられたって。聞いていないぞ!」
「本当なんですか?」
後ろの二人も慌てて門番に詰め寄る。
「詳しくは、ジャン様に聞いていただければ」
門番は3人を中に入れる。
歩いてくるウィルを見て、執事のジャンが慌てて飛び出し来た。
「これはこれはウィル様。お久しぶりです」
「それよりもジャン。姉上が倒れられたんだって」
「昨日奥様と王妃様のお茶会に招かれて、今までの心労がたたって少し気分を害されて王宮で休んでいらっしゃると」
「また、王妃にいじめられたの?」
ウィルは執事に詰め寄る。
「ウィル様。そのような不敬なことを」
ジャンは咎めるが、
「事実でしょ。こうはしてはいられないぞ。すぐに俺も王宮に」
「ウィル様。今日は奥様も連れて帰ると言われたので、もう帰られるかと思うのですが」
今にも転移して行きそうなウィルをジャンは止めた。
「そうなのか。なら待つけど。でも姉さまが倒れられたという事は前もって俺にもちゃんと報告してくれないと」
ウィルがムッとして言った。
「クリス様が大したこと無いし大げさにしたくないとおっしゃられたと」
ジャンが言い訳する。
「まあ仕方がないかも知れないけれど、姉さまが勝手にここに帰られて俺たちはてんやわんやだったんだから」
「その事もあってではないですかね。普段周りに気を使われるクリス様が、単独行動なさるなど余程のことかと」
ウィルの不満にジャンが宥めた。
「そんなに疲れておいででしたか」
ミアが聞く。
「いえ、奥様とお話になられた後、お見かけした時はそうでもなかったかと。それよりも旦那様のお相手なさるのに、お疲れになられたような気がいたしますが」
「父様は姉上至上主義だからな」
ウィルが笑って言うが、ミアもイザベラも お前もだろ と言いたいのを我慢した。
「もうお戻りになると思いますので、客間で少しおくつろぎ下さい」
ジャンは3人を客間に案内する。
「あの、ジャン様。私クリス様付きの侍女なので、クリス様付きの侍女の方を紹介頂けるとありがたいのですが」
「あなたは」
「申し遅れました。ミア・フェルトと申します」
ジャンにミアが挨拶する。
「あなたがクリス様の侍女をしていただいているのですか。では、侍女長の所に案内しましょう」
執事とミアが出ていくと侍女たちが二人にお茶を出す。
「ウィル。待ってて良いの?」
イザベラが聞く。
「まあ、もう帰ってくるんなら良いんじゃないかな。俺も王妃は苦手なんだよね」
苦笑いをしながらウィルが言った。いつも礼儀作法がなっていないと、ウィルも怒られてきた口なのだ。
しかし、ウィルらはその王宮にエドがいるとは知らなかった。もし、エドがいると知っていたならばウィルは即座に王宮に向かっただろう。と言うか、アルバートらをすぐに王宮に向かわせたはずだった。後でそれを知ったウイルは後悔することになった。
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