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第十章 マーマレード元皇太子の反撃
クリスは元婚約者に嵌められました
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そのまま母達と中庭に向かう。
そして、クリスは背筋をピリッと伸ばした王妃を見つけた。王妃は王妃のままだった。庭に出されたテーブルを挟んで王妃が腰掛けていた。
「クリス、久しぶりね」
王妃が立ち上がって言った。
「最も今はクリスと呼ぶよりもボフミエ筆頭魔導師様とお呼びしないといけないのかしら」
王妃の軽い嫌味にクリスは困惑した。
「お久しぶりです。王妃様。王妃様にはここまで教育していただきましたし、今まで通りクリスで結構ですよ」
クリスは仕方無しに言った。ジャルカからは出来れば筆頭魔導師として会うように指示されていたが、こうなっては仕方が無かった。
「王妃様お久し振りです」
シャーロットも次いで挨拶する。
「本当に。エドがあんな事をしてからシャーロットも殆ど来てくれなくて寂しかったわ」
王妃が嫌味を言う。
「そのようなことはございませんわ。クリスやウィルがいろいろとやらかしてくれますので、心配でこちらにもお邪魔できなかっただけですから」
シャーロットはサラリと言う。
「まあそれはうちの娘もクリスには色々と迷惑をかけていると思うわ」
「とんでもございません。ジャンヌ殿下には本当にお助けいただいております。また、ボフミエ魔導国に6万トンもの食料援助頂いたこと。ボフミエ筆頭魔道士として御礼申し上げます」
クリスはいきなり筆頭魔導師の顔でお礼を言った。
「えっ、そんなの困った時はお互い様よ」
王妃は笑って言った。
「あのおかげて民が飢えずに済みました。本当にありがとうございました」
「まあ、堅苦しいことはそのあたりにしてボフミエはどう。やっぱり暑いの?」
王妃は当たり障りのない話から入った。
久しぶりの王妃は昔のように接しにくい感じはなく、人当たりもとても良かった。
クリスは何故かその王妃に違和感を感じたのだが、それが何かは判らなかった。
「それでね。クリス。母として1つだけあなたに頼みたいことがあるのだけれど」
王妃が改まって話しだした。
「何でしょうか。出来る限りお応えしたいと思いますが」
嫌な予感がクリスはしたが、そう言われればこう答えるしか無かった。
「実はエドワードが帰ってきているの。大変言いにくいことなんだけど、一度あなたにはっきりと前回の件を謝りたいと言っているの。本当に申し訳ないんだけど、聞いてやってもらうわけにはいかないかしら」
「えっ、エドワード様にですか」
クリスは躊躇した。思いっきり殴り倒したのはクリスなのだ。
「でも、私もエドワード様に手を上げてしまいましたし、謝るのは私ではないかと思うのですが」
「でも蔑ろにしたのはエドだし、エドも本当に反省しているの。だから一度だけ謝らせてやってほしいのだけど」
言いにくそうに王妃は言った。
まあエドも幼馴染だし、基本的にジャンヌの弟で、謝りたいと言われれば拒絶することも出来なかった。
「判りました」
クリスは頷いた。
クリスは侍女のアガサを連れて騎士見習いのジェームス・ギルティに連れられてエドの部屋に向かった。
エドの部屋に来ると扉が開いていた部屋にそのまま案内される。
クリスを見ると立ち上がってエドは出迎えた。
「クリスティーナ嬢。あのようなことをして大変申し訳なかった」
言うや、エドはいきなりクリスの前に跪いた。
「いえ、エドワード様。そのような」
クリスは慌ててエドの手を握って立ち上がらせようとした。
「止めろ!クリス」
その瞬間頭の中で大声が響いたが、クリスはエドの手に触っていた。
瞬間的に吸い取られるような感覚がしてクリスは目眩がした。
ゆっくりと気を失って倒れる。
その倒れる前にエドはクリスを抱きとめていた。
「よし、成功したぞ」
エドはクリスを抱き上げて立ち上がった。
「邪魔なシャラザールを地獄に送ってやったわ」
エドは高笑いをした。
「これで二度とシャラザールには邪魔されぬ」
エドの目は爛爛と輝いていた。
「可愛いクリス。やっと私の元に帰ってきてくれたんだね」
愛おしそうにエドは気を失ったクリスを見つめていた。
そして、クリスは背筋をピリッと伸ばした王妃を見つけた。王妃は王妃のままだった。庭に出されたテーブルを挟んで王妃が腰掛けていた。
「クリス、久しぶりね」
王妃が立ち上がって言った。
「最も今はクリスと呼ぶよりもボフミエ筆頭魔導師様とお呼びしないといけないのかしら」
王妃の軽い嫌味にクリスは困惑した。
「お久しぶりです。王妃様。王妃様にはここまで教育していただきましたし、今まで通りクリスで結構ですよ」
クリスは仕方無しに言った。ジャルカからは出来れば筆頭魔導師として会うように指示されていたが、こうなっては仕方が無かった。
「王妃様お久し振りです」
シャーロットも次いで挨拶する。
「本当に。エドがあんな事をしてからシャーロットも殆ど来てくれなくて寂しかったわ」
王妃が嫌味を言う。
「そのようなことはございませんわ。クリスやウィルがいろいろとやらかしてくれますので、心配でこちらにもお邪魔できなかっただけですから」
シャーロットはサラリと言う。
「まあそれはうちの娘もクリスには色々と迷惑をかけていると思うわ」
「とんでもございません。ジャンヌ殿下には本当にお助けいただいております。また、ボフミエ魔導国に6万トンもの食料援助頂いたこと。ボフミエ筆頭魔道士として御礼申し上げます」
クリスはいきなり筆頭魔導師の顔でお礼を言った。
「えっ、そんなの困った時はお互い様よ」
王妃は笑って言った。
「あのおかげて民が飢えずに済みました。本当にありがとうございました」
「まあ、堅苦しいことはそのあたりにしてボフミエはどう。やっぱり暑いの?」
王妃は当たり障りのない話から入った。
久しぶりの王妃は昔のように接しにくい感じはなく、人当たりもとても良かった。
クリスは何故かその王妃に違和感を感じたのだが、それが何かは判らなかった。
「それでね。クリス。母として1つだけあなたに頼みたいことがあるのだけれど」
王妃が改まって話しだした。
「何でしょうか。出来る限りお応えしたいと思いますが」
嫌な予感がクリスはしたが、そう言われればこう答えるしか無かった。
「実はエドワードが帰ってきているの。大変言いにくいことなんだけど、一度あなたにはっきりと前回の件を謝りたいと言っているの。本当に申し訳ないんだけど、聞いてやってもらうわけにはいかないかしら」
「えっ、エドワード様にですか」
クリスは躊躇した。思いっきり殴り倒したのはクリスなのだ。
「でも、私もエドワード様に手を上げてしまいましたし、謝るのは私ではないかと思うのですが」
「でも蔑ろにしたのはエドだし、エドも本当に反省しているの。だから一度だけ謝らせてやってほしいのだけど」
言いにくそうに王妃は言った。
まあエドも幼馴染だし、基本的にジャンヌの弟で、謝りたいと言われれば拒絶することも出来なかった。
「判りました」
クリスは頷いた。
クリスは侍女のアガサを連れて騎士見習いのジェームス・ギルティに連れられてエドの部屋に向かった。
エドの部屋に来ると扉が開いていた部屋にそのまま案内される。
クリスを見ると立ち上がってエドは出迎えた。
「クリスティーナ嬢。あのようなことをして大変申し訳なかった」
言うや、エドはいきなりクリスの前に跪いた。
「いえ、エドワード様。そのような」
クリスは慌ててエドの手を握って立ち上がらせようとした。
「止めろ!クリス」
その瞬間頭の中で大声が響いたが、クリスはエドの手に触っていた。
瞬間的に吸い取られるような感覚がしてクリスは目眩がした。
ゆっくりと気を失って倒れる。
その倒れる前にエドはクリスを抱きとめていた。
「よし、成功したぞ」
エドはクリスを抱き上げて立ち上がった。
「邪魔なシャラザールを地獄に送ってやったわ」
エドは高笑いをした。
「これで二度とシャラザールには邪魔されぬ」
エドの目は爛爛と輝いていた。
「可愛いクリス。やっと私の元に帰ってきてくれたんだね」
愛おしそうにエドは気を失ったクリスを見つめていた。
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