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第九章 ザール教騒乱
クリスが恥辱にまみれると戦神が来臨しました
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一方ザール教の大聖堂は灰燼と化していた。しかし、何重もの障壁に囲まれた地下室は辛うじて被害を受けていなかった。
「おのれ、どうなっておるのだ」
辛うじて助けられたアードルフ教皇は叫んでいた。
「はっ。筆頭魔導師を暗殺に行ったヘンリクは返り討ちにあったようです。その筆頭魔導師の反撃で大聖堂は炎上したものと」
タネリ教皇魔導師団長がが答えた。
「な、何だと、千キロも離れておるのに、直接攻撃してきたということか」
「はい。過去にはGAFA本拠地の攻撃、魔王の居城攻撃、この前のノルディン王宮攻撃とボフミエの筆頭魔導師の攻撃の実積があります」
「そう意う事はもっと前もって言え」
教皇はブチギレた。
「という事はどこにいても攻撃される可能性があるということか」
「理論上は可能ですが、そう簡単に何度も攻撃は無理かと存じますが」
教皇の驚いた声にタネリは否定する。
「何を申しておる。千キロも離れたところからの雷撃の直接攻撃など本来は絶対無理なのだぞ。それが出来るだけで超人では無いか」
タネリの言う事を信じられずにアードルフは言った。
「ではいかがなさいますか」
「教皇アードルフ・ナッティネンは異端者クリスによって殉教したと全世界に発信せよ。そして聖戦を。ボフミエの小娘に対して聖戦を全信者に命じるのだ」
「はっ、了解いたしました」
アードルフの命令にマウノは跪いた。
「ボフミエの小娘が死ねば、余が復活するのだ。余を殺そうとしたことを後悔させてやるわ。ザール教の聖戦の恐怖を持ってしてな」
アードルフは高笑いした。
一方クリスは、また思わず雷撃してしまったことを後悔していた。
怒りの余り、ヘンリクを雷撃、その上修繕のなったばかりの謁見の間の天井を破壊してザール教の大聖堂を攻撃してしまったのだ。また多くの人が死んだのだろう。
「クリス、仕方が無いよ。ザールの奴らはそれだけ酷いことをしたんだから」
そのクリスを胸に抱いてオーウェンは慰めていた。
「でも、オウ。またよ。この前もノルディンの王宮を破壊して、王子を雷撃したところなのに。また、皆に化け物みたいに言われるんだわ」
クリスはオーウェンの胸の中で呟いた。
「でも、クリスのおかげで奴隷で爆死させられそうだった3人の女性の命は助かったんだし、諜報員たちの無念を晴らしたんだから」
オーウェンはクリスを見下ろしながら言った。
オーウェンは幸せだった。こういう時にしかクリスを胸に抱けなかった。クリスには悪いと思うのだが、オーウェンは後悔しているクリスを喜んで胸に抱いていた。両手で美しい金髪を優しく撫ぜながら。腰に添えた手からはクリスの柔らかな感触が伝わってきた。永遠にこの時間が続けばいいとオーウェンは思っていた。
が、
バンッ
大きな音とともに部屋の扉が開けられた。
「クリス、今後の対応だが」
ジャンヌらが入ってきた。
クリスは驚いて離れる。
「何だ。クリス。また反省していたのか」
「クリスもう何回目なのよ。いい加減あざといわよ」
「そうだ、オーウェン」
ジャンヌの言葉にアメリアとウイルが言う。
「アメリアお姉さま。あざといってどういうことですか」
クリスがきっとしてアメリアに言う。
「だってそうじゃない。いつも雷撃してはオーウェンに慰めてもらって」
「えっ、そんな事は無い・・・・」
「そうだ。アメリア。折角クリスが胸に飛び込んでくれたのに。お前ら邪魔するな!」
クリスは反論しようとしてオーウエンの言葉に固まる。そうだった。いつもオーウェンが優しいので、思わず胸に飛び込んでいたのだが、それは当然恋人がすることで・・・・。
「こんな時でもないとクリスを抱けないのに・・・・・・」
言ってからオーウェンは失敗したと思った。クリスが真っ赤になって固まっているのだ。余計な一言を言ってしまったと後悔した。
周りの者たちが、生暖かい視線で二人を見ている。
「まあ、二人のことは後でやってよね」
アメリアの言葉にクリスは更に真っ赤になって固まった。
しかし、次の瞬間皆が固まった。
ダンッ
凄まじい気が周りに充満したのだ。
「おのれ、どうなっておるのだ」
辛うじて助けられたアードルフ教皇は叫んでいた。
「はっ。筆頭魔導師を暗殺に行ったヘンリクは返り討ちにあったようです。その筆頭魔導師の反撃で大聖堂は炎上したものと」
タネリ教皇魔導師団長がが答えた。
「な、何だと、千キロも離れておるのに、直接攻撃してきたということか」
「はい。過去にはGAFA本拠地の攻撃、魔王の居城攻撃、この前のノルディン王宮攻撃とボフミエの筆頭魔導師の攻撃の実積があります」
「そう意う事はもっと前もって言え」
教皇はブチギレた。
「という事はどこにいても攻撃される可能性があるということか」
「理論上は可能ですが、そう簡単に何度も攻撃は無理かと存じますが」
教皇の驚いた声にタネリは否定する。
「何を申しておる。千キロも離れたところからの雷撃の直接攻撃など本来は絶対無理なのだぞ。それが出来るだけで超人では無いか」
タネリの言う事を信じられずにアードルフは言った。
「ではいかがなさいますか」
「教皇アードルフ・ナッティネンは異端者クリスによって殉教したと全世界に発信せよ。そして聖戦を。ボフミエの小娘に対して聖戦を全信者に命じるのだ」
「はっ、了解いたしました」
アードルフの命令にマウノは跪いた。
「ボフミエの小娘が死ねば、余が復活するのだ。余を殺そうとしたことを後悔させてやるわ。ザール教の聖戦の恐怖を持ってしてな」
アードルフは高笑いした。
一方クリスは、また思わず雷撃してしまったことを後悔していた。
怒りの余り、ヘンリクを雷撃、その上修繕のなったばかりの謁見の間の天井を破壊してザール教の大聖堂を攻撃してしまったのだ。また多くの人が死んだのだろう。
「クリス、仕方が無いよ。ザールの奴らはそれだけ酷いことをしたんだから」
そのクリスを胸に抱いてオーウェンは慰めていた。
「でも、オウ。またよ。この前もノルディンの王宮を破壊して、王子を雷撃したところなのに。また、皆に化け物みたいに言われるんだわ」
クリスはオーウェンの胸の中で呟いた。
「でも、クリスのおかげで奴隷で爆死させられそうだった3人の女性の命は助かったんだし、諜報員たちの無念を晴らしたんだから」
オーウェンはクリスを見下ろしながら言った。
オーウェンは幸せだった。こういう時にしかクリスを胸に抱けなかった。クリスには悪いと思うのだが、オーウェンは後悔しているクリスを喜んで胸に抱いていた。両手で美しい金髪を優しく撫ぜながら。腰に添えた手からはクリスの柔らかな感触が伝わってきた。永遠にこの時間が続けばいいとオーウェンは思っていた。
が、
バンッ
大きな音とともに部屋の扉が開けられた。
「クリス、今後の対応だが」
ジャンヌらが入ってきた。
クリスは驚いて離れる。
「何だ。クリス。また反省していたのか」
「クリスもう何回目なのよ。いい加減あざといわよ」
「そうだ、オーウェン」
ジャンヌの言葉にアメリアとウイルが言う。
「アメリアお姉さま。あざといってどういうことですか」
クリスがきっとしてアメリアに言う。
「だってそうじゃない。いつも雷撃してはオーウェンに慰めてもらって」
「えっ、そんな事は無い・・・・」
「そうだ。アメリア。折角クリスが胸に飛び込んでくれたのに。お前ら邪魔するな!」
クリスは反論しようとしてオーウエンの言葉に固まる。そうだった。いつもオーウェンが優しいので、思わず胸に飛び込んでいたのだが、それは当然恋人がすることで・・・・。
「こんな時でもないとクリスを抱けないのに・・・・・・」
言ってからオーウェンは失敗したと思った。クリスが真っ赤になって固まっているのだ。余計な一言を言ってしまったと後悔した。
周りの者たちが、生暖かい視線で二人を見ている。
「まあ、二人のことは後でやってよね」
アメリアの言葉にクリスは更に真っ赤になって固まった。
しかし、次の瞬間皆が固まった。
ダンッ
凄まじい気が周りに充満したのだ。
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