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第八章 ボフミエ王宮恋愛編
赤い死神が自国の北の大国に降伏勧告しました
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一方宋城は城壁の上部がほとんど破壊されて立っている旗は何故かトリポリ王国の旗のみになった。
「おい、あの旗、何か変じゃないか」
「陳国の旗ではないんじゃないか」
「おいっ、あれってひょっとしてトリポリの旗じゃなかったか」
ノルディンの兵士達が騒ぎ出した。そうそこにはトリポリ王国の旗緑の豚が何故か風に煽られてたなびいていた。
「アレクサンドロ様。これではノルディン対トリポリになっているではないですか」
呆然としてトリポリ国王ホフマンは言った。
「あああ、もう最悪です。皇帝陛下にもう申し訳が付きません」
取り乱してホフマンがいう。
「ホフマン。貴様いつまでうじうじいっている。これは歴史的なことだぞ、あのトリポリの旗が勝利の旗になるのだからな」
アレクが言う。
「しかし、これでノルディンから睨まれてしまいます」
「何をいっている。こちらは6カ国だぞ、貴様ノルディン1カ国に対してボフミエ側は6カ国どちらについた方が良いと思っているのだ」
「それはそうですが………」
ホフマンが不満そうにいう。本来ならそうっとしておいてほしかった。何で弱小国家がこんな所で目立たなければならないのだ。また、アレクに嵌められた。ついてくるのではなかった。
ホフマンは後悔した。
「閣下。陳国の旗が何故かトリポリ王国の旗にかわっておりますが」
「陳国は何を馬鹿なことをしているのだ。まだドラフォードの旗を立てたなら判るが、弱小国のトリポリの旗などどうしようもないではないか」
ヴァレンチンは自分らがその旗を既に破壊し尽くしたことなど全く判っていなかった。
「よし、そろそろ総攻撃に移るぞ」
そうヴァレンチンが叫んだときだった。
その空一面にアレクの画像が写った。
「皇太子殿下!?」
兵士達は驚いた。
今ボフミエにいる皇太子が何故ここに写る。
「警告する。私はボフミエ魔導国外務卿、アレクサンドル・ボロゾドフである。ノルデイン軍に告げる。直ちに全軍攻撃を止めて降伏せよ」
この言葉にノルディンの兵士達は戸惑った。何故陳国の城から自国の皇太子が、それも降伏勧告なんてしてくるんだ。
「貴様らは奴隷として攫われたボフミエ人に魔導爆弾を仕掛け我が筆頭魔導師様を攻撃した。
そして、今我ら宋城にいるボフミエ魔導国並びにノルディン帝国、ドラフォード王国、マーマレード王国、テレーゼ王国、陳王国、ジパグ王国、そして何故かトリポリ王国の旗を攻撃し、破壊した。
これは各国に対する宣戦布告と捉えられている。直ちに降伏せよ」
「な、何だと。おのれ何故殿下がこのような卑怯なことを」
宋城は目の前だが、そこに自国の皇太子がいるという。
それも攻撃目標の城の城壁に各国の旗を立ててノルディン軍に攻撃させたと言うではないか。
今更どうしろというのだ。
ヴァレンチンは途方に暮れた。
そこに本陣から通信が届いた。
ヴァレンチンはその指示により大画面に拡大してアレクと対峙させた。
「これはこれはアレクサンドロ兄上」
画面には今回の総司令官でアレクの一つ下の腹違いの弟のマトヴェイ・ボロゾドフが出てきた。
「マトヴェイか。久しいな」
アレクが応じる。
「兄上は皇太子にありながら我が帝国に逆らいボフミエにつかれるか。裏切られるなら皇太子の位を返上なされよ」
「そして、貴様がなるのか。貴様のような無能がなったらノルディンはそれだけで滅んでしまうわ」
そう言うとアレクが笑った。
「何だと。兄上こそ、いつからボフミエの小娘の下僕となられたのか」
「ふんっ、貴様のように世界の流れも知らず侵略を繰り返す野蛮人に言われたくないな」
「なんですと」
「それもわざわざ各国の旗を目立つように出してやったのに、それを気づきもせずに攻撃するとは司令官としての資質も劣るな」
アレクは弟を馬鹿にした。
「勝手に旗を並べただけだろうが」
「あいも変わらず脳筋だな。そんなわけ無いだろうが。これを考えたのは悪巧みが得意なドラフォード皇太子殿下だ」
「ちょっと待て、アレク。誰が悪巧みが得意だ」
その画面にいきなりオーウェンが出てくる。
「事実考えたのはお前だろ。本当にドラフォードはいつも卑怯だよな」
「何を言っている。巧妙な策略だと言ってほしいな」
「だから薄汚いと言われるんだろ」
「それをお前が言ってどうする。お前は今やったほうなのだぞ」
マトヴェイを無視してアレクとオーウェンは目の前で喧嘩を始めた。
「お前ら俺を放っておくな」
マトヴェイがしびれを切らして叫ぶが
「貴様は黙っていろ」
二人がハモった。
「おい、あの旗、何か変じゃないか」
「陳国の旗ではないんじゃないか」
「おいっ、あれってひょっとしてトリポリの旗じゃなかったか」
ノルディンの兵士達が騒ぎ出した。そうそこにはトリポリ王国の旗緑の豚が何故か風に煽られてたなびいていた。
「アレクサンドロ様。これではノルディン対トリポリになっているではないですか」
呆然としてトリポリ国王ホフマンは言った。
「あああ、もう最悪です。皇帝陛下にもう申し訳が付きません」
取り乱してホフマンがいう。
「ホフマン。貴様いつまでうじうじいっている。これは歴史的なことだぞ、あのトリポリの旗が勝利の旗になるのだからな」
アレクが言う。
「しかし、これでノルディンから睨まれてしまいます」
「何をいっている。こちらは6カ国だぞ、貴様ノルディン1カ国に対してボフミエ側は6カ国どちらについた方が良いと思っているのだ」
「それはそうですが………」
ホフマンが不満そうにいう。本来ならそうっとしておいてほしかった。何で弱小国家がこんな所で目立たなければならないのだ。また、アレクに嵌められた。ついてくるのではなかった。
ホフマンは後悔した。
「閣下。陳国の旗が何故かトリポリ王国の旗にかわっておりますが」
「陳国は何を馬鹿なことをしているのだ。まだドラフォードの旗を立てたなら判るが、弱小国のトリポリの旗などどうしようもないではないか」
ヴァレンチンは自分らがその旗を既に破壊し尽くしたことなど全く判っていなかった。
「よし、そろそろ総攻撃に移るぞ」
そうヴァレンチンが叫んだときだった。
その空一面にアレクの画像が写った。
「皇太子殿下!?」
兵士達は驚いた。
今ボフミエにいる皇太子が何故ここに写る。
「警告する。私はボフミエ魔導国外務卿、アレクサンドル・ボロゾドフである。ノルデイン軍に告げる。直ちに全軍攻撃を止めて降伏せよ」
この言葉にノルディンの兵士達は戸惑った。何故陳国の城から自国の皇太子が、それも降伏勧告なんてしてくるんだ。
「貴様らは奴隷として攫われたボフミエ人に魔導爆弾を仕掛け我が筆頭魔導師様を攻撃した。
そして、今我ら宋城にいるボフミエ魔導国並びにノルディン帝国、ドラフォード王国、マーマレード王国、テレーゼ王国、陳王国、ジパグ王国、そして何故かトリポリ王国の旗を攻撃し、破壊した。
これは各国に対する宣戦布告と捉えられている。直ちに降伏せよ」
「な、何だと。おのれ何故殿下がこのような卑怯なことを」
宋城は目の前だが、そこに自国の皇太子がいるという。
それも攻撃目標の城の城壁に各国の旗を立ててノルディン軍に攻撃させたと言うではないか。
今更どうしろというのだ。
ヴァレンチンは途方に暮れた。
そこに本陣から通信が届いた。
ヴァレンチンはその指示により大画面に拡大してアレクと対峙させた。
「これはこれはアレクサンドロ兄上」
画面には今回の総司令官でアレクの一つ下の腹違いの弟のマトヴェイ・ボロゾドフが出てきた。
「マトヴェイか。久しいな」
アレクが応じる。
「兄上は皇太子にありながら我が帝国に逆らいボフミエにつかれるか。裏切られるなら皇太子の位を返上なされよ」
「そして、貴様がなるのか。貴様のような無能がなったらノルディンはそれだけで滅んでしまうわ」
そう言うとアレクが笑った。
「何だと。兄上こそ、いつからボフミエの小娘の下僕となられたのか」
「ふんっ、貴様のように世界の流れも知らず侵略を繰り返す野蛮人に言われたくないな」
「なんですと」
「それもわざわざ各国の旗を目立つように出してやったのに、それを気づきもせずに攻撃するとは司令官としての資質も劣るな」
アレクは弟を馬鹿にした。
「勝手に旗を並べただけだろうが」
「あいも変わらず脳筋だな。そんなわけ無いだろうが。これを考えたのは悪巧みが得意なドラフォード皇太子殿下だ」
「ちょっと待て、アレク。誰が悪巧みが得意だ」
その画面にいきなりオーウェンが出てくる。
「事実考えたのはお前だろ。本当にドラフォードはいつも卑怯だよな」
「何を言っている。巧妙な策略だと言ってほしいな」
「だから薄汚いと言われるんだろ」
「それをお前が言ってどうする。お前は今やったほうなのだぞ」
マトヴェイを無視してアレクとオーウェンは目の前で喧嘩を始めた。
「お前ら俺を放っておくな」
マトヴェイがしびれを切らして叫ぶが
「貴様は黙っていろ」
二人がハモった。
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