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第八章 ボフミエ王宮恋愛編
テレーゼ王宮では愛娘が勝手に戦場に行ったと女王がヒステリーを起こしていました
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一方テレーゼ王宮は修羅場とかしていた。
「サロメ!どうなっておる。何故アメリアが宋城におるのだ」
画像でテレーゼの旗が破壊されるのを見て、テレーゼの女王はヒステリー状態になっていた。
「申し訳ありません。こちらの方では情報は掴みかねております。ただし、サイラスがついていると思われますので、大丈夫だと思いますが」
「サイラスがついているから心配なのであろうが!あやつが、この地に魔人を送り込んできたこと、よもや忘れてはおるまいな」
女王オリビアはその時のことを思い出して肝を冷やしていた。おかげで王宮はとんでもないことになったのだ。
「いやあ、その節は申し訳ありませんでしたな」
そこへサイラスが転移して現れる。
「本当じゃ……ちょっと待て。貴様なんでここにおる?」
アメリアは驚いて聞いた。
「いや、ボフミエから転移してまいりまして」
「そんなことではない。アメリアの護衛はどうしたのじゃと聞いておる」
サイラスのふざけた応えにオリビアは更に切れた。
「アメリア様の護衛にはレオがついておりますからな」
「そういう問題では無かろうが。貴様が護衛につかんでどうする」
オリビアはサイラスの胸ぐらを掴んで揺すった。
「いやあ、陛下に熱烈なラブコールをお送り頂いてこれほど嬉しいことはございませんが」
「はあああ、何をふざけたことを申しておる。アメリアの護衛の貴様がなんでここに居ると聞いておるのだ」
「護衛はレオでございますぞ」
「このテレーゼ最強魔導師の貴様が付いておらんでどうするのかと聞いておるのだ」
そのふざけたサイラスの言葉はオリビアの怒りに更に火をつけていた。
「殿下にボフミエで待っていろと連れて行ってもらえませなんだ」
「はあん?あのガキは何をトチ狂ってノルディンの大軍の中にレオ一人連れて行っておるのだ」
サイラスの応えにオリビアは怒りの対象を愛娘に切り替える。
「陛下。ご心配召されるな。魔王を一撃で下した我が愛しの孫娘もおりますからな。心配はございません」
オリビアの慌てた姿とは対象的にのんびりとサイラスが言う。
「ノルディンは6個師団なのだぞ」
「そうは申しても所詮屑はいくら集まってもクズでございます。対するボフミエは赤い死神と暴風王女に正義の騎士とあと変なことに気の回る陰険皇太子が揃っておるのですぞ。負けるわけはございません」
サイラスは自信を持って言い切った。
「そんな事を言ってもだな。戦場に出ればどうなるかはわかるまい」
サイラスの言うことにオリビアは少しトーンダウンする。
「いや、おそらく、姫様は宋城で依然王女や悠然とお茶を飲んでいるうちに終わりましょう」
「しかし、赤い死神は自国の軍を攻撃できるのか」
「赤い死神は我が娘を恐れること火のごとしですからの。ご心配には及びません」
「何故、あの傍若無人の赤い死神が高々1侯爵令嬢のそなたの孫娘を恐れるのだ」
オリビアはには信じられないことだった。
「何故と言われましても、我が孫はシャラザール山を一瞬で破壊。この度もノルディンに魔導爆弾を仕込まれた侍女の母親を救出、怒りのあまり、雷撃をノルディン宮殿に放ち破壊しておるのですぞ。そのような事出来るものは他には人間ではおりません」
「そうか、そなたの孫娘、ノルディンの宮殿を破壊したのか」
「はい。今回の出兵も孫娘が困った陳国の王女のために赤い死神に土下座して頼んだのがきっかけでして、あの赤い死神が必死になって何でもしますから土下座だけは止めてくださいと申して遠征が決まった次第でして」
「あの赤い死神が頼んだというのか」
オリビアとしては信じられなかった。そもそも、陳国のためにクリスが赤い死神に土下座したという事も信じられなかったが、それを見てもっと頭を下げたら考えてやっても良いと傲岸な態度を取りそうな赤い死神が、頼むから土下座を止めてほしいと言うなど信じられなかった。
「臣めもこの目で見ないと到底信じられない事でした」
サイラスも肯定した。
「あの赤い死神が手懐けられておるのか」
「そうなりますな」
「という事はひょっとしてあのクリスは世界最強ということか」
「となりますかな。ドラフォードの皇太子も必死に機嫌を取っておりましたし、暴風王女も喜んで手を差し出しておりますし、正義の騎士はそもそも孫娘の騎士ですからの。そういうことですから、陛下もその祖父の私をもっと立てて頂けませんかの」
サイラスは胸を張った。
「ふんっ。貴様はそのクリスに鬱陶しがられているではないか」
「いや、孫娘は恥ずかしがっておるだけですな」
「ふんっ、なわけはあるか」
オリビアは鼻で笑った。
「まあ、魔王も退治してくれたし、侵略国家のノルディンにもお灸を据えてくれれば、世界も少しは平和になるな」
「そうなってほしいですな」
オリビアの言葉に珍しくサイラスは頷いていた。
*******************************************************
テレーゼ王国 シャラザール帝国が分裂してできた3国の1つ、
戦神シャラザールにあやかって代々女王が相続する国で現女王オリビアはドラフォード王妃とマーマレード王妃の姉。今3国はテレーゼ3姉妹が君臨?している。
サロメは魔導親衛騎士団長。可愛そうなことにいつも女王とサイラスの漫才の被害にあっている?
マーマレードと地続きでマーマレードの南西に位置する。商業が盛ん。
国境の陸続きはマーマレードのみ。
「サロメ!どうなっておる。何故アメリアが宋城におるのだ」
画像でテレーゼの旗が破壊されるのを見て、テレーゼの女王はヒステリー状態になっていた。
「申し訳ありません。こちらの方では情報は掴みかねております。ただし、サイラスがついていると思われますので、大丈夫だと思いますが」
「サイラスがついているから心配なのであろうが!あやつが、この地に魔人を送り込んできたこと、よもや忘れてはおるまいな」
女王オリビアはその時のことを思い出して肝を冷やしていた。おかげで王宮はとんでもないことになったのだ。
「いやあ、その節は申し訳ありませんでしたな」
そこへサイラスが転移して現れる。
「本当じゃ……ちょっと待て。貴様なんでここにおる?」
アメリアは驚いて聞いた。
「いや、ボフミエから転移してまいりまして」
「そんなことではない。アメリアの護衛はどうしたのじゃと聞いておる」
サイラスのふざけた応えにオリビアは更に切れた。
「アメリア様の護衛にはレオがついておりますからな」
「そういう問題では無かろうが。貴様が護衛につかんでどうする」
オリビアはサイラスの胸ぐらを掴んで揺すった。
「いやあ、陛下に熱烈なラブコールをお送り頂いてこれほど嬉しいことはございませんが」
「はあああ、何をふざけたことを申しておる。アメリアの護衛の貴様がなんでここに居ると聞いておるのだ」
「護衛はレオでございますぞ」
「このテレーゼ最強魔導師の貴様が付いておらんでどうするのかと聞いておるのだ」
そのふざけたサイラスの言葉はオリビアの怒りに更に火をつけていた。
「殿下にボフミエで待っていろと連れて行ってもらえませなんだ」
「はあん?あのガキは何をトチ狂ってノルディンの大軍の中にレオ一人連れて行っておるのだ」
サイラスの応えにオリビアは怒りの対象を愛娘に切り替える。
「陛下。ご心配召されるな。魔王を一撃で下した我が愛しの孫娘もおりますからな。心配はございません」
オリビアの慌てた姿とは対象的にのんびりとサイラスが言う。
「ノルディンは6個師団なのだぞ」
「そうは申しても所詮屑はいくら集まってもクズでございます。対するボフミエは赤い死神と暴風王女に正義の騎士とあと変なことに気の回る陰険皇太子が揃っておるのですぞ。負けるわけはございません」
サイラスは自信を持って言い切った。
「そんな事を言ってもだな。戦場に出ればどうなるかはわかるまい」
サイラスの言うことにオリビアは少しトーンダウンする。
「いや、おそらく、姫様は宋城で依然王女や悠然とお茶を飲んでいるうちに終わりましょう」
「しかし、赤い死神は自国の軍を攻撃できるのか」
「赤い死神は我が娘を恐れること火のごとしですからの。ご心配には及びません」
「何故、あの傍若無人の赤い死神が高々1侯爵令嬢のそなたの孫娘を恐れるのだ」
オリビアはには信じられないことだった。
「何故と言われましても、我が孫はシャラザール山を一瞬で破壊。この度もノルディンに魔導爆弾を仕込まれた侍女の母親を救出、怒りのあまり、雷撃をノルディン宮殿に放ち破壊しておるのですぞ。そのような事出来るものは他には人間ではおりません」
「そうか、そなたの孫娘、ノルディンの宮殿を破壊したのか」
「はい。今回の出兵も孫娘が困った陳国の王女のために赤い死神に土下座して頼んだのがきっかけでして、あの赤い死神が必死になって何でもしますから土下座だけは止めてくださいと申して遠征が決まった次第でして」
「あの赤い死神が頼んだというのか」
オリビアとしては信じられなかった。そもそも、陳国のためにクリスが赤い死神に土下座したという事も信じられなかったが、それを見てもっと頭を下げたら考えてやっても良いと傲岸な態度を取りそうな赤い死神が、頼むから土下座を止めてほしいと言うなど信じられなかった。
「臣めもこの目で見ないと到底信じられない事でした」
サイラスも肯定した。
「あの赤い死神が手懐けられておるのか」
「そうなりますな」
「という事はひょっとしてあのクリスは世界最強ということか」
「となりますかな。ドラフォードの皇太子も必死に機嫌を取っておりましたし、暴風王女も喜んで手を差し出しておりますし、正義の騎士はそもそも孫娘の騎士ですからの。そういうことですから、陛下もその祖父の私をもっと立てて頂けませんかの」
サイラスは胸を張った。
「ふんっ。貴様はそのクリスに鬱陶しがられているではないか」
「いや、孫娘は恥ずかしがっておるだけですな」
「ふんっ、なわけはあるか」
オリビアは鼻で笑った。
「まあ、魔王も退治してくれたし、侵略国家のノルディンにもお灸を据えてくれれば、世界も少しは平和になるな」
「そうなってほしいですな」
オリビアの言葉に珍しくサイラスは頷いていた。
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テレーゼ王国 シャラザール帝国が分裂してできた3国の1つ、
戦神シャラザールにあやかって代々女王が相続する国で現女王オリビアはドラフォード王妃とマーマレード王妃の姉。今3国はテレーゼ3姉妹が君臨?している。
サロメは魔導親衛騎士団長。可愛そうなことにいつも女王とサイラスの漫才の被害にあっている?
マーマレードと地続きでマーマレードの南西に位置する。商業が盛ん。
国境の陸続きはマーマレードのみ。
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