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第八章 ボフミエ王宮恋愛編
大国皇太子はライバル出現に焦ってクリスに電話しますが、繋がりませんでした。
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翌朝、執務室で始業時間前からヘルマンらは仕事に勤しんでいた。
「おおい、内務卿が来ないぞ」
ヘルマンが叫ぶ。
「昨日、遊びすぎたんじゃないか」
とスミス。
「依然王女と二人で消えたそうだから。良かったのかな」
シュテファンまで言う。
そこに内務の魔導電話がなった。
「おはようございます」
「クリス様。おはようございます」
クリスが出てきたので慌ててヘルマンらが立上った。
「ヘルマン様。おはようございます。内務卿はどちらにいらっしゃいますか」
「オーウェン様ですか。まだいらっしゃっていないんですが」
気まずそうにヘルマンが応える。
「そうですか。何度かお電話頂いていたのですが、ちょっと取れなくて」
オーウェンは忙しくても内務には顔を出さなくてもクリスには電話するんだと4人は感心した。
「皆さんに朗報です。探していた財務卿になり手がやっと見つかりました」
「本当ですか」
スミスが喜んで言った。今までは財務の仕事の手伝いもスミスを中心にさせられていたのだ。
これで仕事が少なくなるはずだ。とスミスは思った。
「皆さんにご紹介しますね。ジパグ王国の皇太子殿下であらせられるコレキヨ様です」
画面には黒髪黒目の眉目秀麗な男が現れた。
「内務の皆様。ご紹介に預かりましたコレキヨです。よろしくお願いいたします」
コレキヨは礼をした。
「コレキヨ様。内務次官のヘルマン・ゲーリング様。・・・・・・」
クリスはいた4人をコレキヨに順番に紹介した。
その度に一言ずつ挨拶する。
そして、クリスは
「内務卿にも宜しくお伝え下さい」
と言って電話を切った。
「良かったな。財務卿が見つかって」
ヘルマンがスミスに言った。
「そうですね。でも、財務卿ができたってことは財務省が出来るということで、スミスらは財務省に移動するのかな」
シュテファンが気になったことを言う。財務省はメルヒオールがGAFAとの贈賄罪で収監されてから内務と合併していて、オーウェンが束ねていた。
「それはどうかわかりませんけど」
「それは困る。オーウェンの無茶振りを被るやつがひとり減る」
スミスにヘルマンが言う。
「誰が無茶振りだって」
そこにオーウェンが現れた。
「お前の…」
「依然王女」
口答えしようとしたヘンリーをシュテファンの声が塞ぐ。
オーウェンの後ろには陳国の王女の依然が立っていた。
「そう御名答。陳国の依然殿下だ。君たちの要望通り、今日は見学に来て頂いた」
「依然です。今日はよろしくお願いします」
依然が微笑みかけた。
「お初にお目にかかります。内務次官のヘルマン・ゲーリングです」
「シュテファン・キッツィンゲンです。家は子爵家です。」
「スティーブン・スミスです。マーマレードの平民です」
「ロルフ・ノーマンです。ボフミエの平民です」
各々自己紹介する。
「平民から内務省の幹部になられるなんて凄いのね」
感心して依然が言った。平民の二人は戸惑った。
「依然。基本この国は能力主義だ。平民だろうが、貴族だろうが、優秀な人間が上に立つ」
戸惑う二人に変わってオーウェンが応えた。
「そうよね。貴族主義の陳国とは違うのね」
「ま、そこはドラフォードも陳国とそんなに変わらないが」
「それよりも、内務卿クリス様から電話があって財務卿が決まったみたいですよ」
「えっクリス嬢から電話が。何回かけても出なかったのに」
シュテファンの言葉にオーウエンが文句を言う。
「内務卿探しておられましたけどいらっしゃらなかったので、ジパグの皇太子殿下に決まったそうです」
「ジパグの皇太子?」
オーウェンが聞き返した。
「そう、めちゃくちゃイケメンでしたよ」
スミスの言葉にオーウエンが嫌そうな顔をする。
「でも、クリス嬢は南部に農園の視察に行ったのでは。何故そこにジパグの皇太子がいる?」
「さあ、それはわかりませんけど、お二人とても仲良さそうでしたよ」
「何だと」
スミスの言葉にオーウェンはきっとする。
「俺になにか伝言は」
「だから財務卿が決まったとお伝えしてくれと」
「それだけ?」
シュテファンの言葉にオーウェンはむっとする。
「オウ、内務のことを色々お教えして頂けないかしら」
そこに依然が話題を変えようと聞く。
「それよりも依然。ジパグは君の国の隣だろう。皇太子のことよく知っているよね」
「それは少しは」
オーウェンの勢いに依然は少し驚いた。
「どんな奴?」
「どんな奴って、まあ、先程話があったように、顔はオウほどでないけど、まあイケメンだと思うわ。性格は真面目、私と違って計算は得意かも。昔からマーマレードの侯爵令嬢のことはよく話していたかも」
「何だと。こうはしていられん。ヘルマン。ここは頼んだ。ちょっと電話してくる」
「ちょっとオウっ」
依然が呼び止めようとするのを待たず、あっという間にオーウェンは部屋を出ていった。
外に出るとクリスに電話した。
「ピー、この電話は話し中で現在繋がりません。改めておかけ直し下さい」
オーウェンは何度もかけ直したが、その度に無情な電話機の機械的な声が響くのみだった。
「おおい、内務卿が来ないぞ」
ヘルマンが叫ぶ。
「昨日、遊びすぎたんじゃないか」
とスミス。
「依然王女と二人で消えたそうだから。良かったのかな」
シュテファンまで言う。
そこに内務の魔導電話がなった。
「おはようございます」
「クリス様。おはようございます」
クリスが出てきたので慌ててヘルマンらが立上った。
「ヘルマン様。おはようございます。内務卿はどちらにいらっしゃいますか」
「オーウェン様ですか。まだいらっしゃっていないんですが」
気まずそうにヘルマンが応える。
「そうですか。何度かお電話頂いていたのですが、ちょっと取れなくて」
オーウェンは忙しくても内務には顔を出さなくてもクリスには電話するんだと4人は感心した。
「皆さんに朗報です。探していた財務卿になり手がやっと見つかりました」
「本当ですか」
スミスが喜んで言った。今までは財務の仕事の手伝いもスミスを中心にさせられていたのだ。
これで仕事が少なくなるはずだ。とスミスは思った。
「皆さんにご紹介しますね。ジパグ王国の皇太子殿下であらせられるコレキヨ様です」
画面には黒髪黒目の眉目秀麗な男が現れた。
「内務の皆様。ご紹介に預かりましたコレキヨです。よろしくお願いいたします」
コレキヨは礼をした。
「コレキヨ様。内務次官のヘルマン・ゲーリング様。・・・・・・」
クリスはいた4人をコレキヨに順番に紹介した。
その度に一言ずつ挨拶する。
そして、クリスは
「内務卿にも宜しくお伝え下さい」
と言って電話を切った。
「良かったな。財務卿が見つかって」
ヘルマンがスミスに言った。
「そうですね。でも、財務卿ができたってことは財務省が出来るということで、スミスらは財務省に移動するのかな」
シュテファンが気になったことを言う。財務省はメルヒオールがGAFAとの贈賄罪で収監されてから内務と合併していて、オーウェンが束ねていた。
「それはどうかわかりませんけど」
「それは困る。オーウェンの無茶振りを被るやつがひとり減る」
スミスにヘルマンが言う。
「誰が無茶振りだって」
そこにオーウェンが現れた。
「お前の…」
「依然王女」
口答えしようとしたヘンリーをシュテファンの声が塞ぐ。
オーウェンの後ろには陳国の王女の依然が立っていた。
「そう御名答。陳国の依然殿下だ。君たちの要望通り、今日は見学に来て頂いた」
「依然です。今日はよろしくお願いします」
依然が微笑みかけた。
「お初にお目にかかります。内務次官のヘルマン・ゲーリングです」
「シュテファン・キッツィンゲンです。家は子爵家です。」
「スティーブン・スミスです。マーマレードの平民です」
「ロルフ・ノーマンです。ボフミエの平民です」
各々自己紹介する。
「平民から内務省の幹部になられるなんて凄いのね」
感心して依然が言った。平民の二人は戸惑った。
「依然。基本この国は能力主義だ。平民だろうが、貴族だろうが、優秀な人間が上に立つ」
戸惑う二人に変わってオーウェンが応えた。
「そうよね。貴族主義の陳国とは違うのね」
「ま、そこはドラフォードも陳国とそんなに変わらないが」
「それよりも、内務卿クリス様から電話があって財務卿が決まったみたいですよ」
「えっクリス嬢から電話が。何回かけても出なかったのに」
シュテファンの言葉にオーウエンが文句を言う。
「内務卿探しておられましたけどいらっしゃらなかったので、ジパグの皇太子殿下に決まったそうです」
「ジパグの皇太子?」
オーウェンが聞き返した。
「そう、めちゃくちゃイケメンでしたよ」
スミスの言葉にオーウエンが嫌そうな顔をする。
「でも、クリス嬢は南部に農園の視察に行ったのでは。何故そこにジパグの皇太子がいる?」
「さあ、それはわかりませんけど、お二人とても仲良さそうでしたよ」
「何だと」
スミスの言葉にオーウェンはきっとする。
「俺になにか伝言は」
「だから財務卿が決まったとお伝えしてくれと」
「それだけ?」
シュテファンの言葉にオーウェンはむっとする。
「オウ、内務のことを色々お教えして頂けないかしら」
そこに依然が話題を変えようと聞く。
「それよりも依然。ジパグは君の国の隣だろう。皇太子のことよく知っているよね」
「それは少しは」
オーウェンの勢いに依然は少し驚いた。
「どんな奴?」
「どんな奴って、まあ、先程話があったように、顔はオウほどでないけど、まあイケメンだと思うわ。性格は真面目、私と違って計算は得意かも。昔からマーマレードの侯爵令嬢のことはよく話していたかも」
「何だと。こうはしていられん。ヘルマン。ここは頼んだ。ちょっと電話してくる」
「ちょっとオウっ」
依然が呼び止めようとするのを待たず、あっという間にオーウェンは部屋を出ていった。
外に出るとクリスに電話した。
「ピー、この電話は話し中で現在繋がりません。改めておかけ直し下さい」
オーウェンは何度もかけ直したが、その度に無情な電話機の機械的な声が響くのみだった。
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