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第七章 魔王復活

クロチア最終決戦5 赤い死神は転移で魔人の心臓を一刺しました。

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元々魔人20匹のうちクリスの最初の攻撃で6匹が昇天していた。
約半数の兵士たちも死傷していた。
それを耐えた残りの魔人は14匹。
それに対してグループ分けした者たちは次々に襲い掛かっていた。

その中の1匹に対してアレクは衝撃波を放っていた。

しかし、魔人は避けた。珍しく、すばしっこい魔人だった。

次の爆裂魔法は周りの目を赤くした兵士たちの多くを灰燼と変えたが、魔人は飛び上がってこれを避けると、剣を振り上げて天空から切りかかってきた。

剣を使う魔人も珍しい。

アレクはそれを受けるが、アレクが魔力で腕を強化したとはいっても、魔人の力は強力だ。さらに降ってくるように全体重をのせられた一撃は強化したアレクの手をしびれさせた。

そして、素早く、何度も魔人は切り下げる。

アレクは防戦一方になった。

ベン・ドーブネルの勝利の雄たけびが聞こえたのはそんな時だ。
高々ドラフォードの突撃隊長に先を越されるとはアレクのプライドが傷ついた。

アレクは斬撃を真横に放つが、魔人はそれを飛び越えて避けるや、そのまま天空から切り結んできた。

ギンっ

今度もすさまじい力が剣にかかってアレクの手がしびれる。
辛うじて剣を落とすのは免れたが、しびれが残っている。
そこに何度も魔人が切りかかって来る。

視界の片隅ではテレーゼの魔導師サイラス・ヨークシャーが、魔人を爆裂魔法で灰に変えるのが見えた。

外人部隊ばかりにいい目を見せるなどアレクのプライドが許さなかった。
しかし、目の前の魔人は強力だった。元は騎士か何かだったのだろう。
魔人となって強力になっており、太刀筋に隙が無い。

「土に還れ」
ジャンヌの大声が響いてきた。

すさまじい爆発で魔人が消滅するのが目に見える。
そのはるか向こうでジャスティンが斬撃で魔人を真っ二つにするのが見えた。
「ひょっとして倒せていないのは俺だけか」
アレクは焦りだした。

そのアレクに容赦のない斬撃を魔人は浴びせてくる。

アレクは必死に剣で防ぐが手が滑った。

剣が飛ぶ。

アレクは丸腰になった。

「グウォ―――――」
魔人が叫んだ。
勝利の叫びだったかもしれない。
上段に構えた剣を真ん前から振り下ろす。


「アレク!」
それをたまたま見ていたジャンヌの悲鳴が響いた。

アレクは魔人の剣によって真っ二つにされ…無かった。

魔人の剣の前から急にアレクは消えて、剣は空を切った。

そして地面に剣をめり込ませた魔人の後ろにアレクが転移すると同時に予備の剣を引き抜くや心臓に突き刺した。
「グウォっ」

魔人は悲鳴をあげるや、ゆっくりと地面に倒れた。

ピクピクしている魔人をアレクは爆裂魔法で灰燼と化す。

「ジャンヌ心配してくれてありがとう」
アレクが前に垂れた自らの髪をよけて気障に言う。

「ふんっ死にぞこないが。貴様の心配などするものか」
ジャンヌは強がったが、今の悲鳴は多くの者に聞かれていた。

「姫様も素直になればいいのに」
ライラがボソリと呟く。

「ライラ、何か言ったか」
「いえ、何でもありません」
ジャンヌの冷えた声に敵兵士に爆裂魔法を掛けながらライラは首を振った。
ジャンヌを下手に怒らせると後が大変なのだ。

「アレク。どちらが魔人を多く倒すか勝負だ」
「ふんっ。望むところだ」
二人はまた分かれて切り込んでいった。

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人物紹介
ナタリー・ウィンザー18クリス付き騎士。
ドラフォードのウィンザー将軍の孫娘(ド)
父の命でマーマレードに留学しクリスの友人となり、今はボフミエでクリスの騎士となっている。
ドラフォードの女性騎士の中ではその腕は1.2を争うほどの腕前 
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