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第七章 魔王復活
クリス黒い斑点が体を覆い重体に陥りました
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クリスは王立高等学園で、令嬢たちにいじめられていた。
大切な提出課題を隠されたのだ。
いろいろ探してもどこにも無かった。
「無いわ」
クリスは焦った。
あれを出さないと、オーウェンに負けてしまう。
クリスが負ければ先生たちが王妃によって首にされるかもしれなかった。
「クリス、判ってますよね。
他国の皇太子がこの王立学園の主席になるという事は王立学園に人がいないという事です。
特に今は我が国の皇太子とその婚約者がいるのです。
負けるなんてありえないですよね」
エリザベス王妃は嫌味をたらたら言っていた。
それを私に言うなら、自分の息子のエドに言ってもらいたいとクリスは思った。
クリスがいくらエドに言ったところで聞いてはもらえないのだ。
でもここでその事を指摘するとあなたがエドに寄り添って一緒に勉強しないからですとまた、お小言の時間が増えそうだった。
クリスは黙って聞いていたが、最後にもし他国の皇太子が主席になったら先生方の待遇も考えなくてはならないとはっきり王妃は言っていたのだった。
それだけは避けたいとクリスが必死にやっているのに、先生たちは助けてくれないし、いじめてくる令嬢に注意もしてくれない。
クリスはため息をついた。
探し回るクリスは池の上に課題の紙が浮かんでいるのを見つけた。
まだ落ちて間もないみたいで、すぐに取れば使えるかもしれない。
とっさに手を伸ばした。
なかなか届かない。
あと少しで届くってときに、後ろから思いっきり押された。
池に落ちるって思ったときに、オーウェンに抱きしめられていた。
えっ?
池がいきなり消えていた。
「クリス、クリス」
オーウェンの声がする。
はっとクリスは目を覚ました。
目の前にオーウェンの顔がアップで映っていた。
「オウ?」
「どうしたクリス?」
画面からオーウェンが聞いてくる。
横を見るとアデリナが魔導電話を持っていた。
オーウェンは朝昼晩と3回侍女を通して電話してきていたのだ。
「ありがとう。オウ。夢でいじめられていたのをオウに助けてもらったの」
「当然だよ。クリス。夢だろうが現実だろうが、クリスをいじめる事なんて絶対にさせないから」
クリスが弱く微笑んで言うのにオーウェンが応えた。
「ありがとう」
クリスがお礼を言うが、顔は熱を持っているようで赤かった。
「大丈夫?クリス」
「大丈夫よ」
そう言ってかすかに微笑むとクリスは目を瞑った。
クリスが寝たのを見て侍女と2、3話した後に、オーウェンは状況確認でアレクに電話をした。
「黒死病の広がり具合はどうだ」
「クリス嬢が寝込んでから新たな患者は見つかっていない」
「うーん、それがよく判らないんだけど、普通はもう少し病人が増えるんじゃないのか」
「もともと、病原菌が弱かったのか、よく判らないが」
「死者がまだゼロってのもよく判らないよな」
ジャンヌも横から出てきて言う。
「怪しい奴らはがいたので、軟禁はした。5人とも黒死病を発症していて、確認したらモルロイの奴らだとはいた。黒死病の菌とは知らずに周りにばらまいたらしい」
「カーンもひどい事をするな。実行者も殺すか」
「でもまだ死んでいないんだろ」
「まあ、しょせんモルロイの奴らがやることだからな、いい加減だったのではないか」
「大変です。クリス様に黒い斑点が現れました」
侍女が駆けこんで来た。
「何だと。周りが病状が良くなっているのに」
「熱も上がっています」
「判った。直ちに向かう」
二人は応えた。
「しかし、お二人は皇太子殿下です。あまり近付かれない方が良いのでは」
アデリナが言う。
「気にするな。馬鹿は病にかからん」
オーウェンが言い切った。
「何だと」
「そうだ。そんな訳無いぞ」
二人して反論する。
「何言っている。今まで病気で寝込んだことなんて無いだろうが」
オーウェンに言われて二人は黙ってしまった。
「あの、そう言う問題ではないのではないかと思いますが」
アデリナが言う。
「私どもがクリス様にはついておりますので、お二人は敵に備えられた方が、宜しかろうと思われますが」
「気にするな。俺たちがいなくても大丈夫だが、クリス嬢になんかあったらボフミエは内部崩壊するよ」
アレクが言い切った。
確かに各国の我の強い者つまり、皇太子連中を集めて国を運営していたが、潤滑油のクリスがいるから回っているのだ。そのクリスがいなくなったら国として成り立つ訳は無かった。
二人は慌ててクリスのところに向かった。
「アクラシ、死人が出ないなんておかしいではないか」
「順調に病人の数は増えておりましたのに。おかしいですな」
「最新の状況は判らないのか」
「すいません。ワットに潜入させた影たちも捕まったようでして。
これ以上潜入させて、捕まったり発病したりすると今後の作戦にも差し支えるかなと思いまして新たに入れておりません」
「王宮に潜入させているものもいるだろう」
「かん口令が出ているらしく中々詳細がつかめないのですが」
カーンの言葉にアクラシが応える。
「申し上げます。筆頭魔導師に黒い斑点が出たそうです」
そこへ兵士が飛び込んできた。
「ボフミエの内務卿も取り乱していたと報告がありました」
「そうか、ついに小娘が死ぬか」
カーンは喜び勇んで言った。
「遂に攻撃の時が来ましたな」
喜んでアクラシが言った。
「小娘が死んだのが確認でき次第出撃する」
大切な提出課題を隠されたのだ。
いろいろ探してもどこにも無かった。
「無いわ」
クリスは焦った。
あれを出さないと、オーウェンに負けてしまう。
クリスが負ければ先生たちが王妃によって首にされるかもしれなかった。
「クリス、判ってますよね。
他国の皇太子がこの王立学園の主席になるという事は王立学園に人がいないという事です。
特に今は我が国の皇太子とその婚約者がいるのです。
負けるなんてありえないですよね」
エリザベス王妃は嫌味をたらたら言っていた。
それを私に言うなら、自分の息子のエドに言ってもらいたいとクリスは思った。
クリスがいくらエドに言ったところで聞いてはもらえないのだ。
でもここでその事を指摘するとあなたがエドに寄り添って一緒に勉強しないからですとまた、お小言の時間が増えそうだった。
クリスは黙って聞いていたが、最後にもし他国の皇太子が主席になったら先生方の待遇も考えなくてはならないとはっきり王妃は言っていたのだった。
それだけは避けたいとクリスが必死にやっているのに、先生たちは助けてくれないし、いじめてくる令嬢に注意もしてくれない。
クリスはため息をついた。
探し回るクリスは池の上に課題の紙が浮かんでいるのを見つけた。
まだ落ちて間もないみたいで、すぐに取れば使えるかもしれない。
とっさに手を伸ばした。
なかなか届かない。
あと少しで届くってときに、後ろから思いっきり押された。
池に落ちるって思ったときに、オーウェンに抱きしめられていた。
えっ?
池がいきなり消えていた。
「クリス、クリス」
オーウェンの声がする。
はっとクリスは目を覚ました。
目の前にオーウェンの顔がアップで映っていた。
「オウ?」
「どうしたクリス?」
画面からオーウェンが聞いてくる。
横を見るとアデリナが魔導電話を持っていた。
オーウェンは朝昼晩と3回侍女を通して電話してきていたのだ。
「ありがとう。オウ。夢でいじめられていたのをオウに助けてもらったの」
「当然だよ。クリス。夢だろうが現実だろうが、クリスをいじめる事なんて絶対にさせないから」
クリスが弱く微笑んで言うのにオーウェンが応えた。
「ありがとう」
クリスがお礼を言うが、顔は熱を持っているようで赤かった。
「大丈夫?クリス」
「大丈夫よ」
そう言ってかすかに微笑むとクリスは目を瞑った。
クリスが寝たのを見て侍女と2、3話した後に、オーウェンは状況確認でアレクに電話をした。
「黒死病の広がり具合はどうだ」
「クリス嬢が寝込んでから新たな患者は見つかっていない」
「うーん、それがよく判らないんだけど、普通はもう少し病人が増えるんじゃないのか」
「もともと、病原菌が弱かったのか、よく判らないが」
「死者がまだゼロってのもよく判らないよな」
ジャンヌも横から出てきて言う。
「怪しい奴らはがいたので、軟禁はした。5人とも黒死病を発症していて、確認したらモルロイの奴らだとはいた。黒死病の菌とは知らずに周りにばらまいたらしい」
「カーンもひどい事をするな。実行者も殺すか」
「でもまだ死んでいないんだろ」
「まあ、しょせんモルロイの奴らがやることだからな、いい加減だったのではないか」
「大変です。クリス様に黒い斑点が現れました」
侍女が駆けこんで来た。
「何だと。周りが病状が良くなっているのに」
「熱も上がっています」
「判った。直ちに向かう」
二人は応えた。
「しかし、お二人は皇太子殿下です。あまり近付かれない方が良いのでは」
アデリナが言う。
「気にするな。馬鹿は病にかからん」
オーウェンが言い切った。
「何だと」
「そうだ。そんな訳無いぞ」
二人して反論する。
「何言っている。今まで病気で寝込んだことなんて無いだろうが」
オーウェンに言われて二人は黙ってしまった。
「あの、そう言う問題ではないのではないかと思いますが」
アデリナが言う。
「私どもがクリス様にはついておりますので、お二人は敵に備えられた方が、宜しかろうと思われますが」
「気にするな。俺たちがいなくても大丈夫だが、クリス嬢になんかあったらボフミエは内部崩壊するよ」
アレクが言い切った。
確かに各国の我の強い者つまり、皇太子連中を集めて国を運営していたが、潤滑油のクリスがいるから回っているのだ。そのクリスがいなくなったら国として成り立つ訳は無かった。
二人は慌ててクリスのところに向かった。
「アクラシ、死人が出ないなんておかしいではないか」
「順調に病人の数は増えておりましたのに。おかしいですな」
「最新の状況は判らないのか」
「すいません。ワットに潜入させた影たちも捕まったようでして。
これ以上潜入させて、捕まったり発病したりすると今後の作戦にも差し支えるかなと思いまして新たに入れておりません」
「王宮に潜入させているものもいるだろう」
「かん口令が出ているらしく中々詳細がつかめないのですが」
カーンの言葉にアクラシが応える。
「申し上げます。筆頭魔導師に黒い斑点が出たそうです」
そこへ兵士が飛び込んできた。
「ボフミエの内務卿も取り乱していたと報告がありました」
「そうか、ついに小娘が死ぬか」
カーンは喜び勇んで言った。
「遂に攻撃の時が来ましたな」
喜んでアクラシが言った。
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