104 / 446
第四章 王立高等学園
大国皇太子はクリスとやっと話せて頭が桃色になりました
しおりを挟む
翌朝、目覚ましの大音量でジャンヌは起こされた。
「痛いっ」
体中が筋肉痛で起き上がれない。
シャラザールに朝方まで徹底的にしごかれたのだった。
これは起き上がれない。
でも遅刻したらジャルカの補習だ。
何としても起きないと。
ジャンヌは必死に起き上がろうと努力を始めた。
クリスはその頃ばっちりと目が覚めた。
今日は朝からすがすがしい。
何か心がすっきりしていた。
ここしばらくは毎日オーウェンについて悩んでいたのが、嘘のように気にならなくなった。
昨日自分のやったことは全く分かっていないクリスだった。
「おはようございます。クリス様」
朝までシャラザールにしごかれていたナタリーはクリスを見て思わず姿勢を正した。
「おはようございます。ナタリー様」
クリスも挨拶を返す
「今日はどうされたんですか?少しお疲れのようですが」
「ええ、少し昨日夜更かししまして」
クリスの問いにナタリーは誤魔化す。
夜更かしさせられた相手は全く覚えていないらしい。
ナタリーもクリスの護衛の為にもっと力をつけろと徹底的にしごかれた部類だった。
シャラザール鬼軍曹のしごきをナタリーは思い出したくも無かった。
「クリス様。今日はお元気そうですね」
「まあ、いつまでもうじうじ悩んでも仕方が無いかなと思いまして」
イザベラの問いにクリスが応えた。
おそらく、シャラザールの竹で割ったような性格が乗り移ったのではないかとナタリーは思った。
「クリス様おはようございます」
エステラがクリスに声をかけてきた。
「おはようございます」
「脚本出来たので読んで頂けますか」
「もう出来たんですか?」
エステラはクリスの魔導ノートに移す。
「昼休みにでも読ませていただきます」
「宜しくお願いします」
クリスはクラス委員と生徒会、それとスティーブにも送った。
その朝、オーウェンはクリスを迎えに女子寮まで来ていた。
昨日は図書館に行ってもクリスはいなかった。
何故かアレクらも夜遅くまで帰って来なかった。
今朝はアレクは疲労困憊していて、結局1人で女子寮まで来たのだ。
今日はなんていおうかオーウェンは悩んでいた。
ここ4、5日クリスとは全く話せていなかったのだ。
-このままではまずい、今日は何としてでも話さなくては…
そうオーウェンは思っていたが、
「あっオーウェン様。私を迎えに来ていただけたのですか?」
いきなりエカテリーナに捕まっていた。
「いや、違って」
オーウェンはクリスを探す。
クリスは後ろの方からイザベラらと一緒に出てきた。
「あっオーウェン様おはようございます」
クリスは元気良く、オーウェンに声をかけてきたのだ。
「えっ」
その変わりようにオーウェンは驚いた。
「先日はわざわざ部屋まで送って頂いてありがとうございました」
クリスはエカテリーナがいるのも構わずにオーウェンに話しかけていた。
「いや、当然のことをしたまでですよ。そのあと気分は大丈夫でしたか?」
オーウェンはさらりとエカテリーナに捕まれていた手を放してクリスについて歩きだす。
「えっオーウェン様」
エカテリーナは追いかけようとするが、
「まあ、エカテリーナ様。お久しぶりですね」
イザベラらに強引に捕まってしまう。
「えっあなたたちには昨日もお会いしましたわ」
「もう半日もたっているではないですか」
「本当です。冷たいですね。エカテリーナ様」
エカテリーナはイザベラとナタリーに捕まってしまった。
「あの日は、すいません。私、お酒弱くて。その日の事全然覚えていなくて」
「あれは叔母様も悪いよ」
オーウェンはその時の状況を思い出して言う。
「すいません。酔った勢いで抱きついてしまったみたいで」
クリスは恥ずかしがって足元を見た。
「クリス嬢ならいつでも大歓迎だよ」
「えっじゃあまた抱きついちゃいますよ」
クリスはニコッと笑って言った。
オーウェンは冗談で言ったのに、そんなふうに返してくれるなんて思ってもいなかった。
オーウェンは立ち止まってまじまじとクリスの顔を見た。
-それって好きだって言われたって事だろうか?
オーウェンの頭の中は再び桃色に染まっていった。
「オーウェン様置いて行きますよ」
その横をクリスが歩いていく。
「あっちょっと待って。クリス」
慌ててオーウェンは追いかけた。
「痛いっ」
体中が筋肉痛で起き上がれない。
シャラザールに朝方まで徹底的にしごかれたのだった。
これは起き上がれない。
でも遅刻したらジャルカの補習だ。
何としても起きないと。
ジャンヌは必死に起き上がろうと努力を始めた。
クリスはその頃ばっちりと目が覚めた。
今日は朝からすがすがしい。
何か心がすっきりしていた。
ここしばらくは毎日オーウェンについて悩んでいたのが、嘘のように気にならなくなった。
昨日自分のやったことは全く分かっていないクリスだった。
「おはようございます。クリス様」
朝までシャラザールにしごかれていたナタリーはクリスを見て思わず姿勢を正した。
「おはようございます。ナタリー様」
クリスも挨拶を返す
「今日はどうされたんですか?少しお疲れのようですが」
「ええ、少し昨日夜更かししまして」
クリスの問いにナタリーは誤魔化す。
夜更かしさせられた相手は全く覚えていないらしい。
ナタリーもクリスの護衛の為にもっと力をつけろと徹底的にしごかれた部類だった。
シャラザール鬼軍曹のしごきをナタリーは思い出したくも無かった。
「クリス様。今日はお元気そうですね」
「まあ、いつまでもうじうじ悩んでも仕方が無いかなと思いまして」
イザベラの問いにクリスが応えた。
おそらく、シャラザールの竹で割ったような性格が乗り移ったのではないかとナタリーは思った。
「クリス様おはようございます」
エステラがクリスに声をかけてきた。
「おはようございます」
「脚本出来たので読んで頂けますか」
「もう出来たんですか?」
エステラはクリスの魔導ノートに移す。
「昼休みにでも読ませていただきます」
「宜しくお願いします」
クリスはクラス委員と生徒会、それとスティーブにも送った。
その朝、オーウェンはクリスを迎えに女子寮まで来ていた。
昨日は図書館に行ってもクリスはいなかった。
何故かアレクらも夜遅くまで帰って来なかった。
今朝はアレクは疲労困憊していて、結局1人で女子寮まで来たのだ。
今日はなんていおうかオーウェンは悩んでいた。
ここ4、5日クリスとは全く話せていなかったのだ。
-このままではまずい、今日は何としてでも話さなくては…
そうオーウェンは思っていたが、
「あっオーウェン様。私を迎えに来ていただけたのですか?」
いきなりエカテリーナに捕まっていた。
「いや、違って」
オーウェンはクリスを探す。
クリスは後ろの方からイザベラらと一緒に出てきた。
「あっオーウェン様おはようございます」
クリスは元気良く、オーウェンに声をかけてきたのだ。
「えっ」
その変わりようにオーウェンは驚いた。
「先日はわざわざ部屋まで送って頂いてありがとうございました」
クリスはエカテリーナがいるのも構わずにオーウェンに話しかけていた。
「いや、当然のことをしたまでですよ。そのあと気分は大丈夫でしたか?」
オーウェンはさらりとエカテリーナに捕まれていた手を放してクリスについて歩きだす。
「えっオーウェン様」
エカテリーナは追いかけようとするが、
「まあ、エカテリーナ様。お久しぶりですね」
イザベラらに強引に捕まってしまう。
「えっあなたたちには昨日もお会いしましたわ」
「もう半日もたっているではないですか」
「本当です。冷たいですね。エカテリーナ様」
エカテリーナはイザベラとナタリーに捕まってしまった。
「あの日は、すいません。私、お酒弱くて。その日の事全然覚えていなくて」
「あれは叔母様も悪いよ」
オーウェンはその時の状況を思い出して言う。
「すいません。酔った勢いで抱きついてしまったみたいで」
クリスは恥ずかしがって足元を見た。
「クリス嬢ならいつでも大歓迎だよ」
「えっじゃあまた抱きついちゃいますよ」
クリスはニコッと笑って言った。
オーウェンは冗談で言ったのに、そんなふうに返してくれるなんて思ってもいなかった。
オーウェンは立ち止まってまじまじとクリスの顔を見た。
-それって好きだって言われたって事だろうか?
オーウェンの頭の中は再び桃色に染まっていった。
「オーウェン様置いて行きますよ」
その横をクリスが歩いていく。
「あっちょっと待って。クリス」
慌ててオーウェンは追いかけた。
0
お気に入りに追加
2,447
あなたにおすすめの小説
拗れた恋の行方
音爽(ネソウ)
恋愛
どうしてあの人はワザと絡んで意地悪をするの?
理解できない子爵令嬢のナリレットは幼少期から悩んでいた。
大切にしていた亡き祖母の髪飾りを隠され、ボロボロにされて……。
彼女は次第に恨むようになっていく。
隣に住む男爵家の次男グランはナリレットに焦がれていた。
しかし、素直になれないまま今日もナリレットに意地悪をするのだった。
この誓いを違えぬと
豆狸
恋愛
「先ほどの誓いを取り消します。女神様に嘘はつけませんもの。私は愛せません。女神様に誓って、この命ある限りジェイク様を愛することはありません」
──私は、絶対にこの誓いを違えることはありません。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
※7/18大公の過去を追加しました。長くて暗くて救いがありませんが、よろしければお読みください。
なろう様でも公開中です。
生命(きみ)を手放す
基本二度寝
恋愛
多くの貴族の前で婚約破棄を宣言した。
平凡な容姿の伯爵令嬢。
妃教育もままならない程に不健康で病弱な令嬢。
なぜこれが王太子の婚約者なのか。
伯爵令嬢は、王太子の宣言に呆然としていた。
※現代の血清とお話の中の血清とは別物でござる。
にんにん。
心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~
待鳥園子
恋愛
若き侯爵ジョサイアは結婚式直前、愛し合っていたはずの婚約者に駆け落ちされてしまった。
急遽の結婚相手にと縁談がきた伯爵令嬢レニエラは、以前夜会中に婚約破棄されてしまった曰く付きの令嬢として知られていた。
間に合わせで自分と結婚することになった彼に同情したレニエラは「私を愛して欲しいなどと、大それたことは望んでおりません」とキッパリと宣言。
元々結婚せずに一人生きていくため実業家になろうとしていたので、これは一年間だけの契約結婚にしようとジョサイアに持ち掛ける。
愛していないはずの契約妻なのに、異様な熱量でレニエラを大事にしてくれる夫ジョサイア。それは、彼の元婚約者が何かおかしかったのではないかと、次第にレニエラは疑い出すのだが……。
また傷付くのが怖くて先回りして強がりを言ってしまう意地っ張り妻が、元婚約者に妙な常識を植え付けられ愛し方が完全におかしい夫に溺愛される物語。
捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?
ミィタソ
恋愛
「みんな聞いてくれ! 今日をもって、エルザ・ローグアシュタルとの婚約を破棄する! そして、その妹——アイリス・ローグアシュタルと正式に婚約することを決めた! 今日という祝いの日に、みんなに伝えることができ、嬉しく思う……」
ローグアシュタル公爵家の長女――エルザは、マクーン・ザルカンド王子の誕生日記念パーティーで婚約破棄を言い渡される。
それどころか、王子の横には舌を出して笑うエルザの妹――アイリスの姿が。
傷心を癒すため、父親の勧めで隣国へ行くのだが……
婚約は破棄なんですよね?
もるだ
恋愛
義理の妹ティナはナターシャの婚約者にいじめられていたと嘘をつき、信じた婚約者に婚約破棄を言い渡される。昔からナターシャをいじめて物を奪っていたのはティナなのに、得意の演技でナターシャを悪者に仕立て上げてきた。我慢の限界を迎えたナターシャは、ティナにされたように濡れ衣を着せかえす!
義妹に婚約者を取られて、今日が最後になると覚悟を決めていたのですが、どうやら最後になったのは私ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フェリシティーは、父や義母、義妹に虐げられながら過ごしていた。
それも、今日で最後になると覚悟を決めていたのだが、どうやら最後になったのはフェリシティーではなかったようだ。
※全4話。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる