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第四章 王立高等学園
クリスの憂鬱
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さて今回から第4章の始まりです。クリスは色々悩んでいますが、
王立学園にはオウやアレク、オウ狙いのアレクの妹達が留学してきてさあ大変。
オウとクリスの恋愛は………。王立学園は学園祭の混乱の中大変なことになっていきます。
今章は学園恋愛編です。
*****************************************************************
マーマレード王立高等学園
創立500年を超える名門だ。今は科学技術の研究にて世界中に名前が響いていた。魔導電話など次から次にいろんな技術を生み出していた。そのために各国から王族や貴族、能力のある者の留学生も多かった。
その教授会でのこと。
「理事長、ジャンヌ王女殿下が学園に入られるというのは本当ですか?」
物理の教授のパウル・ヒルシュは青くなっていた。
「国王陛下からはお願いされていますが」
アダム・ブラウン理事長は言った。
「アレクサンドル・ボロゾドフ ノルディン帝国皇太子も入られるとお伺いしましたが」
「言いたくは無いですが、そのお二人が、物理を理解されるのは難しいと存じますが」
他の教授からも不安が寄せられる。
「まあまあ、世界的権威であられるヒルシュ教授のお力をもってすれば問題ないでしょう」
笑ってアダム・ブラウン理事長は言った。
「問題だらけな気がいたしますが」
ヒルシュは不満げに答えた。
それはブラウンにしてもそうだった。
オーウェン・ドラフォード皇太子が前期に続いて留学を続けるとドラフォードからは連絡があったし、その同じ学年にはヘルマン・ゲーリング ボフミエ魔導帝国第三皇子が留学に来るし、その学年には王子だけで10名がいる事になる。
通常は各学年2名から3名だ。
前期はこの国の皇太子とドラフォードの皇太子だけだったのに。
ブラウンは胃が痛かった。
その中に自国の暴風王女と赤い死神がいるのだ。
何が起こるか判らない。
何故かドラフォード国から10名もの新たな留学生がそれも貴族階級が来ることになったし、他国からも20名程貴族階級が増えていた。外交ルートから強引にねじ込まれたので、どうしようもなかった。
教師連中で貴族位を持つものはほとんどいず、理事長には頭の痛い問題だった。
ミハイル侯爵令嬢目当てが大半みたいだったが、外交問題にならないか、戦々恐々としていた。
国王からはいざとなればジャンヌ王女を前面に出すように言われていたが、そのジャンヌ王女自体が信頼感ゼロだったのだが。
クリスは憂鬱だった。
夏休みの残り1か月は領地で静かに過ごしていたのだが。
王弟反逆で切れて、王族を散々馬鹿にした挙句、王弟をまた張り倒したのだった。
サマーパーティの皇太子に引き続いて。
王族2人を張り倒した侯爵令嬢なんて史上はじめてに違いない。
明日からは王立高等学園で後期の授業が始まる。
婚約破棄されて以来の学校だった。
皇太子に婚約破棄されたので皆に冷たい視線で迎えられそうだし、本当に学校に行くのは嫌だった。
本日寮に帰って来るのも憂鬱だった。
寮に帰って来ても逃げるようにこそこそと部屋に上がった。
誰にも会わずにほっとした。
ご飯も部屋まで護衛騎士のメイに運んでもらっていた。
結局、今回の事件でせっかく会えたオーウェンにも肘鉄を喰らわせてしまったし、そのあと、何度も会いたいと手紙をもらっていたが、思い返すと自分の行動が恥ずかしかったので全く無視していた。
「少しくらい会えばよかったかな。婚約破棄された私に優しくしてくれたのに」
とクリスは乙女心に後悔もしていた。
オーウェンとは基本的にもう会う事も無いだろう。
せっかく会いたいと言ってくれたのに、無視したのはまずかったかもしれない。
でも、まずいと言っても彼は大国ドラフォードの皇太子なのだ。
自国の皇太子に公の場で振られたクリスに釣り合うわけもない。
それに王族2人をオーウェンの前で殴り倒してもいた。
こんなお転婆娘をオーウェンが好いてくれる訳は無いとクリスは思った。
振られた皇太子ばかりか、反逆した王弟までも殴り倒してしまった。
明日からは化け物を見るような目で周りから見られるかもしれない。
貴族の子弟や軍関係者の子弟も王立高等学園には多いのだ。
彼らはいろんなことを親から聞いているだろう。
明日からの事を考えるとクリスは憂鬱だった。
卒業したらもういっそのこと修道院にでも入ろうかしらと悩むクリスだったが、その日ももんもんとして中々寝られなかった。
王立学園にはオウやアレク、オウ狙いのアレクの妹達が留学してきてさあ大変。
オウとクリスの恋愛は………。王立学園は学園祭の混乱の中大変なことになっていきます。
今章は学園恋愛編です。
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マーマレード王立高等学園
創立500年を超える名門だ。今は科学技術の研究にて世界中に名前が響いていた。魔導電話など次から次にいろんな技術を生み出していた。そのために各国から王族や貴族、能力のある者の留学生も多かった。
その教授会でのこと。
「理事長、ジャンヌ王女殿下が学園に入られるというのは本当ですか?」
物理の教授のパウル・ヒルシュは青くなっていた。
「国王陛下からはお願いされていますが」
アダム・ブラウン理事長は言った。
「アレクサンドル・ボロゾドフ ノルディン帝国皇太子も入られるとお伺いしましたが」
「言いたくは無いですが、そのお二人が、物理を理解されるのは難しいと存じますが」
他の教授からも不安が寄せられる。
「まあまあ、世界的権威であられるヒルシュ教授のお力をもってすれば問題ないでしょう」
笑ってアダム・ブラウン理事長は言った。
「問題だらけな気がいたしますが」
ヒルシュは不満げに答えた。
それはブラウンにしてもそうだった。
オーウェン・ドラフォード皇太子が前期に続いて留学を続けるとドラフォードからは連絡があったし、その同じ学年にはヘルマン・ゲーリング ボフミエ魔導帝国第三皇子が留学に来るし、その学年には王子だけで10名がいる事になる。
通常は各学年2名から3名だ。
前期はこの国の皇太子とドラフォードの皇太子だけだったのに。
ブラウンは胃が痛かった。
その中に自国の暴風王女と赤い死神がいるのだ。
何が起こるか判らない。
何故かドラフォード国から10名もの新たな留学生がそれも貴族階級が来ることになったし、他国からも20名程貴族階級が増えていた。外交ルートから強引にねじ込まれたので、どうしようもなかった。
教師連中で貴族位を持つものはほとんどいず、理事長には頭の痛い問題だった。
ミハイル侯爵令嬢目当てが大半みたいだったが、外交問題にならないか、戦々恐々としていた。
国王からはいざとなればジャンヌ王女を前面に出すように言われていたが、そのジャンヌ王女自体が信頼感ゼロだったのだが。
クリスは憂鬱だった。
夏休みの残り1か月は領地で静かに過ごしていたのだが。
王弟反逆で切れて、王族を散々馬鹿にした挙句、王弟をまた張り倒したのだった。
サマーパーティの皇太子に引き続いて。
王族2人を張り倒した侯爵令嬢なんて史上はじめてに違いない。
明日からは王立高等学園で後期の授業が始まる。
婚約破棄されて以来の学校だった。
皇太子に婚約破棄されたので皆に冷たい視線で迎えられそうだし、本当に学校に行くのは嫌だった。
本日寮に帰って来るのも憂鬱だった。
寮に帰って来ても逃げるようにこそこそと部屋に上がった。
誰にも会わずにほっとした。
ご飯も部屋まで護衛騎士のメイに運んでもらっていた。
結局、今回の事件でせっかく会えたオーウェンにも肘鉄を喰らわせてしまったし、そのあと、何度も会いたいと手紙をもらっていたが、思い返すと自分の行動が恥ずかしかったので全く無視していた。
「少しくらい会えばよかったかな。婚約破棄された私に優しくしてくれたのに」
とクリスは乙女心に後悔もしていた。
オーウェンとは基本的にもう会う事も無いだろう。
せっかく会いたいと言ってくれたのに、無視したのはまずかったかもしれない。
でも、まずいと言っても彼は大国ドラフォードの皇太子なのだ。
自国の皇太子に公の場で振られたクリスに釣り合うわけもない。
それに王族2人をオーウェンの前で殴り倒してもいた。
こんなお転婆娘をオーウェンが好いてくれる訳は無いとクリスは思った。
振られた皇太子ばかりか、反逆した王弟までも殴り倒してしまった。
明日からは化け物を見るような目で周りから見られるかもしれない。
貴族の子弟や軍関係者の子弟も王立高等学園には多いのだ。
彼らはいろんなことを親から聞いているだろう。
明日からの事を考えるとクリスは憂鬱だった。
卒業したらもういっそのこと修道院にでも入ろうかしらと悩むクリスだったが、その日ももんもんとして中々寝られなかった。
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