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第一章 婚約破棄
王宮侍女長の号泣
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婚約破棄ざまー編。
ここから4連荘です。
すいません。書きながら少し涙しました。
作者失格です。
つたない文章ですいません。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
あと少し我慢してお読みください。
*********************************
ジャンヌと久々に話して、愚痴を吐き出して、少しは王妃の気が晴れた。王宮は婚約破棄の余波で混乱の真っただ中にあった。
ジャンヌとの魔導電話を終えて、今度は侍女頭に愚痴を言い出した。
「何なの皆。いじわる王妃とか、嫁いびり王妃とか噂してくれて」
王妃は怒り心頭だった。
「私そんなにひどい事した?」
侍女頭のコマリーに愚痴っていた。
「確かに少しクリス様に対して厳しすぎたように思いますが」
「コマリー。あなたあの時はそんなこと言わなかったじゃない。今さら言う?」
「えええ!」
コマリーは反論した。
「少し厳しすぎるんじゃないかとは何度も申し上げましたよね。でも王妃様はこれくらいできて当然よとおっしゃっていましたが」
「うーん、それは確かにクリスに期待しすぎた点は反省するわ。でもクリスなら普通にできると思ったのよ。うちのどうしようもない子供たちに比べて」
「でも、クリス様も一杯一杯だったのでは。聞くところによると寝る間も惜しんで励んでいらっしゃったとか」
もっと王妃に注意すれば良かったとコマリーは反省していた。
クリスは侍女等にもとても気さくで気が付いていろいろ慮ってくれた。本当に人気の高い婚約者だったのだ。
「でも、クリスなら出来ると思ったのよ」
王妃がなおも言い訳する。
「まあ、王妃様がクリス様に対してご期待されるのも判ります。
本当に私達にも本当によくして頂いて、子供のいる者にはお菓子などよく作って頂いて、子供が熱を出した時にはすぐに帰るようにおっしゃっていただいたり、年老いた母のいる者にはクリス様のお母様が作られたという昔懐かしい柔らかいお菓子頂いたり、こうは言いたくありませんが、王女殿下皇太子殿下とは全く違って本当に良くできた方でした。
今回の件でもうお会いできないとなると、ショックのあまり3人ほど退職の申し出が出ております」
「えっ本当に?私の時はそんなに慕われていなかったわよね」
エリザベスはショックだった。
しかし、本当のショックはこの後に続いていた。
その王妃の言葉を無視してコマリーは言う。
「私はそんなクリス様の心遣いなど何も知らないで、いらっしゃるのが少し遅くなると他のものが苦労するから時間はお守り下さいときつく申した事もございます。そうたった1分遅くなっただけで。クリス様は一言も言い訳され、申し訳なかったとおっしゃいました」
コマリーは少し口を閉じた。
コマリーの様子が少しおかしいのに、やっと王妃は気づいた。
「でも、その時はクリス様はひとり親の侍女のメリーの息子の為に徹夜明けで誕生祝に竹トンボを作ってやっていたそうです。私はそんなクリス様にもっと使用人の事を考えろと言ってしまいました…本来は私が気を付けてやらねばならないのに。
私の至らないところを18歳の学園の生徒にフォローさせていたのです」
絞りだすようにコマリーは言った。
「本日、メリーが涙ながらに辞表を持って来ました。
クリス様がひどく言われているのは自分の息子のためにいろいろしてくれたからだと。
自分がやめるからクリス様を元に戻してほしいと。
号泣しながら言ってきたのです」
一旦コマリーは言葉を区切った。
王妃には初めて聞く内容だった。
一杯一杯だったクリスが侍女たちにも気を遣っていた。
本来なら王妃である自分自身がしなければいけない気づかいを。
自分が至らないばかりに更に寝る時間をつぶさせていた。
エリザベスは初めて自分はとんでもないことをしてしまっていたことに気づいた。
「また、本日、クリス様から手作りのお菓子とお詫びの書状を皆に頂きました。
一人ずつです。
それぞれ文面を変えて、本来ご存じないはずのことまで気にされて。」
エリザベスはそれがどんだけ手間暇かかる事なのか分かった。
いや、自分はそんなことはやったことがなかった。
そもそも全員の家族構成とかそもそもメリーが一人親で男の子がいる事も知らなかったし、気にかけたこともなかった。
それを気遣っていた。本来ならやる必要もない子がやっていたのだ。
そしてその子に気遣いが足りないと平然として言っていたのだ。
息子もバカ息子だが、自分もばか王妃だった。
「あんなにひどくあたった私にも、私が至らなかったばかりにエドワード様に嫌われてしまってごめんなさいって・・・・」
コマリーの瞳に涙が溢れていた。
厳しい侍女頭の目から。
「メリーに聞くところでは息子は一人親なのをいじめられていたそうです。
その息子に、本当に忙しい中、クリス様はその忙しい合間を縫って何回かお電話されたそうです。
努力すれば必ずいつか報われるから頑張れって・・・・
クリス様の忙しい時間をつぶした私が悪いとメリーは号泣していました。
私どもが追い出した形になっているのにご自分が悪いだなんて、あんまりだと。
クリス様を婚約破棄するなら私を首にしてください。
と似たような辞表がすでに3通。
クリス様を追い出すなら辞めますと侍女の多くが申しております」
下を向いて一息つくと
「申し訳ありません。至らない侍女長で。
私、本日責任を取って辞めさせていただきます。
本当に至らない侍女で申し訳ございません」
侍女長はその場にひれ伏して号泣した。
気の強いしっかりした侍女長が…
王妃は呆然と立ち尽くした。
何も声を掛けられなかった。
ここから4連荘です。
すいません。書きながら少し涙しました。
作者失格です。
つたない文章ですいません。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
あと少し我慢してお読みください。
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ジャンヌと久々に話して、愚痴を吐き出して、少しは王妃の気が晴れた。王宮は婚約破棄の余波で混乱の真っただ中にあった。
ジャンヌとの魔導電話を終えて、今度は侍女頭に愚痴を言い出した。
「何なの皆。いじわる王妃とか、嫁いびり王妃とか噂してくれて」
王妃は怒り心頭だった。
「私そんなにひどい事した?」
侍女頭のコマリーに愚痴っていた。
「確かに少しクリス様に対して厳しすぎたように思いますが」
「コマリー。あなたあの時はそんなこと言わなかったじゃない。今さら言う?」
「えええ!」
コマリーは反論した。
「少し厳しすぎるんじゃないかとは何度も申し上げましたよね。でも王妃様はこれくらいできて当然よとおっしゃっていましたが」
「うーん、それは確かにクリスに期待しすぎた点は反省するわ。でもクリスなら普通にできると思ったのよ。うちのどうしようもない子供たちに比べて」
「でも、クリス様も一杯一杯だったのでは。聞くところによると寝る間も惜しんで励んでいらっしゃったとか」
もっと王妃に注意すれば良かったとコマリーは反省していた。
クリスは侍女等にもとても気さくで気が付いていろいろ慮ってくれた。本当に人気の高い婚約者だったのだ。
「でも、クリスなら出来ると思ったのよ」
王妃がなおも言い訳する。
「まあ、王妃様がクリス様に対してご期待されるのも判ります。
本当に私達にも本当によくして頂いて、子供のいる者にはお菓子などよく作って頂いて、子供が熱を出した時にはすぐに帰るようにおっしゃっていただいたり、年老いた母のいる者にはクリス様のお母様が作られたという昔懐かしい柔らかいお菓子頂いたり、こうは言いたくありませんが、王女殿下皇太子殿下とは全く違って本当に良くできた方でした。
今回の件でもうお会いできないとなると、ショックのあまり3人ほど退職の申し出が出ております」
「えっ本当に?私の時はそんなに慕われていなかったわよね」
エリザベスはショックだった。
しかし、本当のショックはこの後に続いていた。
その王妃の言葉を無視してコマリーは言う。
「私はそんなクリス様の心遣いなど何も知らないで、いらっしゃるのが少し遅くなると他のものが苦労するから時間はお守り下さいときつく申した事もございます。そうたった1分遅くなっただけで。クリス様は一言も言い訳され、申し訳なかったとおっしゃいました」
コマリーは少し口を閉じた。
コマリーの様子が少しおかしいのに、やっと王妃は気づいた。
「でも、その時はクリス様はひとり親の侍女のメリーの息子の為に徹夜明けで誕生祝に竹トンボを作ってやっていたそうです。私はそんなクリス様にもっと使用人の事を考えろと言ってしまいました…本来は私が気を付けてやらねばならないのに。
私の至らないところを18歳の学園の生徒にフォローさせていたのです」
絞りだすようにコマリーは言った。
「本日、メリーが涙ながらに辞表を持って来ました。
クリス様がひどく言われているのは自分の息子のためにいろいろしてくれたからだと。
自分がやめるからクリス様を元に戻してほしいと。
号泣しながら言ってきたのです」
一旦コマリーは言葉を区切った。
王妃には初めて聞く内容だった。
一杯一杯だったクリスが侍女たちにも気を遣っていた。
本来なら王妃である自分自身がしなければいけない気づかいを。
自分が至らないばかりに更に寝る時間をつぶさせていた。
エリザベスは初めて自分はとんでもないことをしてしまっていたことに気づいた。
「また、本日、クリス様から手作りのお菓子とお詫びの書状を皆に頂きました。
一人ずつです。
それぞれ文面を変えて、本来ご存じないはずのことまで気にされて。」
エリザベスはそれがどんだけ手間暇かかる事なのか分かった。
いや、自分はそんなことはやったことがなかった。
そもそも全員の家族構成とかそもそもメリーが一人親で男の子がいる事も知らなかったし、気にかけたこともなかった。
それを気遣っていた。本来ならやる必要もない子がやっていたのだ。
そしてその子に気遣いが足りないと平然として言っていたのだ。
息子もバカ息子だが、自分もばか王妃だった。
「あんなにひどくあたった私にも、私が至らなかったばかりにエドワード様に嫌われてしまってごめんなさいって・・・・」
コマリーの瞳に涙が溢れていた。
厳しい侍女頭の目から。
「メリーに聞くところでは息子は一人親なのをいじめられていたそうです。
その息子に、本当に忙しい中、クリス様はその忙しい合間を縫って何回かお電話されたそうです。
努力すれば必ずいつか報われるから頑張れって・・・・
クリス様の忙しい時間をつぶした私が悪いとメリーは号泣していました。
私どもが追い出した形になっているのにご自分が悪いだなんて、あんまりだと。
クリス様を婚約破棄するなら私を首にしてください。
と似たような辞表がすでに3通。
クリス様を追い出すなら辞めますと侍女の多くが申しております」
下を向いて一息つくと
「申し訳ありません。至らない侍女長で。
私、本日責任を取って辞めさせていただきます。
本当に至らない侍女で申し訳ございません」
侍女長はその場にひれ伏して号泣した。
気の強いしっかりした侍女長が…
王妃は呆然と立ち尽くした。
何も声を掛けられなかった。
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