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12 避けられない距離、つなぎとめたくて提案する絶対条件
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レグルスはキャサリンと離れていることに一日しか耐えられなかった。
どうしてなのか、魔法学園にいるはずのキャサリンを一度も目にしなかった。まるで付き合う前の専科進学直後のような状態だ。歩み寄らなければ二人は会えないのだとレグルスは痛感した。
キャサリンは食事も女子寮の食堂で食べている様で、レグルスには全く会わなかった。
もちろん、レグルスはキャサリンの授業を把握しているので教室まで行けば会えるのだが、その日の最後の授業で耐えきれなくなって授業後に獣人の脚でキャサリンの教室まで走ったが、すでに彼女はいなかった。
朝食の時の比じゃないほどに萎れているレグルスの背をヨークは叩いた。
「空きコマで張り付くしかないだろうな。」
「そうだな…。明日の朝に頑張るよ。」
「でも、どうやって許してもらうんだ?留学は許すんだよな?」
本当はレグルスが許す許さないの問題ではなく、レグルスにはキャサリンとこのまま別れるか、留学することを許して付き合い続けるかの二拓しかない。
「…条件付きで。」
「おい、まだそんなこと言ってるのか?」
「条件を飲んでもらえないと許せそうにない…。」
「どんな条件だよ?」
「………キャサリンに最初に言う。」
ー---
翌朝、一時間目に授業があるキャサリンのいる教室にやってきた。中からは元気なキャサリンの友人の声がする。
「だめ、絶対に許しちゃだめよ、キャサリン。」
オリヴィア・マクレガーという貴族の女子である。キャサリンと同じ特進コースに在籍しており、レグルスも彼女と付き合い始めた直後に紹介された。黒い貴族然としたくるくるした巻き髪が記憶に残っている。
「俺と留学のどっちが大事?ですって?留学に決まってるじゃないの!そんな男、この先も何度だって同じことを言ってくるわ!絶対によりを戻しちゃだめよ!」
な…!あの女、なんてことを…!
「でも、私…、レグルスと別れたくない。」
切なさげなキャサリンの声にドキッとする。…そっか。別れたくないと思ってくれているんだ。と顔を赤らめる。
「じゃあ交流プログラムをあきらめる?」
「それは絶対無理。」
…あ、はい。
開きかけていた教室の扉をがらりと開けると思ったよりも大きな音が出た。ちらりとこちらを見たオリヴィアがただでさえ吊り上がっていた目をさらに吊り上げてこちらを睨みつけてきた。そして机をたたいて立ち上がる。
「あなた!どんな顔でキャサリンの前に出てきたのかしら!もう話すことなんて何もないのよ!帰りなさい!」
教室にいた全ての学生がレグルスの方を向き、キャサリンもこちらを振り返って目を丸くする。レグルスがあまりにも黒い隈をこしらえているのでぎょっとしたのだったが、レグルスは一日以上ぶりのキャサリンに内心は歓喜していた。
いや、落ち着け、ここからが大事なんだと盛り上がる心臓を意思の力で押さえつける。
「キャサリンに大事な話があるんだ。」
「交流プログラムへの参加を許すから、よりを戻してくれって謝りに来たの?」
「ち、違う!」
「違う!?それ以外にあなたに許される言葉なんてありません!帰りなさい!」
キャサリンの何倍もの剣幕で怒っているオリヴィアをなだめて座らせて、キャサリンが立ち上がった。
「話を聞いてくる。」
「だめ!またひどいことを言うかもしれないでしょ!」
「でも…。」
「どうしてもっていうなら今ここで話してもらいましょう!」
オリヴィアが「話せるものならね」と呟いてレグルスを睨みつけるが、毎度のことでレグルスの視界にはキャサリンしか入っていない。
獣人の脚ですぐに駆け寄るとその手を握りしめた。「ちょっと!」というオリヴィアの声は耳に入らなかったし、教室中からの注目も気にならなかった。
「キャサリン、昨日は………悪かった。ショックで…。でも、キャサリンの夢を応援してないわけじゃないんだ!」
素直にまず謝ったことにキャサリンは驚いていた。レグルスはどこまでも素直になれない口の持ち主だから。
「応援してくれると思ってたって言われて、しまったと思った。違うんだ!本当に、離れたくなかっただけで!」
「………でも、交流プログラムへの参加は反対なんでしょ?」
「………………賛成できない。」
オリヴィアの「なんですって!?」という声が響き、キャサリンも落胆のため息をついた。
「どうしても行くなら!一つ!約束してほしい!」
「約束?」
顔を赤らめて息を吸ったレグルスはその場に膝をついた。立ち上がっていたキャサリンを見下ろす形から見上げる形になる。
「お、俺と…………。」
たっぷりの間が空く。喧嘩してる時にこんなこと言っても受け入れられないかもしれない。一度断られているし。と否定的な考えが頭をぐるぐるする。
「レグルス?」
困ったようなキャサリンの顔を見て、この手を放したくないと決意する。物理的に距離が開いても、心の距離は開いていない、その証拠がほしい。
それがあれば、きっとレグルスも耐えられる。
「……………結婚してくれ!!」
「「「「「……え?」」」」」
周囲から驚いたような声が多数あがるが、レグルスは握ったキャサリンの手を自分の額に押し当ててまくしたてた。
「結婚してくれていないと耐えられない!!他の男に目をつけられたらどうするんだ!?俺のキャサリンはこんなに可愛いのに!!
そうじゃなくても、俺よりかっこいい男のところにふらふらと目移りしたらどうする!?う、うううう、浮気なんて!?せめて結婚して最低限の予防線を張っておかないと!!」
「れ、レグルス!落ち着いて!」
自分が平凡であるという自覚があるキャサリンはかあっと顔を赤くして恥ずかしい言葉をはきまくるレグルスを止めようとするが、彼はここぞとばかりに畳みかける。
「それに恋人じゃ優先順位が低すぎる!!帰国したら一番に俺に会いに来てくれないと!!実家に帰ってあの父親につかまって休暇が終わったらどうするんだ!?
恋人に会うための休暇は取りにくくても夫に会うための休暇は取りやすいだろう!?」
「ええ!?」
「それにプログラムに夢中になったら、キャサリンは俺への連絡を忘れるかもしれない!!いや、恋人のままじゃ絶対に忘れられる!!なんたって俺はべた惚れでキャサリンはちょいと惚れなんだから!!」
「ちょ、ちょいと惚れ!?」
「だめだ!!恋人のままじゃ絶対に行かせられない!!嫁に来てもいいし婿に行ってもいいからとりあえず結婚してくれ!!」
レグルスの怒涛のプロポーズに辺りは静まり返っていた。緊張したレグルスが顔をあげると、真っ赤になって手を握られているキャサリンも、どうしていいかわからずわなわなと震えていた。
そこで、教壇の方から咳払いがした。
「授業を始めたいが、いいかな?」
いつの間にか入室していた教師の声に我に返ったキャサリンは「も、問題ないです!」と言ってレグルスの手の中から自分の手を引き抜こうとしたが、固く握られていて太刀打ちができない。
「ちょっと、レグルス!」
「返事を聞くまで放さない!!!」
「確かに、それもそうだな。ロバートくんには後でレポートを課すから今日は欠席でよろしい。」
「え!?」
ー---
荷物を持って教室を出たキャサリンはレグルスに向き直った。
「あんなに大声で!恥ずかしい!もうこの授業受けられない!先生にも聞かれた!」
「な!結婚してくれないのか!?」
「そうは言ってない!!」
「してくれるのか!?!?」
「ままま、待って!!!」
がらりと教室の扉が開いて中から教師が「うるさいぞ」と声をかけるので二人は無言で教室の前から移動する。その間、レグルスはずっとキャサリンの手を握っていた。
人のいないところまで来るとレグルスはキャサリンの手を引いて向かい合うように立った。見るとキャサリンの顔は真っ赤になっている。
「キャサリン…。」
「結婚はまだ早い!!早いけど!!」
レグルスから見ると可愛いところしかないキャサリンは可愛さが倍増する上目遣いでレグルスを見上げた。
「婚約なら、いい。」
「……え?」
「婚約なら、いい。」
「こん、やく…。」
音の変換ができたレグルスは顔を輝かせ、喜びの叫び声をあげながら軽々とキャサリンを抱き上げてその場で回った。
「必ず幸せにする!!」
「ま、まだ結婚はしない!!」
「いずれは結婚するんだ!!」
しばらく黙ってレグルスに振り回されていたキャサリンだが、やがてレグルスの顔に手をあてて目を合わせた。
「…交流プログラム、応援してくれる?」
「もちろん。」
「…大学も?」
「ああ。」
「…ちゃんと会いに帰ってくるから。」
「帰ってこなくても会いに行くよ。」
レグルスはキャサリンの唇に何度かキスをした後に優しく床におろした。
「…次の休みにパパに会う?」
「…………最難関がまだあったな。」
どうしてなのか、魔法学園にいるはずのキャサリンを一度も目にしなかった。まるで付き合う前の専科進学直後のような状態だ。歩み寄らなければ二人は会えないのだとレグルスは痛感した。
キャサリンは食事も女子寮の食堂で食べている様で、レグルスには全く会わなかった。
もちろん、レグルスはキャサリンの授業を把握しているので教室まで行けば会えるのだが、その日の最後の授業で耐えきれなくなって授業後に獣人の脚でキャサリンの教室まで走ったが、すでに彼女はいなかった。
朝食の時の比じゃないほどに萎れているレグルスの背をヨークは叩いた。
「空きコマで張り付くしかないだろうな。」
「そうだな…。明日の朝に頑張るよ。」
「でも、どうやって許してもらうんだ?留学は許すんだよな?」
本当はレグルスが許す許さないの問題ではなく、レグルスにはキャサリンとこのまま別れるか、留学することを許して付き合い続けるかの二拓しかない。
「…条件付きで。」
「おい、まだそんなこと言ってるのか?」
「条件を飲んでもらえないと許せそうにない…。」
「どんな条件だよ?」
「………キャサリンに最初に言う。」
ー---
翌朝、一時間目に授業があるキャサリンのいる教室にやってきた。中からは元気なキャサリンの友人の声がする。
「だめ、絶対に許しちゃだめよ、キャサリン。」
オリヴィア・マクレガーという貴族の女子である。キャサリンと同じ特進コースに在籍しており、レグルスも彼女と付き合い始めた直後に紹介された。黒い貴族然としたくるくるした巻き髪が記憶に残っている。
「俺と留学のどっちが大事?ですって?留学に決まってるじゃないの!そんな男、この先も何度だって同じことを言ってくるわ!絶対によりを戻しちゃだめよ!」
な…!あの女、なんてことを…!
「でも、私…、レグルスと別れたくない。」
切なさげなキャサリンの声にドキッとする。…そっか。別れたくないと思ってくれているんだ。と顔を赤らめる。
「じゃあ交流プログラムをあきらめる?」
「それは絶対無理。」
…あ、はい。
開きかけていた教室の扉をがらりと開けると思ったよりも大きな音が出た。ちらりとこちらを見たオリヴィアがただでさえ吊り上がっていた目をさらに吊り上げてこちらを睨みつけてきた。そして机をたたいて立ち上がる。
「あなた!どんな顔でキャサリンの前に出てきたのかしら!もう話すことなんて何もないのよ!帰りなさい!」
教室にいた全ての学生がレグルスの方を向き、キャサリンもこちらを振り返って目を丸くする。レグルスがあまりにも黒い隈をこしらえているのでぎょっとしたのだったが、レグルスは一日以上ぶりのキャサリンに内心は歓喜していた。
いや、落ち着け、ここからが大事なんだと盛り上がる心臓を意思の力で押さえつける。
「キャサリンに大事な話があるんだ。」
「交流プログラムへの参加を許すから、よりを戻してくれって謝りに来たの?」
「ち、違う!」
「違う!?それ以外にあなたに許される言葉なんてありません!帰りなさい!」
キャサリンの何倍もの剣幕で怒っているオリヴィアをなだめて座らせて、キャサリンが立ち上がった。
「話を聞いてくる。」
「だめ!またひどいことを言うかもしれないでしょ!」
「でも…。」
「どうしてもっていうなら今ここで話してもらいましょう!」
オリヴィアが「話せるものならね」と呟いてレグルスを睨みつけるが、毎度のことでレグルスの視界にはキャサリンしか入っていない。
獣人の脚ですぐに駆け寄るとその手を握りしめた。「ちょっと!」というオリヴィアの声は耳に入らなかったし、教室中からの注目も気にならなかった。
「キャサリン、昨日は………悪かった。ショックで…。でも、キャサリンの夢を応援してないわけじゃないんだ!」
素直にまず謝ったことにキャサリンは驚いていた。レグルスはどこまでも素直になれない口の持ち主だから。
「応援してくれると思ってたって言われて、しまったと思った。違うんだ!本当に、離れたくなかっただけで!」
「………でも、交流プログラムへの参加は反対なんでしょ?」
「………………賛成できない。」
オリヴィアの「なんですって!?」という声が響き、キャサリンも落胆のため息をついた。
「どうしても行くなら!一つ!約束してほしい!」
「約束?」
顔を赤らめて息を吸ったレグルスはその場に膝をついた。立ち上がっていたキャサリンを見下ろす形から見上げる形になる。
「お、俺と…………。」
たっぷりの間が空く。喧嘩してる時にこんなこと言っても受け入れられないかもしれない。一度断られているし。と否定的な考えが頭をぐるぐるする。
「レグルス?」
困ったようなキャサリンの顔を見て、この手を放したくないと決意する。物理的に距離が開いても、心の距離は開いていない、その証拠がほしい。
それがあれば、きっとレグルスも耐えられる。
「……………結婚してくれ!!」
「「「「「……え?」」」」」
周囲から驚いたような声が多数あがるが、レグルスは握ったキャサリンの手を自分の額に押し当ててまくしたてた。
「結婚してくれていないと耐えられない!!他の男に目をつけられたらどうするんだ!?俺のキャサリンはこんなに可愛いのに!!
そうじゃなくても、俺よりかっこいい男のところにふらふらと目移りしたらどうする!?う、うううう、浮気なんて!?せめて結婚して最低限の予防線を張っておかないと!!」
「れ、レグルス!落ち着いて!」
自分が平凡であるという自覚があるキャサリンはかあっと顔を赤くして恥ずかしい言葉をはきまくるレグルスを止めようとするが、彼はここぞとばかりに畳みかける。
「それに恋人じゃ優先順位が低すぎる!!帰国したら一番に俺に会いに来てくれないと!!実家に帰ってあの父親につかまって休暇が終わったらどうするんだ!?
恋人に会うための休暇は取りにくくても夫に会うための休暇は取りやすいだろう!?」
「ええ!?」
「それにプログラムに夢中になったら、キャサリンは俺への連絡を忘れるかもしれない!!いや、恋人のままじゃ絶対に忘れられる!!なんたって俺はべた惚れでキャサリンはちょいと惚れなんだから!!」
「ちょ、ちょいと惚れ!?」
「だめだ!!恋人のままじゃ絶対に行かせられない!!嫁に来てもいいし婿に行ってもいいからとりあえず結婚してくれ!!」
レグルスの怒涛のプロポーズに辺りは静まり返っていた。緊張したレグルスが顔をあげると、真っ赤になって手を握られているキャサリンも、どうしていいかわからずわなわなと震えていた。
そこで、教壇の方から咳払いがした。
「授業を始めたいが、いいかな?」
いつの間にか入室していた教師の声に我に返ったキャサリンは「も、問題ないです!」と言ってレグルスの手の中から自分の手を引き抜こうとしたが、固く握られていて太刀打ちができない。
「ちょっと、レグルス!」
「返事を聞くまで放さない!!!」
「確かに、それもそうだな。ロバートくんには後でレポートを課すから今日は欠席でよろしい。」
「え!?」
ー---
荷物を持って教室を出たキャサリンはレグルスに向き直った。
「あんなに大声で!恥ずかしい!もうこの授業受けられない!先生にも聞かれた!」
「な!結婚してくれないのか!?」
「そうは言ってない!!」
「してくれるのか!?!?」
「ままま、待って!!!」
がらりと教室の扉が開いて中から教師が「うるさいぞ」と声をかけるので二人は無言で教室の前から移動する。その間、レグルスはずっとキャサリンの手を握っていた。
人のいないところまで来るとレグルスはキャサリンの手を引いて向かい合うように立った。見るとキャサリンの顔は真っ赤になっている。
「キャサリン…。」
「結婚はまだ早い!!早いけど!!」
レグルスから見ると可愛いところしかないキャサリンは可愛さが倍増する上目遣いでレグルスを見上げた。
「婚約なら、いい。」
「……え?」
「婚約なら、いい。」
「こん、やく…。」
音の変換ができたレグルスは顔を輝かせ、喜びの叫び声をあげながら軽々とキャサリンを抱き上げてその場で回った。
「必ず幸せにする!!」
「ま、まだ結婚はしない!!」
「いずれは結婚するんだ!!」
しばらく黙ってレグルスに振り回されていたキャサリンだが、やがてレグルスの顔に手をあてて目を合わせた。
「…交流プログラム、応援してくれる?」
「もちろん。」
「…大学も?」
「ああ。」
「…ちゃんと会いに帰ってくるから。」
「帰ってこなくても会いに行くよ。」
レグルスはキャサリンの唇に何度かキスをした後に優しく床におろした。
「…次の休みにパパに会う?」
「…………最難関がまだあったな。」
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