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3 親しい男の影、見せつけられて止まらないやきもち
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レグルス達は二年生に進学した。新年度は始まったばかりだが、一年生の学年末の試験結果が新年度早々に張り出され、生徒間のテンションの差が大きい。
「レグルスくん、すごい!学年一位だよ!」
「筆記だけの結果なのに一位ってことは実技も入れたらダントツのトップだよ!」
筆記だけ、とはどういうことかというと、実技の成績は魔力量や元々のバックグラウンドによる差も出てしまうため、全体順位は筆記の成績だけで発表されるのだ。もちろん進学の際には実技も考慮されるが。
周りできゃいきゃいと騒ぐカルベット家の女の子たちを一緒にいたルームメイトのウルとヨークがまたいつものかいという顔で見ていたが、レグルスはそんなことに興味がなかった。
成績表を上からチェックしてとある名前を探していく。その名前は学年10位のところにあった。恐らく、魔法関連の科目が足を引っ張ってのこの順位だろう。
平凡女め…、大人しく俺に勉強を教わっていればもっといい順位が取れたはずなのに…。今更泣きついてきても勉強は教えてやらないからな…。
レグルスよ、学年10位は泣きつく順位ではない。両サイドで「勉強おしえてもらいたいな~」と甘えた声を出す女の子たちの方がよっぽど君のご教授を必要としている。
…いや、泣きついてくるなら教えてやってもいい。
思わずキャサリンが泣いて抱き着いてくるところを想像して真っ赤になったレグルスは大きく頭を振った。女の子たちは首を傾げたが、一年共に過ごしたルームメイト二人は訳知り顔で呆れたため息をついた。
『ああ、また、ロバートね』と。
ー---
二年生からは”属性魔法”の授業が始まる。属性魔法とは、適性がないと使えない魔法のことであり、火、風、土、水、光、闇の6属性からなる。光と闇は希少な属性でその使い手は100人に1人程度だと言われている。
その希少な光属性の使い手を多く輩出しているのが貴族であるカルベット家である。
ちなみに魔力量の多いレグルスは光の他に火と土属性を持っていた。
使い手の少ない光属性の授業は光属性を持つミネルバ先生により放課後に時間をとって行われた。その初回授業の帰りに同じように光属性を持つカルベット家の女の子たちと歩いていると、その視界の端にオリーブブラウンの髪が動くのをとらえた。
思わず立ち止まってぐいと顔をそちらに向けて凝視する。
両サイドの女の子たちが、「どうしたの、レグルスくん?」「やだ、またあの子じゃん」「いつもレグルスくんにつっかかるうざい子ね」とキャサリンに対する文句を垂れ流し始めたが聞いてはいなかった。
キャサリンがすらりと背の高い、ブロンドの男子学生と何やら話し込んで楽しそうに笑っていたからだ。
男子学生のネクタイは青、つまりは四年生以上の上級生である。魔法学園では四年生から専門課程に進学し、コースごとにネクタイの色が変わるのだ。
青は魔法科に進学した学生であることを示している。
…あいつがあんなに楽しそうに笑う顔、俺は向けられたことがない。
レグルスが眼光鋭く睨みつけていると、キャサリンは手にしていた紙袋から綺麗に包装された何かを取り出して、その男子学生に手渡した。プレゼントである。
かっと目を見開いたレグルスは女の子たちの静止も聞かずに走り出していた。
「おい!へい…、ロバート!!」
平凡女と呼ぶとロバートは遠くからでは決して返事をしないことを一年生で学んだレグルスはキャサリンを彼女の苗字で呼ぶようになっていた。
「……何よ、クマ男。」
一方のキャサリンは今もクマ男呼びだ。言わずもがな、レグルスが名前を呼ばれるたびに『許さない!』と叫んでしまうからである。
キャサリンはレグルスを見るなり、先ほどまでの笑顔をしかめっ面に変えた。笑顔を向けられたいレグルスも思わずむっとしてしまう。
「…誰に何を渡してるんだよ。」
「クラブの先輩にロマーノのお土産を渡しただけだけど。」
キャサリンは”異文化研究会”と”冒険クラブ”という弱小クラブに所属している。キャサリンの情報をどうしても聞きたいレグルスは一年の間に根掘り葉掘り聞きまくり、キャサリンをイラっとさせたことは数えきれない。一回で得られる情報は少ないが、数をこなせばそれなりの量になる。
一年でレグルスは大分キャサリンに詳しくなっていた。
彼女と話していた上級生はさわやかな笑顔でレグルスにも挨拶した。なかなかの好青年である。
「キャサリンのお友達かな?」
「いいえ。ただのクラスメイトです。」
友達であることすら否定されたレグルスはショックで思わず声をあげて「お前が友達だなんて、ご免だ!」とののしってしまうが、キャサリンは「いつもこんな感じなんです」とどこ吹く風だ。それがまた悔しくてレグルスはその場でプルプルと震えてしまう。
「僕はキャサリンと同じ冒険クラブの五年生、ジョン・メイスターだ。よろしく。」
ジョンの青いネクタイはよく見れば銀糸の刺繍が入っており、上級魔法科という魔法科進学者の中でも成績トップクラスの者だけが進学できる科の先輩であるとわかる。
「レグルス・デイビーだ。」
「ああ。君が噂のレグルス君か。」
レグルスの噂は上級生にまで広がっているらしい。以前なら鼻高々になる話だが、今のレグルスはそんなことはどうでもいい。ジョンの手の中にある包みを睨みつけて押し黙っている。
ジョンが不思議そうにレグルスの視線をたどり、ああ、と頷いた。
「実は、キャサリンがロマーノに両親の仕事の都合で行くって聞いてね。どうしても欲しいものがあったから、買ってきてもらったんだよ。有名なチョコレートなんだけど、ロマーノでしか食べれなくてね。」
「これぐらいお安い御用です。」
親し気に話すジョンとキャサリンにまたしてもむっとする。
「お、俺はお土産もらってないんだけど。」
「……なんであげなきゃいけないのよ。」
キャサリンの何言ってるんだこいつという視線を受けて、レグルスはぐぬぬと押し黙る。そんなレグルスを放っておくことにしたらしいキャサリンはジョンに向き直る。
「今度のキャンプ、とても楽しみにしてます!ロマーノで買ったキャンプ道具も披露するので、楽しみにしててください。」
「…キャンプ?二人で?」
追い打ちをかけられたレグルスは焦ってしまい、思わずキャサリンの肩を両手でつかんで大声で問いただしてしまった。
「おおおおお、お前!こいつと付き合ってるのか!?い、いったいいつから!?こ、ここここんな不純異性交遊、俺は認めない…!」
「はあ!?」
周りの目も集まり、これにはさすがのキャサリンも慌てた。
「な、なに言ってるのよ!そんなこと大きな声で!!冒険クラブのキャンプ!クラブのキャンプ!!大体、先輩には可愛い恋人がいるのよ!?このチョコレートも恋人のためなんだからね!?」
「おおおおお前、騙されてるんじゃ!?」
「なんでこんなことで騙す!?」
横で見ていたジョンはあっはっはと笑うとレグルスの肩に手を置いた。
「そんなに心配なら、レグルス君も冒険クラブのキャンプにおいでよ。僕の恋人も紹介するし、二人きりじゃないこともわかるだろう?そのまま入部してくれたら嬉しいな。
そろそろ僕はいかないと。キャサリンはいい騎士を持ったね。」
去っていくジョンの背中に、「こんなこと大声で言うやつどこが!?先輩、本当にすみません!?」とキャサリンはへこへこと謝っていた。顔をあげるとぎろりとレグルスを睨む。
「一体、何がしたいのよ、このクマ男!」
「本当に恋人じゃないのか?」
「違うに決まってるじゃない!あんなこと大声で言って!馬鹿なの?」
「な…!俺は学年首席だぞ!」
ぎゃいぎゃいと喧嘩する二人に、一部始終を見てカルベット家の女の子たちは何かを察し始めていた。顔を見合わせてこそこそと話し出す。
「まさかレグルスくん、あの子のこと…?」
「ありえないわ!平凡な一般の女子よ?貴族でもないし、獣人でもないわ。いいとこなしじゃない。」
「レグルスくん、騙されてるんだわ。」
レグルスは彼女たちの内緒話を全く聞き取れてはいなかったが、キャサリンはなんだか睨まれていることに気づいて嫌な予感がするな、とむっとした。
後日、レグルスは冒険クラブのキャンプに参加し、『まさか、本当に来るなんて』とあきれた目をキャサリンに向けられながらジョンがキャサリンの恋人ではないことを確認したが、キャサリンの同期が男子しかいない事実を知り、また不純異性交遊を疑った。つまりは、キャサリンを問い詰め、喧嘩をしてしまう。
もちろん、冒険クラブには入部した。
「レグルスくん、すごい!学年一位だよ!」
「筆記だけの結果なのに一位ってことは実技も入れたらダントツのトップだよ!」
筆記だけ、とはどういうことかというと、実技の成績は魔力量や元々のバックグラウンドによる差も出てしまうため、全体順位は筆記の成績だけで発表されるのだ。もちろん進学の際には実技も考慮されるが。
周りできゃいきゃいと騒ぐカルベット家の女の子たちを一緒にいたルームメイトのウルとヨークがまたいつものかいという顔で見ていたが、レグルスはそんなことに興味がなかった。
成績表を上からチェックしてとある名前を探していく。その名前は学年10位のところにあった。恐らく、魔法関連の科目が足を引っ張ってのこの順位だろう。
平凡女め…、大人しく俺に勉強を教わっていればもっといい順位が取れたはずなのに…。今更泣きついてきても勉強は教えてやらないからな…。
レグルスよ、学年10位は泣きつく順位ではない。両サイドで「勉強おしえてもらいたいな~」と甘えた声を出す女の子たちの方がよっぽど君のご教授を必要としている。
…いや、泣きついてくるなら教えてやってもいい。
思わずキャサリンが泣いて抱き着いてくるところを想像して真っ赤になったレグルスは大きく頭を振った。女の子たちは首を傾げたが、一年共に過ごしたルームメイト二人は訳知り顔で呆れたため息をついた。
『ああ、また、ロバートね』と。
ー---
二年生からは”属性魔法”の授業が始まる。属性魔法とは、適性がないと使えない魔法のことであり、火、風、土、水、光、闇の6属性からなる。光と闇は希少な属性でその使い手は100人に1人程度だと言われている。
その希少な光属性の使い手を多く輩出しているのが貴族であるカルベット家である。
ちなみに魔力量の多いレグルスは光の他に火と土属性を持っていた。
使い手の少ない光属性の授業は光属性を持つミネルバ先生により放課後に時間をとって行われた。その初回授業の帰りに同じように光属性を持つカルベット家の女の子たちと歩いていると、その視界の端にオリーブブラウンの髪が動くのをとらえた。
思わず立ち止まってぐいと顔をそちらに向けて凝視する。
両サイドの女の子たちが、「どうしたの、レグルスくん?」「やだ、またあの子じゃん」「いつもレグルスくんにつっかかるうざい子ね」とキャサリンに対する文句を垂れ流し始めたが聞いてはいなかった。
キャサリンがすらりと背の高い、ブロンドの男子学生と何やら話し込んで楽しそうに笑っていたからだ。
男子学生のネクタイは青、つまりは四年生以上の上級生である。魔法学園では四年生から専門課程に進学し、コースごとにネクタイの色が変わるのだ。
青は魔法科に進学した学生であることを示している。
…あいつがあんなに楽しそうに笑う顔、俺は向けられたことがない。
レグルスが眼光鋭く睨みつけていると、キャサリンは手にしていた紙袋から綺麗に包装された何かを取り出して、その男子学生に手渡した。プレゼントである。
かっと目を見開いたレグルスは女の子たちの静止も聞かずに走り出していた。
「おい!へい…、ロバート!!」
平凡女と呼ぶとロバートは遠くからでは決して返事をしないことを一年生で学んだレグルスはキャサリンを彼女の苗字で呼ぶようになっていた。
「……何よ、クマ男。」
一方のキャサリンは今もクマ男呼びだ。言わずもがな、レグルスが名前を呼ばれるたびに『許さない!』と叫んでしまうからである。
キャサリンはレグルスを見るなり、先ほどまでの笑顔をしかめっ面に変えた。笑顔を向けられたいレグルスも思わずむっとしてしまう。
「…誰に何を渡してるんだよ。」
「クラブの先輩にロマーノのお土産を渡しただけだけど。」
キャサリンは”異文化研究会”と”冒険クラブ”という弱小クラブに所属している。キャサリンの情報をどうしても聞きたいレグルスは一年の間に根掘り葉掘り聞きまくり、キャサリンをイラっとさせたことは数えきれない。一回で得られる情報は少ないが、数をこなせばそれなりの量になる。
一年でレグルスは大分キャサリンに詳しくなっていた。
彼女と話していた上級生はさわやかな笑顔でレグルスにも挨拶した。なかなかの好青年である。
「キャサリンのお友達かな?」
「いいえ。ただのクラスメイトです。」
友達であることすら否定されたレグルスはショックで思わず声をあげて「お前が友達だなんて、ご免だ!」とののしってしまうが、キャサリンは「いつもこんな感じなんです」とどこ吹く風だ。それがまた悔しくてレグルスはその場でプルプルと震えてしまう。
「僕はキャサリンと同じ冒険クラブの五年生、ジョン・メイスターだ。よろしく。」
ジョンの青いネクタイはよく見れば銀糸の刺繍が入っており、上級魔法科という魔法科進学者の中でも成績トップクラスの者だけが進学できる科の先輩であるとわかる。
「レグルス・デイビーだ。」
「ああ。君が噂のレグルス君か。」
レグルスの噂は上級生にまで広がっているらしい。以前なら鼻高々になる話だが、今のレグルスはそんなことはどうでもいい。ジョンの手の中にある包みを睨みつけて押し黙っている。
ジョンが不思議そうにレグルスの視線をたどり、ああ、と頷いた。
「実は、キャサリンがロマーノに両親の仕事の都合で行くって聞いてね。どうしても欲しいものがあったから、買ってきてもらったんだよ。有名なチョコレートなんだけど、ロマーノでしか食べれなくてね。」
「これぐらいお安い御用です。」
親し気に話すジョンとキャサリンにまたしてもむっとする。
「お、俺はお土産もらってないんだけど。」
「……なんであげなきゃいけないのよ。」
キャサリンの何言ってるんだこいつという視線を受けて、レグルスはぐぬぬと押し黙る。そんなレグルスを放っておくことにしたらしいキャサリンはジョンに向き直る。
「今度のキャンプ、とても楽しみにしてます!ロマーノで買ったキャンプ道具も披露するので、楽しみにしててください。」
「…キャンプ?二人で?」
追い打ちをかけられたレグルスは焦ってしまい、思わずキャサリンの肩を両手でつかんで大声で問いただしてしまった。
「おおおおお、お前!こいつと付き合ってるのか!?い、いったいいつから!?こ、ここここんな不純異性交遊、俺は認めない…!」
「はあ!?」
周りの目も集まり、これにはさすがのキャサリンも慌てた。
「な、なに言ってるのよ!そんなこと大きな声で!!冒険クラブのキャンプ!クラブのキャンプ!!大体、先輩には可愛い恋人がいるのよ!?このチョコレートも恋人のためなんだからね!?」
「おおおおお前、騙されてるんじゃ!?」
「なんでこんなことで騙す!?」
横で見ていたジョンはあっはっはと笑うとレグルスの肩に手を置いた。
「そんなに心配なら、レグルス君も冒険クラブのキャンプにおいでよ。僕の恋人も紹介するし、二人きりじゃないこともわかるだろう?そのまま入部してくれたら嬉しいな。
そろそろ僕はいかないと。キャサリンはいい騎士を持ったね。」
去っていくジョンの背中に、「こんなこと大声で言うやつどこが!?先輩、本当にすみません!?」とキャサリンはへこへこと謝っていた。顔をあげるとぎろりとレグルスを睨む。
「一体、何がしたいのよ、このクマ男!」
「本当に恋人じゃないのか?」
「違うに決まってるじゃない!あんなこと大声で言って!馬鹿なの?」
「な…!俺は学年首席だぞ!」
ぎゃいぎゃいと喧嘩する二人に、一部始終を見てカルベット家の女の子たちは何かを察し始めていた。顔を見合わせてこそこそと話し出す。
「まさかレグルスくん、あの子のこと…?」
「ありえないわ!平凡な一般の女子よ?貴族でもないし、獣人でもないわ。いいとこなしじゃない。」
「レグルスくん、騙されてるんだわ。」
レグルスは彼女たちの内緒話を全く聞き取れてはいなかったが、キャサリンはなんだか睨まれていることに気づいて嫌な予感がするな、とむっとした。
後日、レグルスは冒険クラブのキャンプに参加し、『まさか、本当に来るなんて』とあきれた目をキャサリンに向けられながらジョンがキャサリンの恋人ではないことを確認したが、キャサリンの同期が男子しかいない事実を知り、また不純異性交遊を疑った。つまりは、キャサリンを問い詰め、喧嘩をしてしまう。
もちろん、冒険クラブには入部した。
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