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第4章 15歳の辺境聖女
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クリスは行きと同じようにヒューゴと同じ馬に乗っていた。行きほど飛ばさずにゆとりがあるのだが、クリスはさすがに強行軍で疲れてしまったので大人しくヒューゴの腕の中に納まった。
「寝てもいいぞ、クリス。」
頭上から聞こえてくるヒューゴの声に安心して背中を預ける。ヒューゴの体温が伝わってきて眠たくなってくる。
クリスが目を覚ましたのは教会に到着した時だった。
「ごめんね、ヒューゴ。大変じゃなかった?」
「いや、むしろクリスが寝ていたおかげで休憩なしで駆け抜けてこれたよ。」
帰ってきた黒騎士達は大急ぎでお風呂に駆け込んでいく。みんなも早く帰りたかったようだから迷惑ではなかったのだろう。
「俺たちはガブリエル神官に報告に行こう。あー。」
ヒューゴは馬からふらふらしながら降りてくるノワールを見た。
「ノワール殿、大丈夫か?報告は俺とクリスだけでも大丈夫だが…。」
「ごめんなさい。ノワールに身体強化をかけておけばよかったわ。」
「いえ!クリスローズ様のお手を煩わせるわけには!私は大丈夫です!さあまいりましょう!」
プルプルと震える足で歩きだしたノワールの腰を後ろからやってきたエマがバシンと叩いた。驚いたノワールの腰がびよんと伸びてその場に直立する。
ノワールは自分よりも年下の女性に腰を叩かれて呆然としているようだ。エマの姿を凝視して固まっている。
「私が簡単に強化したわ。さあ、報告に行きましょう!」
ー---
「そうですか…。魔物の生息域によってそのような違いがあるのですね…。それでは他にも同様に穴が開きかけている場所がありそうですね…。」
報告を聞いたガブリエル神官は深刻な表情で頷いた。
「では、私は神官長に手紙を書きこのことを伝えます。クリスローズ様はこちらにもうしばらく滞在した穴の経過を確認してください。」
「わかりました。」
短い報告のあとは簡単にお風呂と食事を済ませてベッドに入る。クリスはヒューゴのおかげで多少寝ていたがやっぱりベッドは格別だった。
あっという間に眠りの世界に入り、目覚めたのは翌朝の早朝のことだ。
エマと一緒に早朝の祈りに参加し、朝食のパンとスープをいただく。
「王都の教会と比べても質素だけど、聖カリスト学園の食事と比べちゃったら悲しくなってくるんじゃない、クリス?」
「そんなことないわ。このスープ、食べたことのない味がするわ。」
「あ、魔獣で出汁を取っているのよ。」
「魔獣?」
「ええ。王都では食べないわよね。でもここでは結界周辺の魔獣を間引いた後、美味しいものはいただくの。魔鹿とか魔兎とか、おいしいわよ。」
「このお肉も魔獣?」
「それはただのチキンね。」
魔獣のお肉、食べてみたいな。
「今日はエマはどうするの?」
「私はこの後、黒騎士達とより結界近くにある第5拠点に行くわ。ルクレツェンの魔法騎士との小競り合い地点だから結界が緩むと困るのよ。常に辺境聖女の誰かがいるわ。」
この辺境が接する隣国のルクレツェンは魔法大国だ。唯一、魔法使いを育成する教育機関を持ち、またそのために中立国と言いながら周囲に対して攻撃的である。特に今代の国王は好戦的でどうにか国土を広げようとオールディにもたびたび魔法騎士をさし向けてくる。
ちなみに祈りの結界には魔法を弾き返す効果もある。しかし、魔法で攻撃され続ければ穴が開く。なので辺境聖女が毎日、補強しているのだ。
「エマ、私もその拠点に行けないかな?山の外の結界の様子が気になるの。」
「え?最近は落ち着いていると言っても前線なのよ?危ないわ。」
「エマは行ってるのに?」
「一年以上務めた辺境聖女しかこの任務にはつけないの。ガブリエル様に相談して。」
そう言ってエマはクリスを置いて一足先に前線の拠点へと旅立っていった。
「そうですね…。今のところ魔法騎士が攻撃してくる気配はないですが、普段と違う動きをして結界に異変があったと勘づかれるのも困りますしね…。」
ガブリエル神官がこの重要な教会に配置されたのはこういった敵の策略を読める点があげられる。ラファエル神官長が最も信頼する弟であるというのもあるが。
「黒騎士の隊長と相談させていただいても?」
「もちろんです。ガブリエル神官の指示に従います。」
クリスの勝手な行動で辺境の守りを危うくすることはあってはならない。ガブリエル神官はちょっとにっこりした。そんな顔が神官長によく似ている。
「あなたがよく理解してくださる方でよかった。こちらにいる間のあなたの護衛はヒューゴ・クレマン騎士に一任してありますので、出かける場合は必ず彼を連れて行ってください。」
クリスが退室すると部屋の前ではヒューゴが待っていた。
「クリス、ここに来ていると聞いて迎えに来た。よく寝られた?」
「うん。ヒューゴが私の護衛についてくれるの?」
「ああ。今回、クリスを迎えに行くためにルーティンを外れたからね。他の人を外して付け直すよりは俺がずっとついていた方がいいだろう?」
「私はヒューゴで嬉しい。」
クリスにとって6歳のころから知っているヒューゴは一番好きな黒騎士だった。ヒューゴもクリスのことをかわいい妹のように思ってくれている。
二人の距離の近さは度々問題となるが、ヒューゴは貴族で実力もピカイチだし、柔軟に思考して物事に対処できる頭の良さもある。クリスにとても信頼されているのだから、神官長や騎士団長からはそれは些細な問題とみなされていた。
「今日は休日扱いになっているけれど、どうする?町に出てもいいけれど、観光地なんかはないんだ。」
「魔獣のお肉はどこでも食べられるの?」
「ああ、エマ殿にきいた?クリスなら食べたがると思ったよ。騎士団で捕り物があった時にしか食べられないんだ。昼食後に厨房で干し肉がないかきいてみようか。」
「うん。…ところでノワールは?」
「黒騎士の朝練に参加してへばっているよ。王都と辺境では朝練のレベルが違うからね。俺も最初は大変だったよ。」
それって大丈夫なのかしら。あとで強化しに行ってあげなきゃ。
ー---
火急の知らせが届いたのは、クリスのおかげで復活したノワールも交えた三人で魔獣の干し肉を試食していた時だった。
「ルクレツェンの魔法騎士が第5拠点に侵攻を開始しました!」
「寝てもいいぞ、クリス。」
頭上から聞こえてくるヒューゴの声に安心して背中を預ける。ヒューゴの体温が伝わってきて眠たくなってくる。
クリスが目を覚ましたのは教会に到着した時だった。
「ごめんね、ヒューゴ。大変じゃなかった?」
「いや、むしろクリスが寝ていたおかげで休憩なしで駆け抜けてこれたよ。」
帰ってきた黒騎士達は大急ぎでお風呂に駆け込んでいく。みんなも早く帰りたかったようだから迷惑ではなかったのだろう。
「俺たちはガブリエル神官に報告に行こう。あー。」
ヒューゴは馬からふらふらしながら降りてくるノワールを見た。
「ノワール殿、大丈夫か?報告は俺とクリスだけでも大丈夫だが…。」
「ごめんなさい。ノワールに身体強化をかけておけばよかったわ。」
「いえ!クリスローズ様のお手を煩わせるわけには!私は大丈夫です!さあまいりましょう!」
プルプルと震える足で歩きだしたノワールの腰を後ろからやってきたエマがバシンと叩いた。驚いたノワールの腰がびよんと伸びてその場に直立する。
ノワールは自分よりも年下の女性に腰を叩かれて呆然としているようだ。エマの姿を凝視して固まっている。
「私が簡単に強化したわ。さあ、報告に行きましょう!」
ー---
「そうですか…。魔物の生息域によってそのような違いがあるのですね…。それでは他にも同様に穴が開きかけている場所がありそうですね…。」
報告を聞いたガブリエル神官は深刻な表情で頷いた。
「では、私は神官長に手紙を書きこのことを伝えます。クリスローズ様はこちらにもうしばらく滞在した穴の経過を確認してください。」
「わかりました。」
短い報告のあとは簡単にお風呂と食事を済ませてベッドに入る。クリスはヒューゴのおかげで多少寝ていたがやっぱりベッドは格別だった。
あっという間に眠りの世界に入り、目覚めたのは翌朝の早朝のことだ。
エマと一緒に早朝の祈りに参加し、朝食のパンとスープをいただく。
「王都の教会と比べても質素だけど、聖カリスト学園の食事と比べちゃったら悲しくなってくるんじゃない、クリス?」
「そんなことないわ。このスープ、食べたことのない味がするわ。」
「あ、魔獣で出汁を取っているのよ。」
「魔獣?」
「ええ。王都では食べないわよね。でもここでは結界周辺の魔獣を間引いた後、美味しいものはいただくの。魔鹿とか魔兎とか、おいしいわよ。」
「このお肉も魔獣?」
「それはただのチキンね。」
魔獣のお肉、食べてみたいな。
「今日はエマはどうするの?」
「私はこの後、黒騎士達とより結界近くにある第5拠点に行くわ。ルクレツェンの魔法騎士との小競り合い地点だから結界が緩むと困るのよ。常に辺境聖女の誰かがいるわ。」
この辺境が接する隣国のルクレツェンは魔法大国だ。唯一、魔法使いを育成する教育機関を持ち、またそのために中立国と言いながら周囲に対して攻撃的である。特に今代の国王は好戦的でどうにか国土を広げようとオールディにもたびたび魔法騎士をさし向けてくる。
ちなみに祈りの結界には魔法を弾き返す効果もある。しかし、魔法で攻撃され続ければ穴が開く。なので辺境聖女が毎日、補強しているのだ。
「エマ、私もその拠点に行けないかな?山の外の結界の様子が気になるの。」
「え?最近は落ち着いていると言っても前線なのよ?危ないわ。」
「エマは行ってるのに?」
「一年以上務めた辺境聖女しかこの任務にはつけないの。ガブリエル様に相談して。」
そう言ってエマはクリスを置いて一足先に前線の拠点へと旅立っていった。
「そうですね…。今のところ魔法騎士が攻撃してくる気配はないですが、普段と違う動きをして結界に異変があったと勘づかれるのも困りますしね…。」
ガブリエル神官がこの重要な教会に配置されたのはこういった敵の策略を読める点があげられる。ラファエル神官長が最も信頼する弟であるというのもあるが。
「黒騎士の隊長と相談させていただいても?」
「もちろんです。ガブリエル神官の指示に従います。」
クリスの勝手な行動で辺境の守りを危うくすることはあってはならない。ガブリエル神官はちょっとにっこりした。そんな顔が神官長によく似ている。
「あなたがよく理解してくださる方でよかった。こちらにいる間のあなたの護衛はヒューゴ・クレマン騎士に一任してありますので、出かける場合は必ず彼を連れて行ってください。」
クリスが退室すると部屋の前ではヒューゴが待っていた。
「クリス、ここに来ていると聞いて迎えに来た。よく寝られた?」
「うん。ヒューゴが私の護衛についてくれるの?」
「ああ。今回、クリスを迎えに行くためにルーティンを外れたからね。他の人を外して付け直すよりは俺がずっとついていた方がいいだろう?」
「私はヒューゴで嬉しい。」
クリスにとって6歳のころから知っているヒューゴは一番好きな黒騎士だった。ヒューゴもクリスのことをかわいい妹のように思ってくれている。
二人の距離の近さは度々問題となるが、ヒューゴは貴族で実力もピカイチだし、柔軟に思考して物事に対処できる頭の良さもある。クリスにとても信頼されているのだから、神官長や騎士団長からはそれは些細な問題とみなされていた。
「今日は休日扱いになっているけれど、どうする?町に出てもいいけれど、観光地なんかはないんだ。」
「魔獣のお肉はどこでも食べられるの?」
「ああ、エマ殿にきいた?クリスなら食べたがると思ったよ。騎士団で捕り物があった時にしか食べられないんだ。昼食後に厨房で干し肉がないかきいてみようか。」
「うん。…ところでノワールは?」
「黒騎士の朝練に参加してへばっているよ。王都と辺境では朝練のレベルが違うからね。俺も最初は大変だったよ。」
それって大丈夫なのかしら。あとで強化しに行ってあげなきゃ。
ー---
火急の知らせが届いたのは、クリスのおかげで復活したノワールも交えた三人で魔獣の干し肉を試食していた時だった。
「ルクレツェンの魔法騎士が第5拠点に侵攻を開始しました!」
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