31 / 59
第4章 15歳の辺境聖女
3
しおりを挟む
クリスが久々に教会にやってきたのはその翌日のことだった。結界の穴が大きくなっては大変なのですぐに辺境に向かわなければならなかった。
クリスは馬に乗るために黒騎士の制服のズボンを借り、辺境聖女であることを示す青い薔薇の紋章付きのジャケットを着た。辺境聖女には都市の聖女のような制服はないのだ。
長いワンピースの制服ではいけないようなところに行くというのもあるが。
「私は支度を整えて後から向かいます。クリス様、お気をつけて。」
「よろしくね、ヤスミン。」
「私がサポートしますのでご安心を。こちらはクリス様の好物のフルーツケーキです。今朝、大急ぎで焼きましたよ。道中で食べてください。」
そう言ってくれたのは大聖女時代にずっとそばにいてくれた教会侍女のサーシャだ。今は神官長付きの侍女をしている。馬に付けた荷物に包みを入れてくれるのを見て大きく頷いた。
昨日の夜遅くにルロワ公爵家に着いたクリスは簡単な手紙を姉のアリシラローズに送るために書いた。突然辺境聖女になることになったこと、高等部には通えないこと、楽しみにしていてくれたのに申し訳ないこと、それを簡単にまとめてヤスミンに託した。
遠い東の島国にいる姉のアリシラローズはその国の貴族の青年と結婚した。前回の手紙では妊娠したことを伝えてくれていた。手紙からは幸せそうな感情が伝わってきていた。
幸せな姉にまた心痛になりそうな手紙を送るのは心苦しいが、手紙の頻度がまた落ちることが予想されるのだから、伝えなければ余計に心配させてしまうだろう。
護衛の黒騎士の到着を待っていると、ぞろぞろとお供を引き連れた会いたくない人がやってきた。
「あらクリス、来ていたのね。これから辺境へ向かうのかしら。」
姉であり、現大聖女のマルシャローズである。今日も以前に見たように聖女の衣装ではない高級そうなドレスに身を包んでいる。
「大聖女様。命を受け辺境へとすぐに出発します。」
「そう。あら、あなたまさか馬で行くの?帯剣までして?いったい貴族学園で何を学んできたのかしら?」
マルシャローズは嘲笑するようにそう言うが、以前ほどの怖さをクリスは感じなかった。
「辺境へは馬で行くのが最も速いのです。結界の修復は一刻を争いますから、急ぐ必要があります。帯剣は護身用です。」
「あなた、護衛の白騎士は信用ならないと言うの?彼らはとても優秀よ?」
マルシャローズは自分の後ろに控えている二人の白騎士を振り返った。相変わらず見目がよく、もしかしたら20代半ばのマルシャローズよりも若いのではないだろうか。
「辺境聖女の護衛は白騎士ではなく黒騎士が行います。」
「そう、あなたの好きな黒騎士ね。」
クリスは宝石目でマルシャローズを見た。クリスの周りには歌の精霊がぶんぶんと飛んでいるがマルシャローズの周りには一匹もいない。昔は少しいたような気がするが、今は嘘偽りなく一匹もいない。
祈りの結界は歌の精霊たちの協力のもとに成り立っている。これではすぐに穴が開くはずだ。
そんなクリスの目が気に食わなかったのか、マルシャローズは急に苛立ち始めた。
「随分と生意気な顔をするようになったわね。いいこと?あなたはいつまでも私のスペアなの。私が困ったときに私の代わりになる存在なのよ。今回の辺境聖女の任務も光栄に思いなさい。」
そう捨て台詞を残すとぞろぞろと引き連れて帰っていった。
「久しぶりにスペアだって言われたけれど、以前ほど堪えないわ。なぜかしら。」
「それはきっとたくさんの人からクリス様自身が愛されていることを感じていらっしゃるからだと思いますよ。」
サーシャを振り返ると片目をつぶってちょっと笑顔になっている。どういう意味だろう。降ってわいた疑問は護衛の黒騎士の登場でふっとんだ。
「ヒューゴ!」
黒髪に黒い黒騎士装束をまとった長身の青年、それはクリスの幼馴染のヒューゴである。ヒューゴは一年前に聖カリスト学園を卒業し、黒騎士として正式に着任した。オールディと隣国ルクレツェンの国境に赴任していたはずだが、もしや…。
「穴が開いたのはルクレツェンとの国境なんだ。魔物や魔獣の多い厄介なところで、急ぎ大聖女様を迎えるために貴族位のある俺が首都まで来ていたんだ。…まさかクリスと帰ることになるとは。」
「私も護衛がヒューゴで嬉しい!」
どうしてもヒューゴの前だと公爵令嬢の作法が抜けて昔に戻ってしまう。ここには気心知れた人しかいないからいいけれど…とよく見ると後ろにもう一人黒騎士がいた。
いや、黒騎士の制服なのだが、顔には見覚えがある。彼は以前クリスを護衛してくれていたお小言多めの白騎士だ。
「あなた…、ノワール?」
「クリスローズ様に覚えていただけていたとは幸いです。」
「もちろんよ。私付きの白騎士だったもの。黒騎士に転向したの?」
「はい。今回クリスローズ様の護衛になるために黒騎士に転向しました。共に辺境に参ります。」
白騎士の黒騎士嫌いは有名なのでクリスは目を丸くした。
「ノワール殿はここ一年ほど黒騎士団で修行をしていたんだ。それでどこからか今回のことを聞きつけて護衛に志願したらしい。」
「まさか、ノワール、あなたも…。」
「ファンクラブ会員だし、おそらくガーディアンだ。」
熱心なクリスファンクラブ会員のことは、守護者”ガーディアン”と呼ばれている。クリスを悪評や敵意から守り、積極的にその素晴らしさを流布して回る。
もちろんクリスは何も頼んでいない。
クリスに困ったものを見るような目で見られてノワールは動揺したようだ。ちなみに彼は今年26になり、クリスよりも11歳も年上である。
「クリスローズ様、出発されますか?」
見送りには神官長と黒騎士団長が来ていた。
「護衛は多くはつけられませんが、道中は必ず教会指定の宿に泊まってください。ヒューゴによく言い聞かせてあるので大丈夫だと思いますが。」
「そのあたりは問題ないだろう。」
黒騎士団長はヒューゴの肩をたたいた。護衛が少ないのは致し方ない。辺境聖女の移動のタイミングは黒騎士の配置換えと同じタイミングであり、それは基本秋なのだ。
こんな建国祭の直後に手隙の黒騎士がたくさん王都にいることはない。
「では行ってまいります。」
こうしてクリスは王都を旅立った。
クリスは馬に乗るために黒騎士の制服のズボンを借り、辺境聖女であることを示す青い薔薇の紋章付きのジャケットを着た。辺境聖女には都市の聖女のような制服はないのだ。
長いワンピースの制服ではいけないようなところに行くというのもあるが。
「私は支度を整えて後から向かいます。クリス様、お気をつけて。」
「よろしくね、ヤスミン。」
「私がサポートしますのでご安心を。こちらはクリス様の好物のフルーツケーキです。今朝、大急ぎで焼きましたよ。道中で食べてください。」
そう言ってくれたのは大聖女時代にずっとそばにいてくれた教会侍女のサーシャだ。今は神官長付きの侍女をしている。馬に付けた荷物に包みを入れてくれるのを見て大きく頷いた。
昨日の夜遅くにルロワ公爵家に着いたクリスは簡単な手紙を姉のアリシラローズに送るために書いた。突然辺境聖女になることになったこと、高等部には通えないこと、楽しみにしていてくれたのに申し訳ないこと、それを簡単にまとめてヤスミンに託した。
遠い東の島国にいる姉のアリシラローズはその国の貴族の青年と結婚した。前回の手紙では妊娠したことを伝えてくれていた。手紙からは幸せそうな感情が伝わってきていた。
幸せな姉にまた心痛になりそうな手紙を送るのは心苦しいが、手紙の頻度がまた落ちることが予想されるのだから、伝えなければ余計に心配させてしまうだろう。
護衛の黒騎士の到着を待っていると、ぞろぞろとお供を引き連れた会いたくない人がやってきた。
「あらクリス、来ていたのね。これから辺境へ向かうのかしら。」
姉であり、現大聖女のマルシャローズである。今日も以前に見たように聖女の衣装ではない高級そうなドレスに身を包んでいる。
「大聖女様。命を受け辺境へとすぐに出発します。」
「そう。あら、あなたまさか馬で行くの?帯剣までして?いったい貴族学園で何を学んできたのかしら?」
マルシャローズは嘲笑するようにそう言うが、以前ほどの怖さをクリスは感じなかった。
「辺境へは馬で行くのが最も速いのです。結界の修復は一刻を争いますから、急ぐ必要があります。帯剣は護身用です。」
「あなた、護衛の白騎士は信用ならないと言うの?彼らはとても優秀よ?」
マルシャローズは自分の後ろに控えている二人の白騎士を振り返った。相変わらず見目がよく、もしかしたら20代半ばのマルシャローズよりも若いのではないだろうか。
「辺境聖女の護衛は白騎士ではなく黒騎士が行います。」
「そう、あなたの好きな黒騎士ね。」
クリスは宝石目でマルシャローズを見た。クリスの周りには歌の精霊がぶんぶんと飛んでいるがマルシャローズの周りには一匹もいない。昔は少しいたような気がするが、今は嘘偽りなく一匹もいない。
祈りの結界は歌の精霊たちの協力のもとに成り立っている。これではすぐに穴が開くはずだ。
そんなクリスの目が気に食わなかったのか、マルシャローズは急に苛立ち始めた。
「随分と生意気な顔をするようになったわね。いいこと?あなたはいつまでも私のスペアなの。私が困ったときに私の代わりになる存在なのよ。今回の辺境聖女の任務も光栄に思いなさい。」
そう捨て台詞を残すとぞろぞろと引き連れて帰っていった。
「久しぶりにスペアだって言われたけれど、以前ほど堪えないわ。なぜかしら。」
「それはきっとたくさんの人からクリス様自身が愛されていることを感じていらっしゃるからだと思いますよ。」
サーシャを振り返ると片目をつぶってちょっと笑顔になっている。どういう意味だろう。降ってわいた疑問は護衛の黒騎士の登場でふっとんだ。
「ヒューゴ!」
黒髪に黒い黒騎士装束をまとった長身の青年、それはクリスの幼馴染のヒューゴである。ヒューゴは一年前に聖カリスト学園を卒業し、黒騎士として正式に着任した。オールディと隣国ルクレツェンの国境に赴任していたはずだが、もしや…。
「穴が開いたのはルクレツェンとの国境なんだ。魔物や魔獣の多い厄介なところで、急ぎ大聖女様を迎えるために貴族位のある俺が首都まで来ていたんだ。…まさかクリスと帰ることになるとは。」
「私も護衛がヒューゴで嬉しい!」
どうしてもヒューゴの前だと公爵令嬢の作法が抜けて昔に戻ってしまう。ここには気心知れた人しかいないからいいけれど…とよく見ると後ろにもう一人黒騎士がいた。
いや、黒騎士の制服なのだが、顔には見覚えがある。彼は以前クリスを護衛してくれていたお小言多めの白騎士だ。
「あなた…、ノワール?」
「クリスローズ様に覚えていただけていたとは幸いです。」
「もちろんよ。私付きの白騎士だったもの。黒騎士に転向したの?」
「はい。今回クリスローズ様の護衛になるために黒騎士に転向しました。共に辺境に参ります。」
白騎士の黒騎士嫌いは有名なのでクリスは目を丸くした。
「ノワール殿はここ一年ほど黒騎士団で修行をしていたんだ。それでどこからか今回のことを聞きつけて護衛に志願したらしい。」
「まさか、ノワール、あなたも…。」
「ファンクラブ会員だし、おそらくガーディアンだ。」
熱心なクリスファンクラブ会員のことは、守護者”ガーディアン”と呼ばれている。クリスを悪評や敵意から守り、積極的にその素晴らしさを流布して回る。
もちろんクリスは何も頼んでいない。
クリスに困ったものを見るような目で見られてノワールは動揺したようだ。ちなみに彼は今年26になり、クリスよりも11歳も年上である。
「クリスローズ様、出発されますか?」
見送りには神官長と黒騎士団長が来ていた。
「護衛は多くはつけられませんが、道中は必ず教会指定の宿に泊まってください。ヒューゴによく言い聞かせてあるので大丈夫だと思いますが。」
「そのあたりは問題ないだろう。」
黒騎士団長はヒューゴの肩をたたいた。護衛が少ないのは致し方ない。辺境聖女の移動のタイミングは黒騎士の配置換えと同じタイミングであり、それは基本秋なのだ。
こんな建国祭の直後に手隙の黒騎士がたくさん王都にいることはない。
「では行ってまいります。」
こうしてクリスは王都を旅立った。
32
お気に入りに追加
3,559
あなたにおすすめの小説

王女、豹妃を狩る
遠野エン
ファンタジー
ベルハイム王国の王子マルセスは身分の差を超えて農家の娘ガルナと結婚を決意。王家からは驚きと反対の声が上がるが、マルセスはガルナの自由闊達な魅力に惹かれ押し切る。彼女は結婚式で大胆不敵な豹柄のドレスをまとい、周囲をあ然とさせる。
ガルナは王子の妻としての地位を得ると、侍女や家臣たちを手の平で転がすかのように振る舞い始める。王宮に新しい風を吹かせると豪語し、次第に無茶な要求をし出すようになる。
マルセスの妹・フュリア王女はガルナの存在に潜む危険を察知し、独自に調査を開始する。ガルナは常に豹柄の服を身にまとい人々の視線を引きつけ、畏怖の念を込めて“豹妃”というあだ名で囁かれるのだった。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!



雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

【完結】特別な力で国を守っていた〈防国姫〉の私、愚王と愚妹に王宮追放されたのでスパダリ従者と旅に出ます。一方で愚王と愚妹は破滅する模様
岡崎 剛柔
ファンタジー
◎第17回ファンタジー小説大賞に応募しています。投票していただけると嬉しいです
【あらすじ】
カスケード王国には魔力水晶石と呼ばれる特殊な鉱物が国中に存在しており、その魔力水晶石に特別な魔力を流すことで〈魔素〉による疫病などを防いでいた特別な聖女がいた。
聖女の名前はアメリア・フィンドラル。
国民から〈防国姫〉と呼ばれて尊敬されていた、フィンドラル男爵家の長女としてこの世に生を受けた凛々しい女性だった。
「アメリア・フィンドラル、ちょうどいい機会だからここでお前との婚約を破棄する! いいか、これは現国王である僕ことアントン・カスケードがずっと前から決めていたことだ! だから異議は認めない!」
そんなアメリアは婚約者だった若き国王――アントン・カスケードに公衆の面前で一方的に婚約破棄されてしまう。
婚約破棄された理由は、アメリアの妹であったミーシャの策略だった。
ミーシャはアメリアと同じ〈防国姫〉になれる特別な魔力を発現させたことで、アントンを口説き落としてアメリアとの婚約を破棄させてしまう。
そしてミーシャに骨抜きにされたアントンは、アメリアに王宮からの追放処分を言い渡した。
これにはアメリアもすっかり呆れ、無駄な言い訳をせずに大人しく王宮から出て行った。
やがてアメリアは天才騎士と呼ばれていたリヒト・ジークウォルトを連れて〈放浪医師〉となることを決意する。
〈防国姫〉の任を解かれても、国民たちを守るために自分が持つ医術の知識を活かそうと考えたのだ。
一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。
普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。
だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。
カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。
些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。

レイブン領の面倒姫
庭にハニワ
ファンタジー
兄の学院卒業にかこつけて、初めて王都に行きました。
初対面の人に、いきなり婚約破棄されました。
私はまだ婚約などしていないのですが、ね。
あなた方、いったい何なんですか?
初投稿です。
ヨロシクお願い致します~。

金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる