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第六章 Side B
閑話 ブラッドリーの独白 4
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ポートレット帝国との海戦は思わぬ形で終結した。帝国内で反乱がおき、近隣への侵攻を繰り返してた皇帝グレゴリーが倒れ、新しく穏健派と言える、第一皇子のマクシミリアンが皇帝となった。
ブラッドリーもフェイビアンも不遇なマクシミリアンが反乱を企てていることを知っていたが、まさかこんなにも早く成し遂げられるとは思わなかった。
皇帝グレゴリーを皇太子の第二皇子アレクセイと第三皇子の”戦闘狂”イヴァンも支持しており、マクシミリアンは少ない支持者とともに隠れるように活動するしかなかったから。
しかし、なぜか昨年の侵攻後、イヴァン皇子はマクシミリアン皇子に味方して反乱をおこした。
そして、簡単に政権を奪い取った。
「イヴァン皇子はなぜ心変わりをしたんだ…?戦闘狂と呼ばれるほど血の気の多い男だろう?なぜ和平を望むマクシミリアン皇子に肩入れを…?」
「…わからない。しかも、マクシミリアン陛下と共にブルテンに来ると言っている。この後、エスパルとヒューゲンにも行って、その後、イヴァン皇子だけブルテンに戻ってくるとか。」
「我が国に何か用があるのか…。」
そうして、帝国からの重要人物二人がブルテンにやってきたのは春の盛りのことだ。
マクシミリアンはいかにも常識人といった様子で、身構えていたブルテン側は大いに安堵した。一方のイヴァンはブルテン海軍に興味津々の様子で、終戦協定前の捕虜交換の場では捕虜を連れてきたポール・エバンズ少将に詰め寄っていた。
「お前は…!あの時の司令船に乗っていたよな…!」
「…なんのことでしょう?」
「俺が奇襲をかけさせた司令船だ!なかなか首がとれなくて…、いや、そんなことはどうでもいい。お前に聞きたいことがあるんだ。」
「…なんでしょう?」
「あの船に、女性兵が乗っていただろう?俺に切りかかってきた女性だ。彼女のことを教えてほしい。」
「…ブルテンには女性兵も多くいますからね。特に司令船のような船には多いです。なので、どの兵のことなのか、私にはわかりかねます。」
「そ、そうか…。じゃあ、あの船に乗っていた女性兵に会わせてくれないか?」
「…私の一存ではできかねます。」
イヴァン皇子は自分に切りかかってきた女性兵を探しているらしい。まて、司令船に奇襲をかけたイヴァン皇子がなぜ帝国からの使者としてここにいる?あの船に奇襲をかけた帝国兵は皆捕虜になったか、戦死したかだ。
それに自分に切りかかってきた女性兵に一体どんな要件があるというんだ。
その答えは、エリザベスを伴って参加した晩餐会で判明した。
「もちろん、求婚するのです!」
イヴァンは朗らかに戦闘した。自分に深手を負わせた女性に求婚する、だなんて。
「つらい治療も彼女の雄姿を思い出すことで乗り切れました!まさに彼女は私の女神なのです!」
「それで、エバンズ少将に?」
「はい。あの時の女性兵について教えてほしいと。女性兵はそこそこの数がいるから誰のことかわからないと言われてしまいましたが。」
「どのような女性でいらしたの?」
「美しい女性でした。特に剣技が美しくて。」
「何か容姿の特徴は?」
「それが、色はしっかりと思い出せないのです。ですが、会えばすぐにわかります!それに左の頬に私のつけた傷があるはず!あの深さの傷なら跡が残っているでしょう!」
顔に傷のある女性兵。油断していたとはいえ”戦闘狂”に深手を負わせる実力を持つ女性兵。剣技が美しい女性兵。司令船に乗っていた女性兵。
もしかしたら、皇子妃になるかのせいもあるが、海軍にいる女性兵はアーチボルト家の縁者ばかりだ。つまりは、貴族の血を引くわけである。ブルテンとしても送り出せる最低ラインはクリアしている。
ブルテン国内の貴族には好まれないが、国が変わればということだろう。
しかし、女性兵の多くは海馬部隊か救護部隊にいるはずだ。司令船に救護部隊はいるはずだが、戦闘には参加しないだろう。司令船にはエリーも乗っていたはずだ。しかし、自分との婚約が内々定しているエリーに何かあっては困るので戦闘には参加させないようにとアーチボルト大将にはお願いしている。
彼女ではないだろう。
ブラッドリーはまだエリーに会えてはいなかった。そして…。ちらりと隣を見る。そこにいるのは金髪をまとめて美しい緑色のドレスを着たエリザベスがニコニコしながら食事を食べている。
まだ、彼女の扱いをどうするかも決めかねている。
エリザベスは離縁を望んでいるし、もうすぐ契約の三年も迫っている。理性では離縁すればいいとわかっているのだが、なぜかブラッドリーはその選択を選べないでいた。
後日、フェイビアンは重たい表情でエスメラルダ妃とともにブラッドリーを呼び出した。
「恐れていた通りだったよ。」
「…何がだ?」
「イヴァン皇子が探している女性兵、やっぱりエリーだったよ。」
「……は?」
「だから、エリーだよ。お前もそうは思わなかったのか?司令船に乗っていて、とっさの判断で要の人物を見破り、攻撃を仕掛け、しかも深手を負わせられる。そんなのエリーしかいないだろう?」
「い、いや、だけれど、アーチボルト大将にエリーを戦闘に参加させないように頼んだし…。」
「司令船が直接襲われたんだ。エリーの性格なら戦うに決まってるだろう。」
フェイビアンは「どうしたんだよ、ブラッド」と顔をしかめている。
「それに、エリーに戦闘狂が倒せるのか?」
「エリーはいざという時に戦える。だからアーチボルト大将も最終的には彼女を戦場に出すことを許可したんだ。自分の命を自分で守ることはできるから、と。一番戦闘が少ないだろう司令船に乗せたのが最低限の配慮だろう。」
「エリーの顔には傷がなかっただろう!」
目立った外傷なし、と報告されたではないか。
「エリーは亡くなった夫人から特別な薬を持たされていただろう?エリーは鍛錬が好きだけれど、傷が残ってはいけないから、ある程度の怪我なら痕も残さずに治す薬を。」
そうだった。そうだったが…。
「とにかく、アーチボルト直系のエリーを帝国に嫁がせるわけにはいかない。イヴァン皇子が見つける前に、エリーをしかるべき相手と婚約させておきたい。お前、夫人とは別れてエリーを迎えるってことでいいか?」
「は?」
「エリーが第二夫人だと、イヴァン皇子から守れない。割り込むすきがないと思ってあきらめてもらわなければ。恐らく、エリーも褒章で階級を上げると思うから、その後に婚約発表がいいと思う。それまでに、夫人との関係を整理しておいてほしい。」
ブラッドリーもフェイビアンも不遇なマクシミリアンが反乱を企てていることを知っていたが、まさかこんなにも早く成し遂げられるとは思わなかった。
皇帝グレゴリーを皇太子の第二皇子アレクセイと第三皇子の”戦闘狂”イヴァンも支持しており、マクシミリアンは少ない支持者とともに隠れるように活動するしかなかったから。
しかし、なぜか昨年の侵攻後、イヴァン皇子はマクシミリアン皇子に味方して反乱をおこした。
そして、簡単に政権を奪い取った。
「イヴァン皇子はなぜ心変わりをしたんだ…?戦闘狂と呼ばれるほど血の気の多い男だろう?なぜ和平を望むマクシミリアン皇子に肩入れを…?」
「…わからない。しかも、マクシミリアン陛下と共にブルテンに来ると言っている。この後、エスパルとヒューゲンにも行って、その後、イヴァン皇子だけブルテンに戻ってくるとか。」
「我が国に何か用があるのか…。」
そうして、帝国からの重要人物二人がブルテンにやってきたのは春の盛りのことだ。
マクシミリアンはいかにも常識人といった様子で、身構えていたブルテン側は大いに安堵した。一方のイヴァンはブルテン海軍に興味津々の様子で、終戦協定前の捕虜交換の場では捕虜を連れてきたポール・エバンズ少将に詰め寄っていた。
「お前は…!あの時の司令船に乗っていたよな…!」
「…なんのことでしょう?」
「俺が奇襲をかけさせた司令船だ!なかなか首がとれなくて…、いや、そんなことはどうでもいい。お前に聞きたいことがあるんだ。」
「…なんでしょう?」
「あの船に、女性兵が乗っていただろう?俺に切りかかってきた女性だ。彼女のことを教えてほしい。」
「…ブルテンには女性兵も多くいますからね。特に司令船のような船には多いです。なので、どの兵のことなのか、私にはわかりかねます。」
「そ、そうか…。じゃあ、あの船に乗っていた女性兵に会わせてくれないか?」
「…私の一存ではできかねます。」
イヴァン皇子は自分に切りかかってきた女性兵を探しているらしい。まて、司令船に奇襲をかけたイヴァン皇子がなぜ帝国からの使者としてここにいる?あの船に奇襲をかけた帝国兵は皆捕虜になったか、戦死したかだ。
それに自分に切りかかってきた女性兵に一体どんな要件があるというんだ。
その答えは、エリザベスを伴って参加した晩餐会で判明した。
「もちろん、求婚するのです!」
イヴァンは朗らかに戦闘した。自分に深手を負わせた女性に求婚する、だなんて。
「つらい治療も彼女の雄姿を思い出すことで乗り切れました!まさに彼女は私の女神なのです!」
「それで、エバンズ少将に?」
「はい。あの時の女性兵について教えてほしいと。女性兵はそこそこの数がいるから誰のことかわからないと言われてしまいましたが。」
「どのような女性でいらしたの?」
「美しい女性でした。特に剣技が美しくて。」
「何か容姿の特徴は?」
「それが、色はしっかりと思い出せないのです。ですが、会えばすぐにわかります!それに左の頬に私のつけた傷があるはず!あの深さの傷なら跡が残っているでしょう!」
顔に傷のある女性兵。油断していたとはいえ”戦闘狂”に深手を負わせる実力を持つ女性兵。剣技が美しい女性兵。司令船に乗っていた女性兵。
もしかしたら、皇子妃になるかのせいもあるが、海軍にいる女性兵はアーチボルト家の縁者ばかりだ。つまりは、貴族の血を引くわけである。ブルテンとしても送り出せる最低ラインはクリアしている。
ブルテン国内の貴族には好まれないが、国が変わればということだろう。
しかし、女性兵の多くは海馬部隊か救護部隊にいるはずだ。司令船に救護部隊はいるはずだが、戦闘には参加しないだろう。司令船にはエリーも乗っていたはずだ。しかし、自分との婚約が内々定しているエリーに何かあっては困るので戦闘には参加させないようにとアーチボルト大将にはお願いしている。
彼女ではないだろう。
ブラッドリーはまだエリーに会えてはいなかった。そして…。ちらりと隣を見る。そこにいるのは金髪をまとめて美しい緑色のドレスを着たエリザベスがニコニコしながら食事を食べている。
まだ、彼女の扱いをどうするかも決めかねている。
エリザベスは離縁を望んでいるし、もうすぐ契約の三年も迫っている。理性では離縁すればいいとわかっているのだが、なぜかブラッドリーはその選択を選べないでいた。
後日、フェイビアンは重たい表情でエスメラルダ妃とともにブラッドリーを呼び出した。
「恐れていた通りだったよ。」
「…何がだ?」
「イヴァン皇子が探している女性兵、やっぱりエリーだったよ。」
「……は?」
「だから、エリーだよ。お前もそうは思わなかったのか?司令船に乗っていて、とっさの判断で要の人物を見破り、攻撃を仕掛け、しかも深手を負わせられる。そんなのエリーしかいないだろう?」
「い、いや、だけれど、アーチボルト大将にエリーを戦闘に参加させないように頼んだし…。」
「司令船が直接襲われたんだ。エリーの性格なら戦うに決まってるだろう。」
フェイビアンは「どうしたんだよ、ブラッド」と顔をしかめている。
「それに、エリーに戦闘狂が倒せるのか?」
「エリーはいざという時に戦える。だからアーチボルト大将も最終的には彼女を戦場に出すことを許可したんだ。自分の命を自分で守ることはできるから、と。一番戦闘が少ないだろう司令船に乗せたのが最低限の配慮だろう。」
「エリーの顔には傷がなかっただろう!」
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「エリーは亡くなった夫人から特別な薬を持たされていただろう?エリーは鍛錬が好きだけれど、傷が残ってはいけないから、ある程度の怪我なら痕も残さずに治す薬を。」
そうだった。そうだったが…。
「とにかく、アーチボルト直系のエリーを帝国に嫁がせるわけにはいかない。イヴァン皇子が見つける前に、エリーをしかるべき相手と婚約させておきたい。お前、夫人とは別れてエリーを迎えるってことでいいか?」
「は?」
「エリーが第二夫人だと、イヴァン皇子から守れない。割り込むすきがないと思ってあきらめてもらわなければ。恐らく、エリーも褒章で階級を上げると思うから、その後に婚約発表がいいと思う。それまでに、夫人との関係を整理しておいてほしい。」
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