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第六章 Side B
2 エリーと異国の兵
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誰も予想していないことだった。
ポートレット帝国では皇帝グレゴリーによる独裁的な統治が行われていた。好戦的な人物で、国土を広げるために次々と近隣諸国を侵略している。
皇帝の好戦的な姿勢に異を唱えた第一皇子のマクシミリアンは皇太子の座を追いやられ、代わりに好戦的な第二皇子アレクセイが皇太子となった。戦闘狂の第三皇子イヴァンもそれを支持し、ポートレット帝国はもう止められない、とどの国も思っていた。
しかし、ここにきて、イヴァン皇子がマクシミリアン皇子に接触し、そちらに寝返った。皇帝がそのことに気づく前に素早く皇帝と皇太子を暗殺し、玉座を奪い取ったのだ。
イヴァン皇子にどのような心境の変化があったのかは知らないが、マクシミリアン皇子は追いやられながらも長年準備をしていたらしい。
あっさりと反乱は成し遂げられ、新皇帝が即位することになった。
そして、花々が咲き誇る春、ポートレット帝国から皇帝マクシミリアンとイヴァン皇子が終戦協定を結ぶためにブルテンにやってくる。
「歓迎の、晩餐会ですか?」
「ああ。国王夫妻と王太子夫妻、それに公爵家が参加する。」
本当に上位の貴族のみの晩餐会の様だ。そこにブラッドリーの妻として参加しろということらしい。
「帝国の動向には目を光らせておきたいが、さすがにこれは妻帯しているのに一人で行くわけにはいかないからな。すまないが…。」
最近、ブラッドリーはエリーに素直に謝罪するようになっていた。以前の高慢な様子を思うとありえない変化だ。
「かしこまりました。用意しておきます。」
ーーーー
「妻のエリザベスです。」
「お初にお目にかかります。」
皇帝マクシミリアンとイヴァン皇子はともにプラチナブロンドに水色の目をしていた。マクシミリアンが線の細い優し気な雰囲気なのに対して、イヴァンはがっしりした体つきをしたエリーよりも年下と思われる青年だった。後に話をきいたところ、18歳らしい。
ブラッドリーの横でにこにこしながら、イヴァン皇子とフェイビアン王太子の会話に耳をそばだてる。
「イヴァン殿は捕虜の引き渡しの際に、海軍のポール・エバンズ少将と何やら話し込んでおられたが、何か失礼をしてしまっただろうか?」
終戦協定を結ぶにあたって、お互いに捕虜の交換を行った。帝国では二年前の海馬部隊を壊滅状態に追いやった戦闘の際に、海馬部隊の兵を数人捕虜にしていたらしい。
その引き渡しが今日、行われていたようだ。
「実は私も戦場に出ていたのです。」
皇子自らが戦場に?
「ブルテン軍を倒すべく、第一線の司令船に特攻をしかけ、その際の司令官がエバンズ少将だったのです。」
「…その時の帝国兵は皆戦死したか捕虜になったかだと聞きましたが?」
「確かに。自分は戦死したと思われていてもおかしくはないでしょう。深手を負ったまま遠くの海まで飛ばされてしまいましたから。
しかし、自分は昔から悪運が強いのです!幸いにも近くの帝国船に拾われて手当てを受けてなんとか回復しました!」
そう言ってイヴァン皇子は笑っているが、その直後には反乱に参加しているわけだから化け物じみた回復力だ。
「実は、私に深手を負わせたのは女性兵だったんだ。」
「ブルテンとエスパルには女性兵がいますが、”戦闘狂”とまで言われる皇子に深手を負わせるほどの手練れがいたのですね。」
エスメラルダも会話に参加する。
「いや、私も女性だと思って油断していました。その結果があのざまです。実はあの時の女性兵を探していまして。」
「…ほう。なぜですか?」
まさか、憎んでいるのだろうか。しかし、終戦協定を結んだブルテンの海軍兵に皇子が危害を加えたとなれば大問題だ。
「もちろん、求婚するのです!」
きゅうこん?球根?いや、求婚か?
「つらい治療も彼女の雄姿を思い出すことで乗り切れました!まさに彼女は私の女神なのです!」
いやいやいや、その怪我を負わせたのが彼女なんだよね?この皇子、戦闘狂でありながら実はマゾだったのかしら?
「それで、エバンズ少将に?」
「はい。あの時の女性兵について教えてほしいと。女性兵はそこそこの数がいるから誰のことかわからないと言われてしまいましたが。」
「どのような女性でいらしたの?」
もしかしたら皇子妃になるかもしれない。エスメラルダが脳内でどうするのがいいのかとぐるぐる考えているのがわかる。
「美しい女性でした。特に剣技が美しくて。」
「何か容姿の特徴は?」
「それが、色はしっかりと思い出せないのです。ですが、会えばすぐにわかります!それに左の頬に私のつけた傷があるはず!あの深さの傷なら跡が残っているでしょう!」
司令船に乗っていて、頬に傷を受けた女性兵…。その少将とやら、実は誰のことかわかっていたのではなかろうか。
「もしかしたらエスパルの兵であったかもしれませんね。」
「いや、あの船にはブルテン兵しかいなかった。」
イヴァン皇子はため息をついた。
「ブルテンと国交を結べれば見つけられるかもしれないと兄上は言っていたのに。なかなか難しく。」
…まさか、イヴァン皇子が皇帝マクシミリアンに与した理由って?いやいや、まさかそんな。
「この後はエスパルとヒューゲンを回りますが、夏にはこの海戦の立役者に褒賞を与える式典があるとか。自分は兄の代理で参加しますので、その時にまた探します。」
自国の軍をぼこぼこにした相手の顔を喜んで見に来るらしい。フェイビアン王太子は対応に困ったのかあいまいに笑っていた。
ーーーー
「皇帝は常識人という感じで安心したけれど、イヴァン皇子はちょっと私たちの物差しでは測れない人よね…。」
定例のお茶会でエスメラルダもあいまいに笑っていた。
「皇子が探している人物について把握されているのですか?」
「ええ。アーチボルト伯爵令嬢よ。」
「…あらまあ。」
「でも国防の要であるアーチボルト家の令嬢を、終戦したからと言って敵国に易々と渡すわけにはいかないでしょう?それで海軍の上官たちはのらりくらりと躱しているらしいの。」
終戦したといってもどちらかが一方的に勝ち、負けたというわけではない。つまり、明確な上下関係のないままに終戦に至っている。
また帝国が好戦的になる可能性もあるし、下手に手の内は明かせない。
アーチボルト嬢をポートレット帝国に嫁がせるというのはありえない話なのだ。
「アーチボルト伯爵令嬢にはさっさと婚約してもらう必要があるわね。」
「では、予定通りに旦那様と?」
「ええ。そうなると思うわ。」
ついにエリーの離縁するタイミングが来たようだ。
ポートレット帝国では皇帝グレゴリーによる独裁的な統治が行われていた。好戦的な人物で、国土を広げるために次々と近隣諸国を侵略している。
皇帝の好戦的な姿勢に異を唱えた第一皇子のマクシミリアンは皇太子の座を追いやられ、代わりに好戦的な第二皇子アレクセイが皇太子となった。戦闘狂の第三皇子イヴァンもそれを支持し、ポートレット帝国はもう止められない、とどの国も思っていた。
しかし、ここにきて、イヴァン皇子がマクシミリアン皇子に接触し、そちらに寝返った。皇帝がそのことに気づく前に素早く皇帝と皇太子を暗殺し、玉座を奪い取ったのだ。
イヴァン皇子にどのような心境の変化があったのかは知らないが、マクシミリアン皇子は追いやられながらも長年準備をしていたらしい。
あっさりと反乱は成し遂げられ、新皇帝が即位することになった。
そして、花々が咲き誇る春、ポートレット帝国から皇帝マクシミリアンとイヴァン皇子が終戦協定を結ぶためにブルテンにやってくる。
「歓迎の、晩餐会ですか?」
「ああ。国王夫妻と王太子夫妻、それに公爵家が参加する。」
本当に上位の貴族のみの晩餐会の様だ。そこにブラッドリーの妻として参加しろということらしい。
「帝国の動向には目を光らせておきたいが、さすがにこれは妻帯しているのに一人で行くわけにはいかないからな。すまないが…。」
最近、ブラッドリーはエリーに素直に謝罪するようになっていた。以前の高慢な様子を思うとありえない変化だ。
「かしこまりました。用意しておきます。」
ーーーー
「妻のエリザベスです。」
「お初にお目にかかります。」
皇帝マクシミリアンとイヴァン皇子はともにプラチナブロンドに水色の目をしていた。マクシミリアンが線の細い優し気な雰囲気なのに対して、イヴァンはがっしりした体つきをしたエリーよりも年下と思われる青年だった。後に話をきいたところ、18歳らしい。
ブラッドリーの横でにこにこしながら、イヴァン皇子とフェイビアン王太子の会話に耳をそばだてる。
「イヴァン殿は捕虜の引き渡しの際に、海軍のポール・エバンズ少将と何やら話し込んでおられたが、何か失礼をしてしまっただろうか?」
終戦協定を結ぶにあたって、お互いに捕虜の交換を行った。帝国では二年前の海馬部隊を壊滅状態に追いやった戦闘の際に、海馬部隊の兵を数人捕虜にしていたらしい。
その引き渡しが今日、行われていたようだ。
「実は私も戦場に出ていたのです。」
皇子自らが戦場に?
「ブルテン軍を倒すべく、第一線の司令船に特攻をしかけ、その際の司令官がエバンズ少将だったのです。」
「…その時の帝国兵は皆戦死したか捕虜になったかだと聞きましたが?」
「確かに。自分は戦死したと思われていてもおかしくはないでしょう。深手を負ったまま遠くの海まで飛ばされてしまいましたから。
しかし、自分は昔から悪運が強いのです!幸いにも近くの帝国船に拾われて手当てを受けてなんとか回復しました!」
そう言ってイヴァン皇子は笑っているが、その直後には反乱に参加しているわけだから化け物じみた回復力だ。
「実は、私に深手を負わせたのは女性兵だったんだ。」
「ブルテンとエスパルには女性兵がいますが、”戦闘狂”とまで言われる皇子に深手を負わせるほどの手練れがいたのですね。」
エスメラルダも会話に参加する。
「いや、私も女性だと思って油断していました。その結果があのざまです。実はあの時の女性兵を探していまして。」
「…ほう。なぜですか?」
まさか、憎んでいるのだろうか。しかし、終戦協定を結んだブルテンの海軍兵に皇子が危害を加えたとなれば大問題だ。
「もちろん、求婚するのです!」
きゅうこん?球根?いや、求婚か?
「つらい治療も彼女の雄姿を思い出すことで乗り切れました!まさに彼女は私の女神なのです!」
いやいやいや、その怪我を負わせたのが彼女なんだよね?この皇子、戦闘狂でありながら実はマゾだったのかしら?
「それで、エバンズ少将に?」
「はい。あの時の女性兵について教えてほしいと。女性兵はそこそこの数がいるから誰のことかわからないと言われてしまいましたが。」
「どのような女性でいらしたの?」
もしかしたら皇子妃になるかもしれない。エスメラルダが脳内でどうするのがいいのかとぐるぐる考えているのがわかる。
「美しい女性でした。特に剣技が美しくて。」
「何か容姿の特徴は?」
「それが、色はしっかりと思い出せないのです。ですが、会えばすぐにわかります!それに左の頬に私のつけた傷があるはず!あの深さの傷なら跡が残っているでしょう!」
司令船に乗っていて、頬に傷を受けた女性兵…。その少将とやら、実は誰のことかわかっていたのではなかろうか。
「もしかしたらエスパルの兵であったかもしれませんね。」
「いや、あの船にはブルテン兵しかいなかった。」
イヴァン皇子はため息をついた。
「ブルテンと国交を結べれば見つけられるかもしれないと兄上は言っていたのに。なかなか難しく。」
…まさか、イヴァン皇子が皇帝マクシミリアンに与した理由って?いやいや、まさかそんな。
「この後はエスパルとヒューゲンを回りますが、夏にはこの海戦の立役者に褒賞を与える式典があるとか。自分は兄の代理で参加しますので、その時にまた探します。」
自国の軍をぼこぼこにした相手の顔を喜んで見に来るらしい。フェイビアン王太子は対応に困ったのかあいまいに笑っていた。
ーーーー
「皇帝は常識人という感じで安心したけれど、イヴァン皇子はちょっと私たちの物差しでは測れない人よね…。」
定例のお茶会でエスメラルダもあいまいに笑っていた。
「皇子が探している人物について把握されているのですか?」
「ええ。アーチボルト伯爵令嬢よ。」
「…あらまあ。」
「でも国防の要であるアーチボルト家の令嬢を、終戦したからと言って敵国に易々と渡すわけにはいかないでしょう?それで海軍の上官たちはのらりくらりと躱しているらしいの。」
終戦したといってもどちらかが一方的に勝ち、負けたというわけではない。つまり、明確な上下関係のないままに終戦に至っている。
また帝国が好戦的になる可能性もあるし、下手に手の内は明かせない。
アーチボルト嬢をポートレット帝国に嫁がせるというのはありえない話なのだ。
「アーチボルト伯爵令嬢にはさっさと婚約してもらう必要があるわね。」
「では、予定通りに旦那様と?」
「ええ。そうなると思うわ。」
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