40 / 50
第40話 エルドラン要塞決戦準備
しおりを挟む
シンカ
エルドラン山には、世界中から人々が集まっていた・・・でも少ない、せいぜい10万人ってところだろうか。もうこれだけしか人間が残ってないということではなくて、ほとんどの人間は見捨てられたってことだろう。ワタシ達だって可能な限り人をかき集めたけれど5000人を下回るくらいだ。
それぞれにエルドランの牙と呼ばれる各堡塁に陣を張った。
エクセから逃げ出して来た人々が、鹵獲したエスツーを持ってきていた、エスツーにはアサルトライフル程度の火力では通用しない。
エスツーの構造はゴムのような新素材の外皮、アラミドの防弾外殻、その内部にまたゴム素材、その内部に機械が埋め込まれていた。とにかくやたらめったら頑丈だということははっきりした、確かにこれじゃバルカン砲か徹甲弾でも打ち込まない限りぶっ壊せそうにない。
機械は非常にシンプルで明らかに大量に複製することを優先している構造をしていた。肝心の回路とプログラムはまったく見たことも聞いたこともないシンタックスと文法構造を持った未知の言語で記述されていて短時間では到底解読不能だ。
そしてこいつは驚くべきことに通信機能を持ってなかった、本当に動いてる者、熱を持っているものを無差別に攻撃するだけなんだ。でもやっぱり何か止める方法があるはずだ、そうでなければ、やがてディヴァインランドの人間だってこれに殺されてしまうじゃないか・・・、もう殺されてしまったのではないか?と思うとゾッとした、世界を道連れにするつもりか?
災厄の白き炎、燎原の野の放たれ・・・
ワタシ達はコトバを失ってしまった、こんなのに勝てるんだろうか・・・
nano「つまり携行銃程度ではストッピングパワーにもならないしゴムが電磁波とかを吸収するから、回路を焼き切ることも困難、電磁波兵器も効かない、もちろん刀でぶった切るなども問題外、レーザー、チェーンソーもゴム素材にはかかりが悪いから駄目。海も泳げるくらい水にも強い。
ならば取るべき作戦は一つ、沿岸の軍艦はありったけ徹甲弾で牽制したあと自爆して少しでも数を減らす、第三外壁はすべてケロシンで燃やしてファイアーウォールを作り第2外壁の星型堡塁の各銃座に攻撃型ヘリからぶんどってきたバルカン砲を二機ずつ設置、十字砲火で牽制しつつ、ギアは遊撃軍としてハンマー装備でエスツーをぶっ叩く、これで決まりね。人型ギアの乗り手は何人いる?」
nanoがペロキャンを舐めながらスラスラと作戦を建てた。
エクスからの脱出者「・・・あの、この人は何者ですか?モルトケ将軍の生まれ変わりかなにかですか?」
nano「言いたくないけど仕方あるまい、ワタシが幻のプレイヤーnanoちゃんだよ」
集まっていた人間が、うぉうわ~~~!!!と波を起こした。場の雰囲気が一変してワイワイと胴上げが始まりそうな雰囲気だ、もう勝ったとでも言わんばかり。ギアのワールドチャンプのタイトルは一国の王族などよりも重要なタイトルらしい。そうか、こういう反応をしなきゃいけなかったのか。
nano「はしゃいでる場合じゃないよ、一秒も無駄にしないで準備にかかれ、あと化学が得意な人たちを集めてこのゴムの素材を硬質化出来ないか色々試して、衝撃に弱くなるように」
シンカ「・・すごいね、なんなのその指揮能力」
nano「あのねぇ、ゲーマーってのはΩだけやってるだけじゃないのよ、RTSから海戦ゲーム、ボードゲーム一通りはこなしている。
歴史上のすべての戦場もファンタジーの戦場も、宇宙戦争みたいなSFの戦争も一回は顔出してるんだから、エルドラン要塞の籠城戦なんて十八番よ。
前線で暴れるだけの脳筋プレイじゃ戦争は勝てないことくらいわかりきってる、アホはゲーマーにはなれんよ。シンカは化学部の統率、コタンは非戦闘員を中央内部殻に誘導して、はいさっさと動く!
はい、ギアのプレイヤーは集まってください!この作戦の肝はバルカンの機銃にある、エイムが得意な人間から順番に配置するよ・・・」
nano指揮官のもとに着々と決戦準備が整えられていった・・・、エスツーの外皮のゴムは、王水で弱体化出来ることがわかり、第三外殻の外に王水の放水車を配置して、いざござんなれ、と決戦準備は整った。
エルドラン山には、世界中から人々が集まっていた・・・でも少ない、せいぜい10万人ってところだろうか。もうこれだけしか人間が残ってないということではなくて、ほとんどの人間は見捨てられたってことだろう。ワタシ達だって可能な限り人をかき集めたけれど5000人を下回るくらいだ。
それぞれにエルドランの牙と呼ばれる各堡塁に陣を張った。
エクセから逃げ出して来た人々が、鹵獲したエスツーを持ってきていた、エスツーにはアサルトライフル程度の火力では通用しない。
エスツーの構造はゴムのような新素材の外皮、アラミドの防弾外殻、その内部にまたゴム素材、その内部に機械が埋め込まれていた。とにかくやたらめったら頑丈だということははっきりした、確かにこれじゃバルカン砲か徹甲弾でも打ち込まない限りぶっ壊せそうにない。
機械は非常にシンプルで明らかに大量に複製することを優先している構造をしていた。肝心の回路とプログラムはまったく見たことも聞いたこともないシンタックスと文法構造を持った未知の言語で記述されていて短時間では到底解読不能だ。
そしてこいつは驚くべきことに通信機能を持ってなかった、本当に動いてる者、熱を持っているものを無差別に攻撃するだけなんだ。でもやっぱり何か止める方法があるはずだ、そうでなければ、やがてディヴァインランドの人間だってこれに殺されてしまうじゃないか・・・、もう殺されてしまったのではないか?と思うとゾッとした、世界を道連れにするつもりか?
災厄の白き炎、燎原の野の放たれ・・・
ワタシ達はコトバを失ってしまった、こんなのに勝てるんだろうか・・・
nano「つまり携行銃程度ではストッピングパワーにもならないしゴムが電磁波とかを吸収するから、回路を焼き切ることも困難、電磁波兵器も効かない、もちろん刀でぶった切るなども問題外、レーザー、チェーンソーもゴム素材にはかかりが悪いから駄目。海も泳げるくらい水にも強い。
ならば取るべき作戦は一つ、沿岸の軍艦はありったけ徹甲弾で牽制したあと自爆して少しでも数を減らす、第三外壁はすべてケロシンで燃やしてファイアーウォールを作り第2外壁の星型堡塁の各銃座に攻撃型ヘリからぶんどってきたバルカン砲を二機ずつ設置、十字砲火で牽制しつつ、ギアは遊撃軍としてハンマー装備でエスツーをぶっ叩く、これで決まりね。人型ギアの乗り手は何人いる?」
nanoがペロキャンを舐めながらスラスラと作戦を建てた。
エクスからの脱出者「・・・あの、この人は何者ですか?モルトケ将軍の生まれ変わりかなにかですか?」
nano「言いたくないけど仕方あるまい、ワタシが幻のプレイヤーnanoちゃんだよ」
集まっていた人間が、うぉうわ~~~!!!と波を起こした。場の雰囲気が一変してワイワイと胴上げが始まりそうな雰囲気だ、もう勝ったとでも言わんばかり。ギアのワールドチャンプのタイトルは一国の王族などよりも重要なタイトルらしい。そうか、こういう反応をしなきゃいけなかったのか。
nano「はしゃいでる場合じゃないよ、一秒も無駄にしないで準備にかかれ、あと化学が得意な人たちを集めてこのゴムの素材を硬質化出来ないか色々試して、衝撃に弱くなるように」
シンカ「・・すごいね、なんなのその指揮能力」
nano「あのねぇ、ゲーマーってのはΩだけやってるだけじゃないのよ、RTSから海戦ゲーム、ボードゲーム一通りはこなしている。
歴史上のすべての戦場もファンタジーの戦場も、宇宙戦争みたいなSFの戦争も一回は顔出してるんだから、エルドラン要塞の籠城戦なんて十八番よ。
前線で暴れるだけの脳筋プレイじゃ戦争は勝てないことくらいわかりきってる、アホはゲーマーにはなれんよ。シンカは化学部の統率、コタンは非戦闘員を中央内部殻に誘導して、はいさっさと動く!
はい、ギアのプレイヤーは集まってください!この作戦の肝はバルカンの機銃にある、エイムが得意な人間から順番に配置するよ・・・」
nano指揮官のもとに着々と決戦準備が整えられていった・・・、エスツーの外皮のゴムは、王水で弱体化出来ることがわかり、第三外殻の外に王水の放水車を配置して、いざござんなれ、と決戦準備は整った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売しています!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる