Varth統一戦史

SummerSky

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第29話 レムVSアルカ

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エクセ

アルカ「なんでエクセのフリをしてるんだ、誰だオマエは、レムニスケートか・・・エクセは死んだんだぞ!」
エクセ「さて誰でしょうね、アルカ、なんでインペリアにつくんだ?約束はどうなった?」
アルカ「あんなものはガキの戯言だ、世界管理機構?誰がそんなもの支持するものか、オレはただのDARCの兵器だ、オマエをぶっ壊す」
エクセ「悲しいことだね、僕らは結局同士討ちばっかりしてるな」

ユミ 

 戦ってるフリをしながらエクセに近づいて来たけれどなんかとんでもなく面白いことになっとるやないの。エクセも敵のサイクロイドと交戦状態に入ってる、赤い髪の、なにやらごちゃごちゃしゃべっていた、顔見知りなんだろうか?そしてとんでもなくハイレベルの攻防が繰り広げられていた、なにこれ、やば・・・、ワタシはこの二人の戦いに邪魔が入らないように当たりの戦車とかをぶっ壊しつつ戦況を見守る。
 すごい、エクセがすごいのは知っていたけれどあの赤髪もやる、けどやや劣勢かもしれない、それぐらいエクセはすごい、なんじゃこいつ。でもわかった、このヒトはソアラじゃない、スタイルがまったく異なる、感情の欠片も無い、相手のサイクロイドよりも機械的な動きだ、下手したらエアレスよりも強い。
 こんな人間がこの世にまだ隠れていたとは、ゾクゾクする・・・反対に赤髪のサイクロイドは感情をぶちまけて戦うタイプだ、テクニックでは完全に劣勢だけれど気合で持ちこたえている、サイクロイドのほうがギアよりも気合が乗りやすいみたいだ、そして通信遅延のアドがやっぱりある、とにかくすごい戦いだ、ずっと見ていたい、エクセのムーブを研究するためにも赤髪君なるべく頑張って耐え忍んでくれ!

クン・ハ
 
 これが戦場というものなのか、まるで夢の中にいるようだ。すべてがモヤがかかっていて、時間の流れ方がおかしい、すべてがスローになったり早回しになったり。轟音がでかすぎて、逆になにも聞こえない非常に静かな空間だ。
 じぃさんはこんな戦場を何十回もくぐりぬけて行ったのか、たしかに軍神と崇められても不思議じゃない、ここで必要なのは天運だけだ、選ばれた人間だけが生き残る、さっき隣にいた人間が数秒後に粉々になっている、誰もが熱に浮かされていてまともに照準をかまえている人間など誰もいない、とりあえず盲滅法に撃ちまくっているだけだ。何も見えず、何も聞こえない。
 戦場、この場所だけがこの世界で意味のある空間だ、戦争だけがこの世界で意味のある行為だ、今まで生きてきた他のすべての出来事などクソみたいなものだ、セックスの快楽など戦争の快楽の前には無に等しい、戦争は快楽だ、そうでなければ人間が何千年も続けて来れるはずがない、人間は快楽以外の行為を続けることが出来ない、ここにすべてがある。この時のためだけにすべての人間は生かされていたのだ。
 愚か者どもはまだ理解しないだろう、Saintの狙いを。
 この戦争はセカイをすべて燃やすまで、人類をすべて破滅させるまで終わることはない。それを核ミサイルや大量破壊兵器による虚しい終わりではなく、人の手による華々しい終わりにするためにこの舞台を用意してくれたのだ。愚劣な豚ではなく、雄々しい勇者としての死に場所を与えてくれたのだ。
 戦争する以外に、このセカイにはすることなどなにもない、セカイは無意味でからっぽだ、セカイには何も無いのだ。何もしなくても老いぼれて死ぬだけなのだ。戦わねば、老いと病に延々と苦しめられるだけなのだ。
 だからこそ、英雄として気高く誇り高く、死を恐れずに、戦って死なねばならぬ、誇りを持たないで、生きる意味などない。
 誇りとはつまり、自分を愛するための理由なのだから。

クン・ハ「突撃!突撃だ!まっすぐ突っ切れ!」

とにかく走り出したくてたまらない、足が勝手に走っているのだ、いつまでもいつまでも走っていられそうだ、この光の中へ。
 すべてが光に包まれ、燃え尽きる、願わくばこの光がすべてを焼き尽くしてくれることを願う・・・


エクセ
ネル「ローグの部隊全滅しました、総員撤退してください」
エクセ「そうか、アルカ時間切れみたいだ、ボクにはキミを殺す理由もないしね」
アルカ「待て逃げるな!レム!オマエの目的はなんだ!?」
エクセ「ボクの目的はずっと変わっていない、すべての国家を滅ぼし、世界に安定と平和をもたらす」
アルカ「ふざけるな!じゃあこれは何のための戦いだ?」
エクセ「死に場所を与えてるのさ」


クードリオン

伝令「ローグ艦隊全滅しました、我が軍の勝利です!」
クードリオン「浮かれるなバカモノめ、あんな雑魚ども初めから敵ではない、Saintの木偶人形どもはこんどはここを襲ってくる、首都防衛にすべての兵力を集中しろ、ミネルヴァ、サイクロイド部隊は増やせないのか」
ミネルヴァ「サイクロイドは適正が必要なんですよ、大量生産には時間がかかります、お祖父様みたいな不屈の闘志を持つ人間がいれば理想なんですけど・・、お祖父様もサイクロイドになりますか?」
クードリオン「出来るのならもっと早く言え!時間を無駄にするな!」
ミネルヴァ「浮かれちゃって、緊急オペの準備をして、βテスト段階のパーツも全部ぶちこむわ。
 でもあの金髪のギア、強すぎるわね、エアレスと死神でも手一杯なのに困ったわ、パルミナはやられちゃったし、やっぱりコピーじゃオリジナルには勝てないか・・・わざとやられたようにも見えたけどね、あの子変態だから・・・」
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