Varth統一戦史

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第11話   Saint Order

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ユミ・クロラル


 Saintには幹部的な存在として、Order、がいる。殉教者島という島の出身者で占められていて年齢順に番号がついてる。ワタシはもちろん島の出身じゃないけどワールドチャンプとして、准Orderみたいな扱いにしてもらった。
 
内訳は

A エース、つまり司令官はレムニスケート、みんなはレムって呼んでいるけど司令を送るだけで誰もその姿を見せたことが無いらしい、まぁ当然っちゃ当然かもしんない。世界を革命しようっていう首謀者なのだ、所在などが漏れてちゃだめなんだろう。

Ⅱ 我らの大将はエクセ将軍、クソ真面目らしい。全然しゃべらない。いっつもマスクをつけていて顔はよくわからんけども金髪のイケメンである。GEARの実力もピカイチ。エアレスと唯一対等にわたりあえると思うあるいはそれ以上かもしれない、本気を出してるところを見たことないけど、細かな動作でそのレベルの高さがわかる、ワタシも戦ってみたい

Ⅲ は行方不明らしい、死んだのだろうたぶん

Ⅳ レーゼさんはSaintの社長、金髪でメガネで巨乳でエロい。社長とは言うもののようするに面倒な仕事は全部レーゼさんがやることになってるみたい。ワタシにイニシエーションをやったり色々教えてくれたのもレーゼさん。ただ怒らせたらとんでもない地雷なんだろうなと女の勘が教えてくれる、この人に逆らったらこの組織にはいられない

Ⅴ の人も若くして死んだって聞いた。

Ⅵ ロミヲさんは、頭良さそうな黒人、この人も真面目だけど、大将みたいに人を寄せ付けないって感じではなくてフレンドリーで明るい、でも知性がにじみ出てるって感じ。ロジスティクス担当でGEARのオペレーションはしない

Ⅶ が「エアレス」ことソアラ。「エアレス」というのはソアラが使っているGEARにつけられたあだ名で、いわゆるスラッシャータイプのGEARである。可能な限り装備を少なくして軽くし、エアダッシュで一気に接近、高火力の一撃必殺武器であるレーザーブレードを至近距離でぶっぱして勝つ、というスタイル。
 「エアレス」っていうのはその空中動作があまりにも華麗だったのでついた「まるで重力がないかのように動く」という意味のあだ名。エアレスがこのスタイルで勝ちまくったので、エアレスみたいなスラッシャースタイルが「標準タイプ」とも言われる。ただ実際やってみるとエアレスみたいに空中で回避するのはめちゃくそむずい。
 けれどやっぱり防御、よりも回避、のほうが強いのだ。武器の威力、というのは時代とともにハイパーインフレを起こしているけれど、武器の命中精度、のインフレ率は緩い。核ミサイルを防御しようとしたら装甲がいくらあっても足りない、けれど当たらなければ、ダメージは0だ。エアレスに核ミサイルを当てるのなんて絶対に無理な話だ。ショットガンでもほとんど当たらないのだから

Ⅷ も鬼籍に入っているようだ

Ⅸ イズナさんはメカニック担当、ワタシと同じローランの出身で年も近いので一番親しみやすい、性格はサバサバしてる職人気質。スリル狂なので、GEARを操作しないで自分のカラダに装着出来るように改造して生身で出撃している。勝ち負けや命の危険よりも、スリルを楽しみたい、ガチエンジョイ勢。
 よく考えれば一番やばいやつなんだけれど、ワタシはすごく共感出来る、イズナさんとワタシは似てる、むやみに自分の命を危険にさらしてみたい、ひりつく緊張感を味わいたい、結果よりも楽しいかどうかを重視する、でもまだワタシは死ぬわけにはいかんのだ。

Ⅹ カナビス  ガッチリタイプの不良、典型的な脳筋だ。ぶっちゃけGEARの操作は下手っぴである、単調で直線的、GEARよりもなにか重機でも動かさせたほうがよい。でも顔はまぁまぁかっこいい。たぶんモテる、でもワタシはガッチリタイプは趣味じゃない、というより男にあまり興味が無い。

Ⅺ シャンブルズ  ワタシはこいつが大嫌いだ。このクソ野郎は第四回ワールドギアでワタシのギアだけにガンメタ(特定の相手にだけ有利になる装備をすること、つまり優勝目的じゃなくて、優勝候補を潰すことだけを目的としている)をしてきやがった。世界大会でガンメタをしてくるなんてまじでクズかよ。
 性格もとにかく人を殺すのが好き、という快楽殺人者で、人間としてもクズである。

Ⅻ エレノア。ネル、とみんなに呼ばれているオペレート担当の少年(少女?)。いっつも同じ服、白のロングシャツとニット帽をしているノームコアスタイル。遠目に見るとパンツを履いてないように見える。短いレギンスを履いてるようだ。
 男なのか女なのか未だにわからない。どっちかを聞いてみても何故か答えをはぐらかされる。トランスジェンダー的なあれなのかもしれず、思春期的な傷つきやすさもありそうなので突っ込んで聞くことが出来ない。

 そのほかに、基地の下層に100人ほど、トップランカーやプロゲーマーからかき集めた一般兵たちがいる。一応ワタシの部下ということになっている。
 トップランカーから集めた、というと精鋭っぽいけれど、ワタシに言わせれば、まぁまぁ、ってところだ。まだまだ生活の全部をGEARに投入するってことに至ってない。恋やセックスもしたいし、おいしいもの食べたい、遊んだりもしたい、っていう軟弱者達だ。こういう連中はワタシやソアラのレベルにあとちょっと努力すれば手が届く範囲にいると思ってるけれど、はっきりいって天と地、そこに無限の実力の差がある。nano、に会えるかと思ったけれどnanoはオファーを無視したらしい。nanoは、ワタシが密かにライバルと目をつけているプレイヤー、しかし一切情報が無い。この電脳の時代にここまで情報が流れないってことからも相当のツワモノだ。普通ならワールドギアで活躍でもしようもんならまわりのバカ家族やら親類、友達、などの低能がドロドロ個人情報を電脳に垂れ流すものだ。
 さらにその下に遠隔操作で南極基地からではなくて自宅とかからGEARを操作する下級兵士たちが1000人くらいいる。これはほとんど戦力として換算していない。ラジコンにマシンガンをくっつけただけの「ゲリ」を使っている。
 他に協力者みたいなのがいるけれど、この組織は全員合わせても1500人くらいしかいない。1500人で100億人いる世界のすべてと戦うつもりなんだ。阿呆すぎて逆に信頼出来る。

 ワタシのやることはゲームの潜入ミッションみたいなのとたいして変わらない、GEARを操作して何かを盗んだり誰かを殺したり、運んだり奪ったり。
 現実かどうかってだけ、むしろ現実、は簡単すぎて反吐が出るほど退屈だった。敵がめちゃくちゃ少ないし弱すぎる。こんな簡単に人を殺していいのか?って迷ってしまうやつが結構いる、そういうやつは兵士に適性0、すぐにクビだ。ワタシは本当に何も感じない、何も感じなさ過ぎてちょっとビビったくらいだ。罪悪感で夜眠れないってこともなくグーグー寝ている。めっちゃ寝るやん、って自分がツッコミたくなる。
 
 初めての大規模作戦「Slow Diver Down」にはワクワクしていた。ついにあのソアラと一緒に戦える!ソアラはずっと南極基地を留守にしていた、初めて会える・・・
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