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一章
3話 久しぶりの街
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屋敷の外に出た3人はアルの魔法によって街に転移する。いつも転移場所は町の誰も通らない裏路地だった。
ノアは主人のお手を煩わせるのが嫌で馬車を出しますと毎度のように言うが、アルフレッドは時間がかかるし車酔いするからと自分の意見をいつも通している。
ノアとギルの2人はお互い1属性だけ魔法を使うことが出来る。ノアが水系で、ギルが炎系の属性を持っていた。2人に魔法の使い方を教えたのはアルフレッド自身で、2人が自分の系統の上級魔法まで使えるようになった時には、吸血鬼なので体温は変わらないが、屋敷の中の温度を半年区分で一定に保っていた。
ーー魔法が衰退し、忘れ去られたこの世界では魔法が使えないのではなく、皆魔法の素質を持っているが、使い方を知らないのだ。アルフレッドのように全属性を持ち、その全ての属性魔法と、混合魔法をマスターしている吸血鬼は、人間はもちろん、魔人の中にもいない。アルフレッドと同じく、今では伝説上の魔物が生きていた時代から存在し続けているアルフレッド他3人の吸血鬼も全属性の適性はなく、2系統が最高だった。そのため、アルフレッドは同程度の他3人の吸血鬼を近接戦闘を除き、1人で牽制できるほどの力があった。
因みに生きた年数がそのまま能力に反映される魔人は、現在魔人の誕生の時から存在している4大魔人と呼ばれるアルフレッドを含めた計4人が最古の魔人である。しかし、この4人全員魔人の始祖ではなく、他の魔人に噛まれたことでヴァンパイア化し、のちに吸血鬼となった。始祖の存在は有耶無耶となり、今となっては生死も分からなくなっている。
ーー人通りのない裏路地を抜け、3人は大通りに出る。あちらこちらで野菜や果物、肉や、雑貨などが売られており、人々の交わす話し声で賑わっていた。
「おぉ~、昼前から賑わっているね。」
「本日はいつもより人が多いですね。昼食はお屋敷で食事をお取りになられますか?」
「いや、ギルのオススメのお店に行くと約束したんだ。ノアも行くよね?」
アルフレッドの後ろでギルがノアに満面の笑みを見せびらかす。
「本来であればものすごく…、グッ……行きたい…所なのですが…昼ごろには所用がありまして、ギルとお食べになってください。」
(クソッ…なんだあのアホ面は…ギルだけ残すなんて不安すぎる…。こんな時に限ってなんで俺はアルフレッド様の衣服の受け取りを昼にするんだ…クソッ…、)
「そっか、、いつもありがとうね。持ち帰りができるようならノアの分も買っておくから。」
「ありがとうございます、アルフレッド様。」
それから昼までは3人で行動し、本屋と雑貨屋を見て回る。その間ギルはちょくちょく離れては串肉などの屋台の食べ物を大量に買い漁り、パクパクと食べていた。
昔のギルは、その食事前の間食のせいでご飯が食べられないことが多々あったが、今ではいくら食べてもちゃんとご飯も食べることができるようになっていた。まぁ、栄養になるわけではないから太る心配もないし、そもそも太ることなんてないが、、まぁ、本人が構わないならそれで良いと今では好きにさせている。
昼時になり、ノアは所用に赴いた。
「アル様~、すぐそこなんで行きましょう。その店テラス席もあるんで気にいると思うっすよ。」
「へぇ~!それは嬉しいな、楽しみだね。」
ギルの言う通り、数分でついたお店は一目で人気なのだと分かるくらい賑わっていた。サラダやパンのお持ち帰りはできるようなので気に入ったものをノアにも買っていこうと思う。
「ギル、ノアにお土産を買いたいから列に並ぼう。」
「アル様、この店は席につきながら持ち帰りの注文もできますから、ひとまずは後にして早く入りましょ。予約してあるしすぐに入れますよ。」
店員に案内してもらったテラス席は他の席との間隔も広いし、居心地のいい店だった。ギルはいつも通り、ステーキを頼み、アルフレッドは簡単なサンドイッチを頼んだ。
食事を終え、そろそろ店を後にしようとしていた時、アルフレッドの目線の先にある店の中から、女性の叫び声が上がる。
「イヤァァッ!!…離して!!」
周りにいた人も声に反応して何が起きているのか心配し、中を覗く。すると、体格の良い男たちが、中から若い女性の髪を掴み、引き摺りながら出てきた。
「お母さんッ!…イヤァァ!!助けて!!」
「あぁ…、娘を返してください!!」
2人のの顔には既に殴られた後だとわかるような血痕や腫れが見られた。男たちは下卑た顔でニヤニヤと笑いながら周りを見渡す。
「おいおい~、俺たちは見世もんじゃねぇんだよぉ!」
「文句あんなら名乗り出ろや!!無理だろうけどなぁ!」
「ほら!こっちこい、…手こずらせやがって、親が受けた恩は子が返すもんだろうが!!」
3人の男たちは首からタグを下げておりおそらくハンターなのだと分かった。ギルもとっくに異変に気づき、アルフレッドの目の前でかなりイラついてる様子が見て取れる。かく言うアルフレッドも、かなり怒っている。
「アルフレッド様、早く出ましょう、ここはうるさいですから。」
静かに微笑むギルが怖い。ギルが自分をアルフレッドと呼ぶときは大体怒っているときだ。それだけで、ギルがイライラしてるのがよく分かった。
「そうだね、とりあえず店から出ようか。」
そう言ってギルがお会計をして店を出るとアルフレッドの姿が見えなかった。
「んなっ!?…アル様!!?」
ノアは主人のお手を煩わせるのが嫌で馬車を出しますと毎度のように言うが、アルフレッドは時間がかかるし車酔いするからと自分の意見をいつも通している。
ノアとギルの2人はお互い1属性だけ魔法を使うことが出来る。ノアが水系で、ギルが炎系の属性を持っていた。2人に魔法の使い方を教えたのはアルフレッド自身で、2人が自分の系統の上級魔法まで使えるようになった時には、吸血鬼なので体温は変わらないが、屋敷の中の温度を半年区分で一定に保っていた。
ーー魔法が衰退し、忘れ去られたこの世界では魔法が使えないのではなく、皆魔法の素質を持っているが、使い方を知らないのだ。アルフレッドのように全属性を持ち、その全ての属性魔法と、混合魔法をマスターしている吸血鬼は、人間はもちろん、魔人の中にもいない。アルフレッドと同じく、今では伝説上の魔物が生きていた時代から存在し続けているアルフレッド他3人の吸血鬼も全属性の適性はなく、2系統が最高だった。そのため、アルフレッドは同程度の他3人の吸血鬼を近接戦闘を除き、1人で牽制できるほどの力があった。
因みに生きた年数がそのまま能力に反映される魔人は、現在魔人の誕生の時から存在している4大魔人と呼ばれるアルフレッドを含めた計4人が最古の魔人である。しかし、この4人全員魔人の始祖ではなく、他の魔人に噛まれたことでヴァンパイア化し、のちに吸血鬼となった。始祖の存在は有耶無耶となり、今となっては生死も分からなくなっている。
ーー人通りのない裏路地を抜け、3人は大通りに出る。あちらこちらで野菜や果物、肉や、雑貨などが売られており、人々の交わす話し声で賑わっていた。
「おぉ~、昼前から賑わっているね。」
「本日はいつもより人が多いですね。昼食はお屋敷で食事をお取りになられますか?」
「いや、ギルのオススメのお店に行くと約束したんだ。ノアも行くよね?」
アルフレッドの後ろでギルがノアに満面の笑みを見せびらかす。
「本来であればものすごく…、グッ……行きたい…所なのですが…昼ごろには所用がありまして、ギルとお食べになってください。」
(クソッ…なんだあのアホ面は…ギルだけ残すなんて不安すぎる…。こんな時に限ってなんで俺はアルフレッド様の衣服の受け取りを昼にするんだ…クソッ…、)
「そっか、、いつもありがとうね。持ち帰りができるようならノアの分も買っておくから。」
「ありがとうございます、アルフレッド様。」
それから昼までは3人で行動し、本屋と雑貨屋を見て回る。その間ギルはちょくちょく離れては串肉などの屋台の食べ物を大量に買い漁り、パクパクと食べていた。
昔のギルは、その食事前の間食のせいでご飯が食べられないことが多々あったが、今ではいくら食べてもちゃんとご飯も食べることができるようになっていた。まぁ、栄養になるわけではないから太る心配もないし、そもそも太ることなんてないが、、まぁ、本人が構わないならそれで良いと今では好きにさせている。
昼時になり、ノアは所用に赴いた。
「アル様~、すぐそこなんで行きましょう。その店テラス席もあるんで気にいると思うっすよ。」
「へぇ~!それは嬉しいな、楽しみだね。」
ギルの言う通り、数分でついたお店は一目で人気なのだと分かるくらい賑わっていた。サラダやパンのお持ち帰りはできるようなので気に入ったものをノアにも買っていこうと思う。
「ギル、ノアにお土産を買いたいから列に並ぼう。」
「アル様、この店は席につきながら持ち帰りの注文もできますから、ひとまずは後にして早く入りましょ。予約してあるしすぐに入れますよ。」
店員に案内してもらったテラス席は他の席との間隔も広いし、居心地のいい店だった。ギルはいつも通り、ステーキを頼み、アルフレッドは簡単なサンドイッチを頼んだ。
食事を終え、そろそろ店を後にしようとしていた時、アルフレッドの目線の先にある店の中から、女性の叫び声が上がる。
「イヤァァッ!!…離して!!」
周りにいた人も声に反応して何が起きているのか心配し、中を覗く。すると、体格の良い男たちが、中から若い女性の髪を掴み、引き摺りながら出てきた。
「お母さんッ!…イヤァァ!!助けて!!」
「あぁ…、娘を返してください!!」
2人のの顔には既に殴られた後だとわかるような血痕や腫れが見られた。男たちは下卑た顔でニヤニヤと笑いながら周りを見渡す。
「おいおい~、俺たちは見世もんじゃねぇんだよぉ!」
「文句あんなら名乗り出ろや!!無理だろうけどなぁ!」
「ほら!こっちこい、…手こずらせやがって、親が受けた恩は子が返すもんだろうが!!」
3人の男たちは首からタグを下げておりおそらくハンターなのだと分かった。ギルもとっくに異変に気づき、アルフレッドの目の前でかなりイラついてる様子が見て取れる。かく言うアルフレッドも、かなり怒っている。
「アルフレッド様、早く出ましょう、ここはうるさいですから。」
静かに微笑むギルが怖い。ギルが自分をアルフレッドと呼ぶときは大体怒っているときだ。それだけで、ギルがイライラしてるのがよく分かった。
「そうだね、とりあえず店から出ようか。」
そう言ってギルがお会計をして店を出るとアルフレッドの姿が見えなかった。
「んなっ!?…アル様!!?」
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