すみません、妻です

まんまるムーン

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 彼女はと言えば、またうちの事務所で働いてくれるようになった。

結婚は気に入った式場がなかなか抑えられないのと、彼女が俺たちが出会った季節に式を挙げたいというので、来年の春にしようという事になっている。

おふくろは今から大張り切りだ。

「麗子ちゃんはやっぱり洋装が似合うかしら? でも和装も捨てがたいわね!」

「お母さま! 十二単のレンタルもあるそうですっ!」

「素敵だわっ! じゃ、ミー君は当然、衣冠束帯ねっ!」

「そうなりますねっ! お母さまっ! 私、どうせやるなら完璧を目指したいです! 眉をそり落としてマロ眉にさせていただきますっ!」

「麗子ちゃん! 凄まじいプロ意識だわっ!」

おいおい、勝手に人を平安貴族にするな…

「忙しくなるわ~!」

おふくろは当の俺たちよりはしゃいでいる。

でも…おふくろのこんな嬉しそうな顔を見られてよかった。

少しは親孝行ってものが出来たかな?




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