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しおりを挟む「晴香…麗子ちゃんに就職しろだの結婚しろだの言ったのって、本当はあの子の事を心配してたんだろ?」
横にいた涼介が言った。
「するわけないでしょ。だいたい麗子はけっこうしぶといんだから! 涼介だって見たでしょ? あの汚いゴミ屋敷をたった一人で掃除したのよ! ほっといたって一人で生きていけるのよ、あの子は!」
「はいはい。そういう事にしとこうか、優しいお姉さん! でも…さすがに駅前でパフォーマンスはやりすぎだろ!」
「あれは…確かに悪かったなって思ってる…。いいの! 結婚式のご祝儀は弾んどくから!」
晴香は悪そうな顔で笑った。
ずっと止まったままだった彼女の時計の針が、またゆっくりと回り始めた。
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