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しおりを挟むこの哀れな姿を腹違いの姉は見ているのか?
いくら腹違いでも、あれだけ真摯に世話してくれた妹が可哀そうだとは思わないのか?
彼女はそんなことお構いなしにダンスを続けた。
後ろの方にスケートボードに乗っている男がこっちへ向かってきていた。
男は彼女を避けようとすると、気付かずにパフォーマンスをする彼女は、偶然同じ方向に回ってしまった。
スケートボードの男は彼女に激突して彼女は倒れた。
俺はとっさに彼女に駆け寄った。
「先生…」
ロボットは俺に向かって呟いた。
スケートボードの男は平謝りに去っていった。
「大丈夫?」
「平気です。」
俺はロボットを抱き起した。
「すみません。」
ロボットは深々と頭を下げた。
「先生、見に来てくれたんですね! 良かったら最後まで見ていってください。」
「えっ? まだやる気? もう十分だろ! 帰ろう!」
俺はロボットの手を引いた。
「帰れません! ちゃんと最後までしないと!」
彼女の意思は固く、それ以上言っても無理だと悟った。
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