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しおりを挟む「先生! ちょっと見てください。」
彼女が嬉しそうに俺を呼んだ。
風呂場を見てほしいそうだ。
このマンションの風呂場には窓が無く、入る前に脱衣所兼洗面所を経由するので、電気を消していたら真っ暗だ。
「点灯!」
彼女がスイッチを入れた。
何てことだ!
まるで新築のような風呂場が現れた!
「え!」
それ以上声が出ない。
何も無い風呂場を見るのは入居依頼だ。
それまでいけないと思いつつ、不用品やダンボールの空き箱などを捨てに行くのが面倒くさくて風呂場に積み上げていた。
変わり果てていく風呂場を見ないふりしていた。
目を瞑っていたんだ。
風呂場はみるみるゴミ溜めと化していた。
さすがに生ごみなどは捨てていないが、いつも閉めっぱなしで空気も淀んでいたしカビも生えていたのだろう、開けると、どことなく異臭めいた臭いもしていた。
それがどうだ!
浴槽も床も汚れ一つ無く、金属部分に至っては光り輝いている!
この子は魔法使いなのか???
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