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しおりを挟む「長谷川さん…ですか?」
この女性を俺は知らない。
何故俺の事を知っているのだ?
頭が混乱してきた。
「私、長谷川さんのお母さんからここに来るように言われていたんですけど…。この席も確か予約してるって…」
「えっ?」
ということは…
この彼女が俺の見合い相手?
じゃ、このリクルートスーツの子は誰なんだ!
「私…邪魔だったみたいですね。泣かせるような女性がいらっしゃるなんて知りませんでした。失礼します!」
ワンピースの女性は怒って帰っていった。
もともと付き合うつもりなんて無かったので、これ幸いとばかりに追いかけはしなかった。
「…追いかけなくて…オイッ…オイッ…いいんですか…オイッ…ウウウゥ…」
「いいんです…。もともと見合いなんて乗り気じゃなかったし…って…、君、誰なの? 俺、てっきり君が俺の見合い相手と思ってたんだけど!」
「え?」
「今朝、母から言われたんですよ。今日の四時にこのカフェで見合いしろって! 相手はここ、この席に座るからって!」
「私は…面接で来ました。今日の四時にこのカフェでって言われて…。税理士事務所の所長さんが面接してくださるはずだったんですけど…。」
「面接…どうりで…」
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