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6 全く性格の違う菜々子と夏子が入れ替わった! 会社は? 夫婦生活は? どうすればいいのよ~!
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しおりを挟む「ちょ、ちょっと! 何するんですか!」
「何って、お姫様を拉致するんだよ!」
尚之さんは悪そうな顔でニヤリと笑った。店内のお客さんたちはみんな私たちに釘付けになっている。恥ずかしい事この上ないっ!
「ちょっと、ちょっと、ちょっとーーー!」
尚之さんは私を車まで連れて行くと、助手席のドアを開けて私を乗せた。そして、運転席に回り込んだ。すると突然また車から出て、後ろのトランクを開けた。そして運転席のドアが開くなり、大きな花束が目の前に突き出された。
「君はこういうの、好きかと思って。」
尚之さんは照れてそう言った。私が夏子だった頃に言ったこと、覚えていてくれたんだ。
「私なんかの為に…これ持ってわざわざ東京から車飛ばして来てくれたんですか?」
「…うん。求婚しようと思って。」
「私とっ? だって…尚之さん、夏子とヨリが戻ったんじゃないんですか? あんなに嬉しそうに腕組んでたし…」
「…腕組んでた? …あぁ…そう言えば離婚届に判押して役所に持っていく時に、夏子が最後くらい夫婦らしいことしよって…って、見てたのっ?」
「ご、ごめんなさい! って、あ、あのっ! 離婚したんですかっ?」
「予定通りね。」
「何で? 今の夏子とだったら、上手くやっていけそうなのに!」
「ヨリ戻して欲しいの?」
「…そ、それは…」
「確かに夏子は以前とは変わった。もし何も無かったなら普通にこのまま夫婦でいられたかもしれないけど…俺、好きな人が出来ちゃったから無理なんだ…」
尚之さんは動揺している私にニヤリと笑った。
「君…俺に会いたくて、こんな遠くからはるばるやって来てくれたんだ。」
私の顔は益々真っ赤になった。
「悪いけど…君の気持ちはバレバレだから。」
「でも! もう私、夏子の外見じゃ無いんですよっ!」
「だから?」
「私の事、見てくださいよ! こんな私、とてもじゃないけど、尚之さんと釣り合う訳無いじゃないですか! 迷惑かけたくないんです!」
「どんな?」
「それは…その…」
「迷惑がかかるとしたら…、君が僕の前からいなくなることだよ…。俺、言っただろ? 君がマンションから出て行ってストーカーから襲われた時、俺、本当に怖かった。君を失うんじゃないかって、怖くて堪らなかった。人生でこんな怖い思いをしたのは初めてなんだ。だから、俺の事少しでも愛してるなら、もうこれ以上怖い思いさせないでよ…。それとも…俺の事、これっぽっちも愛していない訳?」
…無理だ。
…もう降参だ。完全降伏だ。
鈴原菜々子、これより武装解除いたします…。
「ん? 何? 武装解除って?」
やばい…私の悪い癖が。
また心の声が漏れてしまった…。
「菜々子。ずっと一緒にいよう!」
「は…はい…。」
私は涙と鼻水まみれの汚い顔で何度もうなずいた。
「誕生日の願いが叶った。」
「…あの時?」
「君が、俺の誕生日を祝ってくれた時、ロウソクを吹き消すとき願いをかけただろ?」
「…そう言えば、何か願い事してましたね。」
尚之さんは満面の笑みで私を抱きしめた。
「これが願い事だったんだ。」
私たちは笑顔で見つめあった。そして、せっかくいい雰囲気になった所にナビが割り込んできた。
「菜々子サン、尚之サン、誠ニ オメデトウゴザイマシタ!」
「ナビ~! あなたのせいでっ! ううん…あなたのおかげだね。本当にありがとう。」
「感謝シテ イタダケテ ワタクシ 感無量デ ゴザイマス! 思エバ 私ガ 開発サレテカラト イウモノ ナカナカ コウイウ風ニ 感謝ノ 言葉ヲ カケテクレル 方ナド… ッテ!!! オ二人トモ 私ノ 話、聞イテマスッ???」
ナビが何か叫び続けていた。
それも聞こえなくなるくらい、私たちは甘い甘いキスをした。
「オ二人ノ 人生ノ ドライブ ガ 良キ モノト ナリマスヨウニ!」
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