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6 全く性格の違う菜々子と夏子が入れ替わった! 会社は? 夫婦生活は? どうすればいいのよ~!
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しおりを挟むそれにしても菜々子のやつ、こんな面白い職場なのにつまんない仕事ばかりして、同僚からは馬鹿にされてて、一体何やってたのよ…。そんな事を考えていたら、社長が戻ってきた。顔が浮かない…。さては会長から却下されたか?
「…やっぱりダメだった。」
社長は肩を落とした。
「え? どうしてですか?」
若村は納得がいかない様子で社長に聞いた。
「金額が…折り合いつかなかった。確かに今回はデザインもいいし、そこは会長も認めてくれた。だけど、いくら光ヶ丘といえども、地方でこの値段は無理だって…そう言い捨てられたんだ。みんな、ごめん。あれだけ頑張ってくれたのに…。」
社長と若村は溜息をついて方を落とした。
「あんた! それで尻尾巻いて帰って来たの?」
「え?」
「ちょっとダメ出しくらったからって、何でそこで諦めんのよ!」
「鈴原さん! しょうがないよ。うちの会社は会長が絶対だし。それは分かってるでしょ? 会長は一度しか判断しない。いつもそうだよ。例外はない。」
若村は社長をかばって私に言った。
「じゃ、他の方面から攻めるしかないでしょ。若村! 車回してきて! さ、社長、休んでる暇無いよ!」
私たちは車に乗り込んだ。向かうは生産者の元だ。そこは隣の県との県境の山間だった。昔分校か何かだったような建物があって、奥がハーブ畑になっている。なんだか意外だった。こんな洒落た物を作っている夫婦だから、てっきりヨーロッパの田舎暮らしに憧れているような生活をしていると思っていたのだ。それが質素も質素! ヨーロッパのヨの字も見えてこない。飾り気も余裕も無く、必要最低限で暮らしているという感じが漂っている…。
車を止めると、私たちに気づいて夫婦がやって来た。彼らが生産者のようだ。社長は私と若村に山川夫婦を紹介してくれた。彼らは元々東京で会社員をしていたが、脱サラしてこちらに移り住んできたそうだ。
山川夫妻は私たちをリビングへ通してくれた。建物も分校感が漂っていたけど、中も分校時代に使っていた物を再利用しているようだった。窓から外の畑が見える。若い子たちが何人か作業していた。アルバイトでも雇っているのかな…。夫妻はキッチンへ行き、お茶やお菓子を用意してくれているようだった。社長は小声で私に聞いた。
「で、鈴原さん、山川さんに話って、何なの?」
「あぁ、それはですね…会長が値段の件で折り合いつけてくれないのだったら、生産者さんに原価を下げてもらおうと思って、その交渉に来たんです。」
「えっ! それは無理だよ!」
その話しもせずにいきなりここへ来てしまったから社長の驚きようは凄かった。そして頭ごなしに拒否された。でも社長が拒否するのおかしくない? 交渉は社長じゃなくて山川夫妻にするというのに。
「どうしてですか? どこだってしてることでしょ? 実際私もこっちの物価を考えたら少し高いんじゃないかと思ってたんですよ。」
「とにかくダメだよ! それは絶対にダメ!」
社長が叫んだ後ろから、夫妻がお茶とお菓子を持って来た。
「どうぞ。」
私は出されたお茶とお菓子を遠慮なくいただいた。
「美味しい! お茶は会社で飲ませてもらったことあるんですけど、お菓子は初めてです。すごく美味しいですね! こっちも売り出せそう!」
「そうですか? ありがとうございます。」
夫妻は微笑んだ。
「今日は何かあったんですか?」
山川さんの旦那さんが社長に聞いた。
「それは…。」
社長は言いにくそうに口を濁していた。
「会長がですね、値段が高すぎるって言うんですよ。そこで、どうですか? もう少し仕入れ値を下げさせていただければって思ってるんですけど…」
「鈴原さんっ!」
私が山川夫妻に率直に言うと、社長が横から叫んだ。
「値下げですか…」
山川夫妻は俯いた。
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