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5 赤い月が昇る頃、オッドアイの瞳は見つめている。トンネルの向こうに開かれた世界で私を待っているのは誰?

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「あのさ、さっきおまえらが来る前に倉田君が来たよ。」

「え? 何で? あいつが何で水谷のとこに来るんだ?」

「そんなこと…こっちだってわからないよ。倉田君ともそんなに話したこと無かったし。」

「あいつ、何か言ってた?」

「神崎の事を聞いてたよ。仲いいの、とか、あいつ今どこにいるか知らないか、とか…」

「魚は? 魚の事は聞かれてないよな?」

「聞かれてない。聞かれても言わないよ。言う義理も無いし。忙しいから帰ってくれるって言って追い払った。」

「ありがとう! さすが俺の友だ!」

「でもあいつ、何か言いたげが顔してた…。玄関から奥の方ジロジロ見てたし…。」

蒼と私は目を見合わせた。

倉田も魚の行方を追っているのかもしれない。

或いは、もしかするとこっちの世界に私が来ていることを知っているのかも…。

倉田って…いったい何者?

「魚はデリケートだから大事に運べよ! それと…」

水谷君は心配そうに私たちを見た。

「あんまり厄介な事に顔突っ込むなよ!」

「ありがとな! 今度飯でもおごるわ!」

「焼肉頼むわ!」
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