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5 赤い月が昇る頃、オッドアイの瞳は見つめている。トンネルの向こうに開かれた世界で私を待っているのは誰?
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しおりを挟む「いつかさ、そこに座っておにぎり食べようとした時さ、とんびが真子の手からおにぎりかっさらっていって、真子、私のおにぎり返せーって走って追いかけたんだ。」
「こっちの私もヌケてるね…。」
「私のおにぎりが飛んで行く~って、追いつくわけないのに追いかけて、その隙に置いていたチョコレートをカラスに取られた…。」
「…マヌケ過ぎる…」
「楽しかったな…」
神崎君は懐かしそうに笑った。
「向こうの世界の俺は、何で真子と付き合わないんだろ?」
「興味ないんじゃないの?」
「そんな事あるはずないよ。世界は違っていたとしても俺は俺なわけだし…俺は絶対真子が好きだよ!」
顔が真っ赤になった。
そんな目で真っすぐ見ないでと言いたくなる。
「真子も俺の事、大好きだったと思う。世界が違う真子さん、どう?」
「どう…って…」
「俺の事好きでしょ?」
「………うん。」
神崎君は私をぎゅっと抱きしめた。
「ずっと一緒にいられると思ってた…。俺…嫌だよ…真子と…ずっと一緒にいたいよ…」
「…蒼…」
神崎君は…蒼は…私にキスをした。
長く…悲しく…でも、別れを意味しなければならないキスだった…。
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