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5 赤い月が昇る頃、オッドアイの瞳は見つめている。トンネルの向こうに開かれた世界で私を待っているのは誰?

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 E月7日 惑星日4


 大学に入学して早くも一ヶ月。

サークルにも入ったし、友達もそこそこ出来た。

授業にも慣れ、バイトも決まった。

僕の大学生活は順調だった。

サークル仲間の女の子から付き合って欲しいと言われた事もある。

だけど断った。何故かと言うと、僕には気になる子がいたのだ。

あれはいつだっただろうか? 

入学してすぐだったと思う。

惑星日4の最後のクラス、そうこの時間。

僕は一目惚れした。

出席もとらなければテストは毎回もらうプリントからそのまま出るという楽勝授業のこのクラスは、いつも出席者がほとんどいない。

出席している生徒もプリントをもらいに来ているだけで、教授の話なんてほとんど聞いていない。

そんな中、彼女は目立っていた。

教室の後ろに一人でひっそりと授業を受けているだけなのに、そんな地味な風景なのに、僕にはそれがとても美しいと思った。

彼女が座って、教授の話に耳を傾け、プリントに書き込んでいる姿、ずっと見ていたいと思った。

僕はその日に、クラスが終わったその直後に、教室から出ようとしている彼女に声をかけ、そのまま告白した。

最初の告白は上手くいかなかった。

当時彼女には付き合っている男がいた。

だけど僕は諦めなかった。

無理だと思った。

だけど何度も何度も告白した。

ある日、彼女は付き合っていた男と別れてくれた。

そして僕と真子は付き合うようになった。

彼女は今日も僕の横で熱心に教授の話に耳を傾けている。

僕はと言えば、授業の後、彼女とどこに行こうか、何をしようか、そんな不埒な事しか考えていない。

僕と彼女の空間を埋めてるBGMのような教授の話はまだ続く。

いいさ、ゆっくりで。

いや、これくらいゆっくりの方が、きっといいんだ…。

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