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4 愛する妻、可愛い子供たち、パパは頑張るよ~! あれ? 僕は何がしたかったんだっけ? 自分を見失いそうになっていた僕の前に現れたのは…
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しおりを挟む「…特にね、この前髪と顔周りのカット、カズさんじゃなきゃダメなんですよ~! 地元で切ってた時は、絶対こんな感じにしてくれなかったもん!」
「ハハハ、穂香ちゃん、それは持ち上げすぎだよ~!」
「ほんとですよ~! 何て言うか、カズさん、絶対私に似合う髪にしてくれるじゃないですか! 写真見せてこんな感じにしてって言ったら、でもここは骨格が写真の人とちょっと違うから、こういう感じの方がいいんじゃないって、ちゃんとハッキリ言ってくれる! 覚えてます? 前に私がミステリアスな女を目指してた時、黒髪ストレートにしようとしたら、カズさん止めてくれたでしょ? 今思うと、そうしなくて良かったって思うの。やっぱり私は私らしくいるのが一番だって。だから…ほんとカズさんには安心して任せられるんだぁ~!」
「ありがとう! そう言ってもらえると、やる気が漲ってくるよ!」
来てくれるお客さん、みんな可愛くしてあげたい。
その子の魅力を最大限に引き出してあげたい。
だから、お客さんにそういう風に言ってもらえると生きがいを感じる!
穂香ちゃんは満足そうに上機嫌で帰って行った。
これから彼とウェディングドレスの試着に行くんだって。
若い人は羨ましいなぁ~。
って、僕も幸せ一杯なんだけどね。
「カズ~!」
入口のドアが開いた。
え、嘘!
「姉ちゃん! 日本に帰ってきてたの?」
「カズ~! 会いたかったよ~!」
姉は僕に抱き着いて再会を喜んだ。
周りのスタッフやお客さんたちは目を真ん丸にして時が止まったように姉に釘付けになった。
無理も無い。
今や彼女は世界で活躍するモデルなんだから。
僕は姉と話したい事がたくさんあった。
ちょうど今から遅い昼休みを取るところだ。
近所のカフェにでも一緒に行こうと思ったら、姉はみんなから囲まれてサインを求められたり一緒に写真を撮らせてくださいと頼まれたりで、僕は全く近づけなかった。
まあ、いいさ。
今晩、ヒカちゃんも一緒にゆっくり話をしよう。
僕の平安絵巻を!
終り
※ 第四章、これにて完結です。最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。
引き続き、第五章の連載を始めようと思っています。
お時間ありましたら是非お付き合いよろしくお願いいたします。^^
第五章では、いよいよ話の核心に迫っていきます。(まだ終わらないですけど…(;^_^A)
謎の中古車屋さんのお兄さんも登場して、ナビの秘密も少しだけ明らかになっていきます。
今後ともナビ共々よろしくお願いいたします。
まんまるムーン^^
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