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2 閉ざした気持ち。言えなかった言葉。叶わぬ想い。止まった時間が動き出すまで

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「来佳…」

「ん?」

「ごめんな。」

「…そんなこと言わないで」

「あー、俺、来佳と結婚したかったな! 結婚して子供作って、家族で旅行して…」

「治るよ! 弱気にならないで!」

「もう、無理だよ。わかるから…。」

「そんなことない!」

「いいんだ…。来佳、今までありがとう! それと…」

「何、隼人?」

「ごめん、来佳の為に言わなきゃならないんだろうけど…俺、言えないわ。ほんとガキだな…」

「そんなこと言わないで! 頑張ろう! 私ずっとついてるから。」

「ほんとにごめん…ごめんな…」



その夜、隼人は無くなった。

泣きじゃくる彼の母親。

立ち尽くしたまま静かに震えている父親。

私は二人をボーと見ていた。

感情は無かった。

彼の死を理解するまで感情が追い付いていなかった。

私は病室を出た。

彼の遺体と向き合えなかった。

神様、どうかこれは嘘だと言ってください。



うわあああああああああああああああああああああああああああああ!
うわあああああああああああああああああああああああああああああ!
うわあああああああああああああああああああああああああああああ!


叫び続けた。

止まらなかった。

どうかなりそう。

いっそ頭がおかしくなった方が楽だ。


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