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2 閉ざした気持ち。言えなかった言葉。叶わぬ想い。止まった時間が動き出すまで
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しおりを挟むもしや…と思ったら、案の定、私の感は当たった。
週末待ち合わせ場所に隼人と現れたのはシーナ君だった。
「来佳!」
隼人は私とシーナ君が知り合いだという事を知らない。
隼人はシーナ君に私の事をどう話しているのだろう?
そしてシーナ君は隼人の彼女が私だということを知っているのだろうか?
私と会ったことを話しているのだろうか?
「コイツ、すでに俺の親友と言っても過言ではない、椎名章宏。こっちは俺の彼女で高島来佳。ライカって名前、すごいだろ? 来佳の親父がカメラマニアでさ、娘に自分のカメラの名前付けたんだ。」
「こんにちは、来佳ちゃん。隼人の彼女さんなんだったら苗字で呼んだ方がいいかな…。」
「いいよ、そんなの気にしなくって。な、来佳!」
「う、うん。」
「じゃ、来佳ちゃん、よろしくね。」
シーナ君はニッコリ笑って言った。
まるで初対面のようなフリをしている。
入学前に私と会ったことは隼人には言ってないのだろう。
急にシーナ君との間に距離を感じた。
私は他人なんだと思った。
ずっとブログでコメントをやり取りしていたせいで、自分はシーナ君にとって特別なんだと勘違いしてしまっていた。
シーナ君にとって、私は仲のいい男友達の彼女にしか過ぎない。
胸の奥がモヤモヤした。
本心ではシーナ君に隼人の彼女だと知られたくなかった。
そんなことを思うなんて隼人に失礼だ。
私はなんと酷い人間なのだろう。
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