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しおりを挟む「ここに、何があるの?」
安藤は車を走らせながら旭を見た。
「ちょっと、確かめたいことがある。」
「それ終わったら、パフェ食べに行こうぜ! 果物屋がやってる店で、むちゃくちゃ旨い店あるんだ~。栗原、何パフェが好き?」
「私はぁ~、プリンパフェかぁ~、苺パフェかなぁ~。」
「さすが栗原、パフェの好みもかわいいなぁ~!」
凜はいつもの360度超絶スマイルをしてみせた。
もちろん類にではなく、バックミラーに見える安藤に。
安藤はバックミラーから伝わってくる殺人ビームのような凜のスマイルに鳥肌が立っていた。
…この女、戦国時代に生れていたら…天下を取ってたやも知れぬ…。
安藤は、生れてくる場所と時代を間違えた凜に、同情と哀れみの念を抱きつつ、バックミラー越しに見た。
凜は凜で、バックミラー越しに目があった安藤に
この男…、落ちるのは時間の問題…フッフッッフッ…フォッフォッフォッ!
と、根拠の無い自信に満ち溢れ、目からビームを出しながら悪そうな笑みを浮かべていた。。
旭はそんな怒涛の心理戦が行われている車内に気付いているのかいないのか、我関せずといった様子で、キュウリをボリボリ齧っていた。
旭の頭に皿があって、背中には甲羅がついて、全身が緑色になっている…安藤の目にはキュウリにかぶりつく旭がそう見えた。
ひぃぃぃ~!
目をこすって再び見ると、いつもの旭に戻っていた。
何なんだよまったく…。
俺、ほんとどうかしちゃったのか?
「なんでおまえキュウリなんか齧ってんだよ?」
「いくさ前の腹ごしらえ! 欲しかったらまだあるよ、いる?」
「いるかー!」
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