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22章 帰って来た塁の章
甘え
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重屋君が、デカい奴になってしまって、手も足も出ない状況だった。
オレ達は、パパを待って、身を潜めていた。
朱里ちゃんが言う。
船ごと燃やしてしまいましょ!
オレが答える。
船を燃やしても、デカい奴の力では、簡単に外に出られてしまうだろう。デカい奴が外に出てしまっては、余計に危険だろう。
村田さんが言う。
でも、今もう既に、外に出てしまっているんじゃない?
オレが答える。
船の扉は、しっかりと外から固定して来た。何もしなければ、気を違えた人と同じで、大人しく船の中をウロウロするだけだと思う。
加藤さんが言う。
あのデカい奴は、得体が知れないから、その予測はどうだろ。私が様子を見て来る。
オレは、加藤さんを止めた。
加藤さんが言う。
なんか、塁、弱気になってるよ。どうしたの?木林が目の前でやられたから?
オレは答える。
弱気とかじゃない。どうしていいのか分からないんだ。
加藤さんが止めるオレの手を振り払い、船に向かってしまった。
オレは、早く、パパが来ることを期待して、待った。
朱里ちゃんがオレに話しをして来た。
重屋君の事、自分も、重屋君のようになってしまうかもしれない事、今、朱里ちゃん自身が凄く怖いと言う事を。
谷川さんも、怯えていた。
もう、気を違えた人に恐怖する事もなくなった今、得体が知れない事態が発生して、オレも怖くなっていた。
優香さんの子供は、母親に何があったかも分からず、村田さんと一緒にいる。
オレは、朱里ちゃんに話した。
オレは、パパがいる事がわかった事で、もう戦わなくて済むのではと、甘えていた事を。
前なら、加藤さんが一人で出ていったら、何が何でも、加藤さんについて行ったのに、今は、戦うのが怖くなって、何も出来なくなってしまっていた事を。
目の前で、パパを信頼していた木林さんがやられた事で、自分もやられてしまうのではという恐怖を。
朱里ちゃんがオレを、優しく抱きしめてくれていた。
オレの、臆病になった気持ちなんかより、ずっと、朱里ちゃんの恐怖の方が辛いはずなのに。
オレは加藤さんを追いかけて、船に向かう事を決めた。
船に着くと加藤さんが見当たらない。
既に、一人で、中に入ってしまったのか、加藤さんが凄く心配になった。
オレも、船の中に入って様子を見る。
扉は壊れていないから、重屋君だった、デカい奴は、まだ外には出ていない。
加藤さんを探しながら、船の中をまわっている。
デカい奴がいた。
恐らく、木林さんだっただろう、遺体を食べていた。
加藤さんが、その部屋の影に隠れ、デカい奴の様子を見ていたのを見つけた。
オレは、加藤さんが、デカい奴に襲い掛かるのでは、と思い、急いで止めなければと慌ててしまっていた。
次の瞬間、デカい奴がオレがいる事に気付き、オレに向かって来た。
同時に、加藤さんが飛び出し、デカい奴に向かって、槍状の物を投げ付けた。
槍状の物は、デカい奴の胸に刺さったが、効いた様子もなく、オレに向かって来る。
加藤さんが叫ぶ。
塁!逃げて!
オレは、加藤さんの声を聞いた瞬間に、戦い方を思い出した。
デカい奴の足目掛けて、叩きつける。
デカい奴はビクともしない。
デカい奴をかわしながら、加藤さんのいる場所に行き、加藤さんに声をかける。
もう、大丈夫!何とかアイツを倒してみる!
加藤さんは言う。
無茶をしないで、私も試しにと思って、槍状の物で刺したけど、アイツには効いていない。松野さんが来るのを待とう。
オレが言う。
また、いつ現れるかも分からないヤバい奴だ。パパが居なくても、倒せるようにしなくちゃ!加藤さんは、船から出ていて、オレは絶対コイツを倒して、外に出る!
加藤さんは、心配そうな顔をしながら、頷いた。
オレは、そう言って、デカい奴にまた立ち向かった。
デカい奴は、動きが鈍く、先ずは、動きを止める為に足を狙って叩きつける。
何度も叩く内に、デカい奴が膝をついて倒れ込んだ。
空かさず、デカい奴の頭目掛けて叩きつけようとしたが、武器を掴まれてしまう。
オレは、デカい奴に刺さっている槍状の物を抜き、自分の武器を手放し、デカい奴の顔に槍状の物を突き刺した。
デカい奴がのたうちまわっている隙に、武器を拾い、デカい奴の頭目掛けて、叩きつけた。
オレは、デカい奴を倒した。
加藤さんも唖然としながら見ていた。
オレと加藤さんは、デカい奴と木林さんを船の外に運び出し、皆の所に船を取り戻した事を伝えに行った。
加藤さんがオレに言う。
おかえり。塁。
オレは、少し照れくさかった。
加藤さんのおかえりは、オレの臆病になった気持ちが無くなり、元のオレに戻った意味のおかえりだと、オレはすぐに気付いた。
皆の所に戻り、デカい奴を倒した事を伝えると、皆がさすが松野さんの息子だと感心していた。
何も分かっていなそうな、優香さんの娘は、ニコニコしていた。
オレは、その子をギュッと抱きしめた。
加藤さんがその姿を見て、本当に、松野さんみたい。と呟いていた。
皆で船に戻る。
船の中を綺麗に片付けて、パパ達が来るのを待っていた。
二日後、パパ達が船に辿り着いた。
明子さんは、久しぶりの我が家のように、はしゃぎ、子供達を連れて、船の中に入る。
パパは、不思議そうな顔をして、船を見上げていた。
その横で、ママが、パパに話していた。
もう、私達は、必要なさそうね。
パパが笑いながら言った。
あぁ、さすが俺の子達だ。
そう言って、船の外に出ている、デカい奴の遺体をパパが見つけた。
パパが言う。
これは、誰が倒したんだ?福山君か?
加藤さんが答える。
塁ですよ。もう、塁は松野さんそのものです。
パパが言う。
いよいよ、本当に、俺は必要ないかもな。歴と塁が居れば、皆何とかなる。
その言うとデカい奴の隣にあった遺体を見て、パパが言う。
木林か?木林でも、デカい奴にはかなわなかったのか。
加藤さんが言う。
彼は、塁を生かす為に戦ってくれた、自分を救ってくれた、松野さんに恩返しだって。
パパが言う。
恩返しなんていらないんだよ。木林ありがとう!
明子さんが、デカい奴の遺体を見て、急に歓喜から、悲しみに変わった。
明子さんは、そわそわしながら、パパの手を引いて、船の中に入って行った。
田山君が、朱里ちゃん、谷川さんの話しを聞いて、薬を打つことにした。
ただの気休めにしかならないかもしれないけれど、実際にママが治ったのを見ている二人には、希望となった。
翌日になると、皆久しぶりの平和を堪能していた。明子さんを除いて。
明子さんは、ずっと、落ち込んでいる様子だった。
落ち込んでいるだけではなく、怯えてもいた。
パパが、何があったか聞いても答えない。
その様子を見て、明子さんの子供達も不安になっていた。
優香さんの後を継いで、村田さんが、野菜作りをする。
パパとオレが釣りをする。
田村さんと谷川さんで掃除、洗濯をする。
ママと明子さんが料理をする。
朱里ちゃんは、他の男達と一緒に近くの安全を守る。
兄は、子供達と遊んでいる。
田山君は、ひたすら研究に没頭する。
船は凄く、賑やかになった。
この時は、まさかこんな事が起きるとはと思っていた。
とても、辛く、悲しく、絶望的な事が起きるとは。
22章終
オレ達は、パパを待って、身を潜めていた。
朱里ちゃんが言う。
船ごと燃やしてしまいましょ!
オレが答える。
船を燃やしても、デカい奴の力では、簡単に外に出られてしまうだろう。デカい奴が外に出てしまっては、余計に危険だろう。
村田さんが言う。
でも、今もう既に、外に出てしまっているんじゃない?
オレが答える。
船の扉は、しっかりと外から固定して来た。何もしなければ、気を違えた人と同じで、大人しく船の中をウロウロするだけだと思う。
加藤さんが言う。
あのデカい奴は、得体が知れないから、その予測はどうだろ。私が様子を見て来る。
オレは、加藤さんを止めた。
加藤さんが言う。
なんか、塁、弱気になってるよ。どうしたの?木林が目の前でやられたから?
オレは答える。
弱気とかじゃない。どうしていいのか分からないんだ。
加藤さんが止めるオレの手を振り払い、船に向かってしまった。
オレは、早く、パパが来ることを期待して、待った。
朱里ちゃんがオレに話しをして来た。
重屋君の事、自分も、重屋君のようになってしまうかもしれない事、今、朱里ちゃん自身が凄く怖いと言う事を。
谷川さんも、怯えていた。
もう、気を違えた人に恐怖する事もなくなった今、得体が知れない事態が発生して、オレも怖くなっていた。
優香さんの子供は、母親に何があったかも分からず、村田さんと一緒にいる。
オレは、朱里ちゃんに話した。
オレは、パパがいる事がわかった事で、もう戦わなくて済むのではと、甘えていた事を。
前なら、加藤さんが一人で出ていったら、何が何でも、加藤さんについて行ったのに、今は、戦うのが怖くなって、何も出来なくなってしまっていた事を。
目の前で、パパを信頼していた木林さんがやられた事で、自分もやられてしまうのではという恐怖を。
朱里ちゃんがオレを、優しく抱きしめてくれていた。
オレの、臆病になった気持ちなんかより、ずっと、朱里ちゃんの恐怖の方が辛いはずなのに。
オレは加藤さんを追いかけて、船に向かう事を決めた。
船に着くと加藤さんが見当たらない。
既に、一人で、中に入ってしまったのか、加藤さんが凄く心配になった。
オレも、船の中に入って様子を見る。
扉は壊れていないから、重屋君だった、デカい奴は、まだ外には出ていない。
加藤さんを探しながら、船の中をまわっている。
デカい奴がいた。
恐らく、木林さんだっただろう、遺体を食べていた。
加藤さんが、その部屋の影に隠れ、デカい奴の様子を見ていたのを見つけた。
オレは、加藤さんが、デカい奴に襲い掛かるのでは、と思い、急いで止めなければと慌ててしまっていた。
次の瞬間、デカい奴がオレがいる事に気付き、オレに向かって来た。
同時に、加藤さんが飛び出し、デカい奴に向かって、槍状の物を投げ付けた。
槍状の物は、デカい奴の胸に刺さったが、効いた様子もなく、オレに向かって来る。
加藤さんが叫ぶ。
塁!逃げて!
オレは、加藤さんの声を聞いた瞬間に、戦い方を思い出した。
デカい奴の足目掛けて、叩きつける。
デカい奴はビクともしない。
デカい奴をかわしながら、加藤さんのいる場所に行き、加藤さんに声をかける。
もう、大丈夫!何とかアイツを倒してみる!
加藤さんは言う。
無茶をしないで、私も試しにと思って、槍状の物で刺したけど、アイツには効いていない。松野さんが来るのを待とう。
オレが言う。
また、いつ現れるかも分からないヤバい奴だ。パパが居なくても、倒せるようにしなくちゃ!加藤さんは、船から出ていて、オレは絶対コイツを倒して、外に出る!
加藤さんは、心配そうな顔をしながら、頷いた。
オレは、そう言って、デカい奴にまた立ち向かった。
デカい奴は、動きが鈍く、先ずは、動きを止める為に足を狙って叩きつける。
何度も叩く内に、デカい奴が膝をついて倒れ込んだ。
空かさず、デカい奴の頭目掛けて叩きつけようとしたが、武器を掴まれてしまう。
オレは、デカい奴に刺さっている槍状の物を抜き、自分の武器を手放し、デカい奴の顔に槍状の物を突き刺した。
デカい奴がのたうちまわっている隙に、武器を拾い、デカい奴の頭目掛けて、叩きつけた。
オレは、デカい奴を倒した。
加藤さんも唖然としながら見ていた。
オレと加藤さんは、デカい奴と木林さんを船の外に運び出し、皆の所に船を取り戻した事を伝えに行った。
加藤さんがオレに言う。
おかえり。塁。
オレは、少し照れくさかった。
加藤さんのおかえりは、オレの臆病になった気持ちが無くなり、元のオレに戻った意味のおかえりだと、オレはすぐに気付いた。
皆の所に戻り、デカい奴を倒した事を伝えると、皆がさすが松野さんの息子だと感心していた。
何も分かっていなそうな、優香さんの娘は、ニコニコしていた。
オレは、その子をギュッと抱きしめた。
加藤さんがその姿を見て、本当に、松野さんみたい。と呟いていた。
皆で船に戻る。
船の中を綺麗に片付けて、パパ達が来るのを待っていた。
二日後、パパ達が船に辿り着いた。
明子さんは、久しぶりの我が家のように、はしゃぎ、子供達を連れて、船の中に入る。
パパは、不思議そうな顔をして、船を見上げていた。
その横で、ママが、パパに話していた。
もう、私達は、必要なさそうね。
パパが笑いながら言った。
あぁ、さすが俺の子達だ。
そう言って、船の外に出ている、デカい奴の遺体をパパが見つけた。
パパが言う。
これは、誰が倒したんだ?福山君か?
加藤さんが答える。
塁ですよ。もう、塁は松野さんそのものです。
パパが言う。
いよいよ、本当に、俺は必要ないかもな。歴と塁が居れば、皆何とかなる。
その言うとデカい奴の隣にあった遺体を見て、パパが言う。
木林か?木林でも、デカい奴にはかなわなかったのか。
加藤さんが言う。
彼は、塁を生かす為に戦ってくれた、自分を救ってくれた、松野さんに恩返しだって。
パパが言う。
恩返しなんていらないんだよ。木林ありがとう!
明子さんが、デカい奴の遺体を見て、急に歓喜から、悲しみに変わった。
明子さんは、そわそわしながら、パパの手を引いて、船の中に入って行った。
田山君が、朱里ちゃん、谷川さんの話しを聞いて、薬を打つことにした。
ただの気休めにしかならないかもしれないけれど、実際にママが治ったのを見ている二人には、希望となった。
翌日になると、皆久しぶりの平和を堪能していた。明子さんを除いて。
明子さんは、ずっと、落ち込んでいる様子だった。
落ち込んでいるだけではなく、怯えてもいた。
パパが、何があったか聞いても答えない。
その様子を見て、明子さんの子供達も不安になっていた。
優香さんの後を継いで、村田さんが、野菜作りをする。
パパとオレが釣りをする。
田村さんと谷川さんで掃除、洗濯をする。
ママと明子さんが料理をする。
朱里ちゃんは、他の男達と一緒に近くの安全を守る。
兄は、子供達と遊んでいる。
田山君は、ひたすら研究に没頭する。
船は凄く、賑やかになった。
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22章終
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