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はじめまして、私は宇佐美 爽香18歳この春高校を卒業したばかりのどこにでもいる女の子だよ。
生まれる前から決められていた許婚という強制的な婚約者との挙式直前、突然舞い込んできたのはその婚約者の事故死の報告とその事故原因。
挙式当日、本命の彼女と国外逃亡を図ったのは私の婚約者で夫になる予定だった枢木財閥の御曹司である枢木敬斗23歳。
彼との婚約は私の曾祖父である宇佐美グループの前会長と彼の曾祖父で枢木財閥の前会長である2人が決めた事だった。
「2人の子供、孫、ひ孫それ以降、歳近く産まれた男女の子同士を結婚させる」
なんて遺言を自身達の相続の条件に組込んだから、さぁ大変。
私たちの祖父や父の代では上手くお互いの家系にちょうど良い男女が生まれずにいた頃に産まれたのが敬斗さんと5歳年の離れた私だった。
ようやく産まれた私たちに両家は両手を上げて喜び、その結果私には生まれる前から婚約者が存在していた。
私たちが初めて出会ったのは私がちょうど5歳の誕生日を迎える頃。
桜の花が綺麗な枢木邸の庭だった。
何も知らず連れてこられた私は大人達がソワソワする中敬斗さんと引き合わされた。
枢木敬斗は10歳にしてすでにその美は完成された人だった。
某アイドル事務所のアイドルなんかに負けない美貌と枢木の後継としての教育が彼の容姿だけでなく、中身すら大人顔負けの人だった。
そんな綺麗な人を見慣れていない私が彼に惹かれるのは仕方のない事で……。
一目惚れをかました私は大人たちの思惑のまま彼と婚約者になってしまった。
それが私と敬斗さんの不幸のはじまりだった。
引き合わされた時から私は一方的に敬斗さんに嫌われていた。
なぜこんなに嫌われるのかわからなかったけど、子供だった私は婚約者という立場を利用して敬斗さんのそばに我が物顔で居たのは今ならわかるけれど悪手だったよなぁ。
それにしてもあの頃の私無知すぎて敬斗さんの気持ちなんか考えられなかったんだろうな。
少し経ってから私がどうして嫌われるのか原因が判明した。
敬斗さんは私と引き合わされる頃には既に自分の唯一がいた。そしてその相手は私の兄の婚約者である女性。
その彼女に横恋慕していたのだ。
だから親に決められた子供で好きでもない私との婚約を嫌がって遠ざけていたのだ。
今思えば酷い話よね。婚約者だった私を無視して他の女の尻を追いかけて、私と歩み寄ろうともしないなんて本当に最低よね。
結局、彼女の事が好きすぎる敬斗さんは兄から彼女を奪うと、邪魔だった婚約者である私にずっと婚約解消を迫っていた。
私はというと、幼い頃の初恋がどうしても捨てられないおバカさんでどうしても彼の願いを聞いてあげられなかった。
どんなに頼まれてもそれだけは承知出来なかった。
そしたらなんの事はない私と彼の結婚式だった当日、敬斗さんは私ではない女性と一緒に逃亡しようとしたプライベートジェットがエンジンの不良で墜落しそのまま帰らぬ人となってしまった。
その事を式場で聞いた私はショックで気を失ってしまったはずなんだけど……。
気がつけば18歳だった私は5歳の姿になっていた。
何が起こっているのかわからなかった私は大声で叫び怯えていると。
そんな震える私にやってきた少し若返った私付きのメイドから今の日にちを聞くと信じたくはなかったけれど、認めざるをえなかった。
その日時が今となっては因縁しかない私の婚約者になる枢木敬斗との対面をする日の3日前で今日は私の5歳の誕生日だったからだ。
私はどうやら逆行というものをしてしまったみたい。
生まれる前から決められていた許婚という強制的な婚約者との挙式直前、突然舞い込んできたのはその婚約者の事故死の報告とその事故原因。
挙式当日、本命の彼女と国外逃亡を図ったのは私の婚約者で夫になる予定だった枢木財閥の御曹司である枢木敬斗23歳。
彼との婚約は私の曾祖父である宇佐美グループの前会長と彼の曾祖父で枢木財閥の前会長である2人が決めた事だった。
「2人の子供、孫、ひ孫それ以降、歳近く産まれた男女の子同士を結婚させる」
なんて遺言を自身達の相続の条件に組込んだから、さぁ大変。
私たちの祖父や父の代では上手くお互いの家系にちょうど良い男女が生まれずにいた頃に産まれたのが敬斗さんと5歳年の離れた私だった。
ようやく産まれた私たちに両家は両手を上げて喜び、その結果私には生まれる前から婚約者が存在していた。
私たちが初めて出会ったのは私がちょうど5歳の誕生日を迎える頃。
桜の花が綺麗な枢木邸の庭だった。
何も知らず連れてこられた私は大人達がソワソワする中敬斗さんと引き合わされた。
枢木敬斗は10歳にしてすでにその美は完成された人だった。
某アイドル事務所のアイドルなんかに負けない美貌と枢木の後継としての教育が彼の容姿だけでなく、中身すら大人顔負けの人だった。
そんな綺麗な人を見慣れていない私が彼に惹かれるのは仕方のない事で……。
一目惚れをかました私は大人たちの思惑のまま彼と婚約者になってしまった。
それが私と敬斗さんの不幸のはじまりだった。
引き合わされた時から私は一方的に敬斗さんに嫌われていた。
なぜこんなに嫌われるのかわからなかったけど、子供だった私は婚約者という立場を利用して敬斗さんのそばに我が物顔で居たのは今ならわかるけれど悪手だったよなぁ。
それにしてもあの頃の私無知すぎて敬斗さんの気持ちなんか考えられなかったんだろうな。
少し経ってから私がどうして嫌われるのか原因が判明した。
敬斗さんは私と引き合わされる頃には既に自分の唯一がいた。そしてその相手は私の兄の婚約者である女性。
その彼女に横恋慕していたのだ。
だから親に決められた子供で好きでもない私との婚約を嫌がって遠ざけていたのだ。
今思えば酷い話よね。婚約者だった私を無視して他の女の尻を追いかけて、私と歩み寄ろうともしないなんて本当に最低よね。
結局、彼女の事が好きすぎる敬斗さんは兄から彼女を奪うと、邪魔だった婚約者である私にずっと婚約解消を迫っていた。
私はというと、幼い頃の初恋がどうしても捨てられないおバカさんでどうしても彼の願いを聞いてあげられなかった。
どんなに頼まれてもそれだけは承知出来なかった。
そしたらなんの事はない私と彼の結婚式だった当日、敬斗さんは私ではない女性と一緒に逃亡しようとしたプライベートジェットがエンジンの不良で墜落しそのまま帰らぬ人となってしまった。
その事を式場で聞いた私はショックで気を失ってしまったはずなんだけど……。
気がつけば18歳だった私は5歳の姿になっていた。
何が起こっているのかわからなかった私は大声で叫び怯えていると。
そんな震える私にやってきた少し若返った私付きのメイドから今の日にちを聞くと信じたくはなかったけれど、認めざるをえなかった。
その日時が今となっては因縁しかない私の婚約者になる枢木敬斗との対面をする日の3日前で今日は私の5歳の誕生日だったからだ。
私はどうやら逆行というものをしてしまったみたい。
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