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しおりを挟むあの運命のお茶会で婚約者にならないという任務を無事成功させ気が付けばなぜか二度目の人生を生きる事になった私、ユーリア・オクレール。オクレール公爵家の令嬢です。
一度目の人生は馬鹿な私がこの国の第一王子であるアーサー・バシュラールに一目惚れした私は、私の我儘とお父様や家の力をフルに使い無理矢理殿下の婚約者の座について殿下の愛を欲しがるばかりのやっかいな令嬢だった。
前の私は馬鹿だったけれど彼に愛されたいばかりに王妃教育も頑張ったし淑女としてのマナーや慈善活動にも励んだけれどそんな私の努力をひとっつも殿下は顧みてくれる事のなかった。
もともと私が望まれて婚約者になったのではないし、私だけの希望だってのはわかっていたけれど、頑張ればいつかは殿下が私の事を見てくれるなんて甘い夢を見ていたんだよね。でも現実はそう甘くはなかった。
この国の貴族学校に通うようになり殿下はご自分の運命に出会ってしまった。
身分は貴族としてギリギリの底辺男爵令嬢だった少女に彼の愛は全て奪われた。
正確にはもともと殿下の愛は私の物ではなかったけれど……いいじゃないちょっとぐらい盛っても。
どんなに悔しくても私は彼女を虐めたりなんて出来なかった。
公爵令嬢という誇りとガラスのハートと言われるぐらいメンタル弱弱な私は人を貶めるなんて出来るはずもなく、逆に私が男爵令嬢から嫌がらせを受けていたくらいよ。
正直、学園中の生徒が私が男爵令嬢から嫌がらせを受けているのを知っているぐらいに有名な話だったのに、殿下はあの子の話しか信じないという謎の解釈しかしない人だった。
事実、無駄に公爵令嬢という家柄とプライドだけが高い私は殿下と彼女が親密になる姿を指をくわえて見ている事しか出来ないいくじなしでしかなかった。
そんなどうにもならない現実を見てるだけの日々だったけれど、何をやっても私が意地でも殿下との婚約を解消しないものだから焦れた殿下が私に無実の罪を着せ捕縛し牢屋へ幽閉、最終的には処刑されてしまった。
誰も信じてくれなくて悔しくてどうしようもない人生を終了させたと思ったのに……何故か目覚めたら自分が縮んでいた。
それも私を恐怖のどん底へ陥れるだけのお茶会当日。正確には16歳だった私はあの日の6歳の姿になっていた。
驚いた私は内心恐慌状態に陥るも身体は6歳でも頭脳は16歳というアンバランスな人間だったけれど、精神年齢16歳が勝って思いの外落ち着いていた。
そこで私は自分が逆行?所謂人生のやり直しをしている事に気が付いた。
ここからはお察しの通り、私の死亡原因を作ったのちの王太子殿下との遭遇と私の方から懇願したはずの婚約話を、何故か今回は殿下からされた。
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お父様の執務室の前に立ちノックをする。
「誰だ?」
少しだけ疲れの混じった低いイケボで返事を返してくれるのは私のお父様。
「ユーリアです。少しお話があります」
「入れ」
その返事を待ち私はお父様の居る執務室へ入った。
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