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2章 1000回目の巻き戻りのはじまり
フローリア、外堀を破壊する
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ライアン殿下をツリーハウスに置き去りにすると、私は慌ててお茶会会場へ戻った。
お父様を見つけると私の顔を見てなんだか微妙な顔をしていた。
「どうかされたのですか?お父様」
「あぁ、フローリアかちょっと困った事になってな」
「なんですの困った事とは」
今までに見た事がないようなお父様の困惑顔に一体何があったのかと思っていると。
「まぁまぁ。挨拶を受けた時も思ったけれど、さすが侯爵の娘ねなんて可愛いのかしら」
私の背後から声を掛けて来たのは‥‥‥。
「お、王妃様?」
「やぁん、王妃様じゃなくてお母様と呼んでフローリアちゃん」
私の手を取るといきなり訳の分からない事を言ってくる王妃様。
「えっと……お父様どういう事ですの?」
「あーーーうーーーーすまんフローリア」
遂には涙目になったお父様がいまにも泣き出してしまいそうなくらい悲壮感を漂わせていた。
「ナイトレイ侯爵、フローリアちゃんに話してなかったの?ライアンの婚約者にならない?いやなりましょって」
は?
ライアン殿下が言っていたのは本当の事だったの?
何このお茶会自体茶番だったの?
「で、フローリアちゃんどうかしら?今までライアンと一緒だったのよね?ライアンったらフローリアちゃんじゃなきゃイヤだって言うのよ。わたくしも貴方がいいわ。貴方が生まれた時から狙っていたんだから」
フフフ。ととても良い笑顔で微笑んでくる王妃様。
えぇぇぇ。ちょっと本当にどうなっているの?
確かに今までの巻き戻り人生でもフローリアはライアン殿下に何度も見初められているけれど、お茶会前からってどういう事?
本当に訳がわからない。
でも私はこの人生でライアン殿下と婚約するわけにはいかない。
私は私を幸せにしたいのだ。
「王妃様発言を宜しいでしょうか?」
「許します。でもそんなにかしこまらなくてもいいわよ。」
「申し訳ありませんが、私では荷が重とうございます。ライアン殿下の婚約者と言う事は将来の王妃になる可能性も考えられます。私のような特に何も秀でた所のない平凡な令嬢には向きません。先ほどライアン殿下にもお断りさせていただきました。この度は良いお話しをいただきありがたいのですが辞退させていただきます」
堂々と言ってやったわ。
誤魔化しても仕方がないんだ。
「まぁ、ライアンったら振られちゃったのね。確かにこんなに聡明な令嬢ならライアンにもったいないかもね」
シュンとする王妃様。
「生意気を言って申し訳ありません。私ではライアン殿下にもこの国にも相応しくありません。もっと相応しい方をライアン様にお探しください」
悲しそうな顔をしながらも私の頭を撫でる王妃様に。
「わたくしは、貴方が次代の王妃に相応しいと思いますけれど‥‥‥無理強いは出来ないわね。ライアンの婚約者としては 今は諦めますけど、よかったらわたくしと仲良くしてくれるかしら?わたくし貴方が気に入ったわ」
ニッコリ笑うと私は王妃様に抱きしめられた。
あぁ、懐かしい。
私は王妃様に可愛がって貰った。いつも私の事をライアン殿下以上に娘としてよくしていただいた。
私も王妃様の事が大好きだった。
だから、最初の人生でも私が尽くしたのは王妃様の事があったからだ。
「王妃様、私でよければよろしくお願いいたします」
そして私はライアン殿下との婚約を回避してこの人生で王妃様のお友達という立場を手に入れた。
お父様を見つけると私の顔を見てなんだか微妙な顔をしていた。
「どうかされたのですか?お父様」
「あぁ、フローリアかちょっと困った事になってな」
「なんですの困った事とは」
今までに見た事がないようなお父様の困惑顔に一体何があったのかと思っていると。
「まぁまぁ。挨拶を受けた時も思ったけれど、さすが侯爵の娘ねなんて可愛いのかしら」
私の背後から声を掛けて来たのは‥‥‥。
「お、王妃様?」
「やぁん、王妃様じゃなくてお母様と呼んでフローリアちゃん」
私の手を取るといきなり訳の分からない事を言ってくる王妃様。
「えっと……お父様どういう事ですの?」
「あーーーうーーーーすまんフローリア」
遂には涙目になったお父様がいまにも泣き出してしまいそうなくらい悲壮感を漂わせていた。
「ナイトレイ侯爵、フローリアちゃんに話してなかったの?ライアンの婚約者にならない?いやなりましょって」
は?
ライアン殿下が言っていたのは本当の事だったの?
何このお茶会自体茶番だったの?
「で、フローリアちゃんどうかしら?今までライアンと一緒だったのよね?ライアンったらフローリアちゃんじゃなきゃイヤだって言うのよ。わたくしも貴方がいいわ。貴方が生まれた時から狙っていたんだから」
フフフ。ととても良い笑顔で微笑んでくる王妃様。
えぇぇぇ。ちょっと本当にどうなっているの?
確かに今までの巻き戻り人生でもフローリアはライアン殿下に何度も見初められているけれど、お茶会前からってどういう事?
本当に訳がわからない。
でも私はこの人生でライアン殿下と婚約するわけにはいかない。
私は私を幸せにしたいのだ。
「王妃様発言を宜しいでしょうか?」
「許します。でもそんなにかしこまらなくてもいいわよ。」
「申し訳ありませんが、私では荷が重とうございます。ライアン殿下の婚約者と言う事は将来の王妃になる可能性も考えられます。私のような特に何も秀でた所のない平凡な令嬢には向きません。先ほどライアン殿下にもお断りさせていただきました。この度は良いお話しをいただきありがたいのですが辞退させていただきます」
堂々と言ってやったわ。
誤魔化しても仕方がないんだ。
「まぁ、ライアンったら振られちゃったのね。確かにこんなに聡明な令嬢ならライアンにもったいないかもね」
シュンとする王妃様。
「生意気を言って申し訳ありません。私ではライアン殿下にもこの国にも相応しくありません。もっと相応しい方をライアン様にお探しください」
悲しそうな顔をしながらも私の頭を撫でる王妃様に。
「わたくしは、貴方が次代の王妃に相応しいと思いますけれど‥‥‥無理強いは出来ないわね。ライアンの婚約者としては 今は諦めますけど、よかったらわたくしと仲良くしてくれるかしら?わたくし貴方が気に入ったわ」
ニッコリ笑うと私は王妃様に抱きしめられた。
あぁ、懐かしい。
私は王妃様に可愛がって貰った。いつも私の事をライアン殿下以上に娘としてよくしていただいた。
私も王妃様の事が大好きだった。
だから、最初の人生でも私が尽くしたのは王妃様の事があったからだ。
「王妃様、私でよければよろしくお願いいたします」
そして私はライアン殿下との婚約を回避してこの人生で王妃様のお友達という立場を手に入れた。
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