9 / 19
1章 やり直し人生のはじまりのはじまり
繰り返す人生は作られた人生だった 3
しおりを挟む
「フローリア、キミはこれからどうしたい?」
モフモフの神様は私にそう言った。
「どうとは?どういう事ですか?」
私にはわからなかった。ここは問題のある魂が集められる場所のはずだ。
この先の人生の行方は神様が決める事では?と思った私は思わず頭をコテンと倒してしまう。
「本来ならこの部屋に来た魂は、私との面談を受け問題なければ魂を浄化し輪廻転生の輪に乗せる。問題ありだと思われたらその魂は制限を付けられ厳しい反省の為の輪廻転生の輪に乗せられるか、魂の消滅。通常はこの3つのどれかに処遇される」
そうか、やっぱりこの部屋は神様からのこれからの処遇を言い渡されるのね。
「そしてそのどれにも当てはまらない例外がある」
「例外ですか?」
「そう、この3つに当てはまらないのが迷子の魂だ」
「迷子の……魂。私の事ですか?」
そう問うと、モフモフの神様はふよふよと傍に寄ってくると私の膝に乗った。
「そうだ。迷子になりやすいのは神や精霊に愛された魂。彼の物たちの魂は清らかで美しいそれ以上に悪い物が惹かれやすい。だから連れ去られやすいのだ」
「私の魂がどうかは知りませんが、確かに清らかな魂には善い物も悪い物も引き寄せる力があると聞きますからそうなんでしょうね」
「ああ、だから特別な1000回目の時を巻き戻される寸前の隙をついて私はキミをこの空間へ転移が成功したんだ。通常ならそんな隙もなくあの世界に取り込まれていたんだ」
「そうなんですか」
「で、話を戻すが。私がいくら神でも出来る事と出来ない事がある。フローリアが繰り返しの人生を送っていた世界からの切り離しは私の力を持っても不可能だった。それは本当に済まない」
「いえ、神様のせいではありませんわ。お気になさらずに」
本当にそれはモフモフの神様のせいじゃない。だって時が巻き戻っているなんて誰も考えたりしないんですもの。むしろそこまで私の魂を探してくれただけでもありがたいですわ。
「そこでだ。私があの世界に干渉出来た事がいくつかある。あの世界を次の1000回目の巻き戻りを最後に終わらせる事。すなわちヒロインの使える呪文の破棄。だからあの世界で二度と再構築は出来ない。ゆえに次巻き戻ったらそれは現実でやり直しが効かないようにした。魔法が使える世界というのは変わらないが、魅了などの精神干渉系の魔法の無効。ヒロイン特有のチートと言われる者は私が全て取り上げた。だからヒロインと言われる者はただの少女になる」
え?それっていいのかしら?それだけヒロイン?様の能力を封印して……乙女げーむとやらは大丈夫なのかしら?
「大丈夫だフローリア。今までが変だったのだよ。次の世界は身分差はあれど今までとは違う現実だ。ゲームではない。たった一度の現実になるのだよ。それを理解していればそれでいい」
えっと、神様が言ったのは次の巻き戻りが最後。精神干渉系の魔法の無効。ヒロインちーと??なんだろう?の無効。そして念を押されたのが次の巻き戻りの人生は現実と言う事は次の巻き戻りで死を迎えたら皆死ぬて事?
「そうだ。次の巻き戻りはやり直しは効かない。次の人生は現実で最後の人生だ」
「そう……なんですね」
自分自身まだ何度も同じ時を繰り返し生きて来たという実感がわかないけれど、モフモフの神様が言うのだからそうなんだろう。
そうか。次で終わりなんだね。と、私がぼんやり思っていると。
「そこで本題だフローリア。キミには本当に申し訳ないと思うけれど、あの胸糞悪い世界に戻って貰う事になる。私も努力はしたのだけど、あの世界がフローリアを離さない。でもこの繰り返しが終わり君が人生を全う出来れば次は輪廻転生の輪に乗せてあげられる。そして今まで君を苛んでいた役割は破棄した。キミは自由だ」
「自由?」
「そう。次目覚めた時からキミはただの侯爵令嬢フローリア・ナイトレイ誰にも縛られず何にも囚われない」
「私は自分の思った通りに生きても誰も咎めないのでしょうか?」
不安そうな顔を見せるフローリアにモフモフの神様は
「今までのように献身的に誰かの為に生きなくていい。キミが999回目の死を迎えた時に思った事を願っていいんだよ」
お膝の上にいたモフモフの神様が私の手にスリッと寄ってきて暖かい光に包まれた。
「わかりました。私最後の巻き戻りの世界に戻りますわ。神様お気遣いありがとうございます」
「すまないフローリア。キミにばかり苦労をかける。最後の人生キミには幸せになる権利がある。僕からの祝福を授けよう。キミが人生の終わりに幸せだったと言えるように……」
私のお膝に居たモフモフの神様が浮かび上がると私の額にくっつき金色の光を放ったと同時に私の意識は遠くなり瞳を閉じた。
「フローリア。キミの願いが叶いますように。祈る事しか出来ない私を許して欲しい」
そんな夢か現実かあやふやな記憶を持ちながら私の意識は沈んでいく。
次目が醒めた時、私はこの夢か現実かあいまいな物語のような出来事を受け入れる事が出来るかは
目醒めてみなければわからない。
モフモフの神様は私にそう言った。
「どうとは?どういう事ですか?」
私にはわからなかった。ここは問題のある魂が集められる場所のはずだ。
この先の人生の行方は神様が決める事では?と思った私は思わず頭をコテンと倒してしまう。
「本来ならこの部屋に来た魂は、私との面談を受け問題なければ魂を浄化し輪廻転生の輪に乗せる。問題ありだと思われたらその魂は制限を付けられ厳しい反省の為の輪廻転生の輪に乗せられるか、魂の消滅。通常はこの3つのどれかに処遇される」
そうか、やっぱりこの部屋は神様からのこれからの処遇を言い渡されるのね。
「そしてそのどれにも当てはまらない例外がある」
「例外ですか?」
「そう、この3つに当てはまらないのが迷子の魂だ」
「迷子の……魂。私の事ですか?」
そう問うと、モフモフの神様はふよふよと傍に寄ってくると私の膝に乗った。
「そうだ。迷子になりやすいのは神や精霊に愛された魂。彼の物たちの魂は清らかで美しいそれ以上に悪い物が惹かれやすい。だから連れ去られやすいのだ」
「私の魂がどうかは知りませんが、確かに清らかな魂には善い物も悪い物も引き寄せる力があると聞きますからそうなんでしょうね」
「ああ、だから特別な1000回目の時を巻き戻される寸前の隙をついて私はキミをこの空間へ転移が成功したんだ。通常ならそんな隙もなくあの世界に取り込まれていたんだ」
「そうなんですか」
「で、話を戻すが。私がいくら神でも出来る事と出来ない事がある。フローリアが繰り返しの人生を送っていた世界からの切り離しは私の力を持っても不可能だった。それは本当に済まない」
「いえ、神様のせいではありませんわ。お気になさらずに」
本当にそれはモフモフの神様のせいじゃない。だって時が巻き戻っているなんて誰も考えたりしないんですもの。むしろそこまで私の魂を探してくれただけでもありがたいですわ。
「そこでだ。私があの世界に干渉出来た事がいくつかある。あの世界を次の1000回目の巻き戻りを最後に終わらせる事。すなわちヒロインの使える呪文の破棄。だからあの世界で二度と再構築は出来ない。ゆえに次巻き戻ったらそれは現実でやり直しが効かないようにした。魔法が使える世界というのは変わらないが、魅了などの精神干渉系の魔法の無効。ヒロイン特有のチートと言われる者は私が全て取り上げた。だからヒロインと言われる者はただの少女になる」
え?それっていいのかしら?それだけヒロイン?様の能力を封印して……乙女げーむとやらは大丈夫なのかしら?
「大丈夫だフローリア。今までが変だったのだよ。次の世界は身分差はあれど今までとは違う現実だ。ゲームではない。たった一度の現実になるのだよ。それを理解していればそれでいい」
えっと、神様が言ったのは次の巻き戻りが最後。精神干渉系の魔法の無効。ヒロインちーと??なんだろう?の無効。そして念を押されたのが次の巻き戻りの人生は現実と言う事は次の巻き戻りで死を迎えたら皆死ぬて事?
「そうだ。次の巻き戻りはやり直しは効かない。次の人生は現実で最後の人生だ」
「そう……なんですね」
自分自身まだ何度も同じ時を繰り返し生きて来たという実感がわかないけれど、モフモフの神様が言うのだからそうなんだろう。
そうか。次で終わりなんだね。と、私がぼんやり思っていると。
「そこで本題だフローリア。キミには本当に申し訳ないと思うけれど、あの胸糞悪い世界に戻って貰う事になる。私も努力はしたのだけど、あの世界がフローリアを離さない。でもこの繰り返しが終わり君が人生を全う出来れば次は輪廻転生の輪に乗せてあげられる。そして今まで君を苛んでいた役割は破棄した。キミは自由だ」
「自由?」
「そう。次目覚めた時からキミはただの侯爵令嬢フローリア・ナイトレイ誰にも縛られず何にも囚われない」
「私は自分の思った通りに生きても誰も咎めないのでしょうか?」
不安そうな顔を見せるフローリアにモフモフの神様は
「今までのように献身的に誰かの為に生きなくていい。キミが999回目の死を迎えた時に思った事を願っていいんだよ」
お膝の上にいたモフモフの神様が私の手にスリッと寄ってきて暖かい光に包まれた。
「わかりました。私最後の巻き戻りの世界に戻りますわ。神様お気遣いありがとうございます」
「すまないフローリア。キミにばかり苦労をかける。最後の人生キミには幸せになる権利がある。僕からの祝福を授けよう。キミが人生の終わりに幸せだったと言えるように……」
私のお膝に居たモフモフの神様が浮かび上がると私の額にくっつき金色の光を放ったと同時に私の意識は遠くなり瞳を閉じた。
「フローリア。キミの願いが叶いますように。祈る事しか出来ない私を許して欲しい」
そんな夢か現実かあやふやな記憶を持ちながら私の意識は沈んでいく。
次目が醒めた時、私はこの夢か現実かあいまいな物語のような出来事を受け入れる事が出来るかは
目醒めてみなければわからない。
0
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
旦那様、離縁の申し出承りますわ
ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」
大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。
領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。
旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。
その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。
離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに!
*女性軽視の言葉が一部あります(すみません)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる