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1章 やり直し人生のはじまりのはじまり
繰り返す人生は作られた人生だった 2
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「乙女ゲーム?とはなんですか?」
目の前のモフモフの神様が説明してくれた。
私の魂が輪廻転生の輪にのらなかった理由は、とある世界のある国で作られたげーむ?簡単に言うと私の知る知識で例えるなら遊戯らしい。
普通は子供が楽しむ為に作られた物らしいけれど、フローリアが捕らわれた世界は大人の女性向けに作られた遊戯だったらしい。
その乙女ゲームとやらはヒロイン?と呼ばれる主人公の選ぶ選択肢によってヒロイン?または彼女に関わる者達の運命が変わる?お伽話も付属されている。
なんだかよくわからないけれど、モフモフの神様が言うには
ヒロインがその世界を気に入らなければリセットという再構築の呪文を唱える事で世界が再生され人の記憶は消去され、何事もなかったかのようにある時点まで時が逆行を繰り返し、死すらなかった事になり繰り返しの日々がはじまると言う。
しかも、そのゲームに捕らわれた魂は消える事はなくヒロイン?が納得するまで解放されないと言う残酷な箱庭と言った。
「それで、魂はその世界から抜け出せないはずなのに私はどうしてこちらへ来れたのでしょうか?今度こそ死ねたのでしょうか?」
その箱庭の理論なら魂はヒロイン?が納得するまで解放されないはず?
むしろなぜ私は今この場所に居るのかしら?そう疑問に思っていると、モフモフの神様が教えてくれた。
「今回は私の持つ特例の秘術が働いたのだよ。フローリア信じられないかもしれないけれどキミは先程の死で999回目を迎えた」
「はい。多分記憶が間違いでなければ私は死んだのだと記憶しています」
「普通は、普通の魂はそんなに長い時を生きられない。長きに渡り生き続ける魂は少なからず傷つき消耗しやがて消滅し、浄化をへて新しき魂へ生まれ変わる。だがキミの魂は穢れや消耗、などなく逆に繰り返し生きる度に光の輝きが増していた。何故だかわかるかい?」
とても優しい色に変わるモフモフの神様。
「いえ、私は思い出した私のもの?らしき記憶の中にも魂の輝きが増すような事をした覚えもありませんし、むしろ周囲に嫌われていたようですわ」
思い出した記憶の中はどれもこれも悲惨な物ばかり、自らが望んだ事だとしても余りにフローリアの辿る運命は残酷な物ばかりだ。
「確かに、キミは人の事ばかりを優先して自分の幸せを後回しどころか、考えすらしなかった。いつもキミの望みは国の繁栄と王太子の幸せ。それ以外のものはどれだけでも犠牲にできる高潔で気高い魂だった。だから逆にあの世界はキミを手放す事を嫌がったんだよ」
悲しみの色に変わるモフモフの神様。
「ねぇフローリア。キミは自分が幸せになりたいと思った事はないかい?」
「幸せにですか?」
「ああ、誰の事も気にせずフローリアとして幸せになりたいと思った事は?思い出した記憶は……決して幸せだと言えるものではなかっただろう」
確かに私の思い出した記憶の中での私の人生は確かに控えめに言っても幸せな結末など皆無だ。
でもそんな人生を普通に受け入れていた私にはそこまで不幸だとも思えないのも事実。
ただ、幸せが何かわからないのだ。
「わかりません。私は自分が幸せになりたいと思って生きていた事がないみたいです。幸せがどういう事なのかそれがわからないのです」
それが今の私の正直な気持ちだ。
自分が去る事でだれかが幸せになれるならそれがいい。
この考えは異常だったんだろうか?
「フローリア……キミは何度も何度も繰り返す人生で大事な物を失ったようだね」
モフモフの神様の顔は見えないのだけど、明らかに私を残念な物を見るような目で見ているのだけは何となくわかった。
「さて、ここからが本題だよ」
「はい、なんでしょうか?」
そう答えた私にモフモフの神様は思いもよらない事を告げた。
「フローリア、キミはこれからどうしたい?」
目の前のモフモフの神様が説明してくれた。
私の魂が輪廻転生の輪にのらなかった理由は、とある世界のある国で作られたげーむ?簡単に言うと私の知る知識で例えるなら遊戯らしい。
普通は子供が楽しむ為に作られた物らしいけれど、フローリアが捕らわれた世界は大人の女性向けに作られた遊戯だったらしい。
その乙女ゲームとやらはヒロイン?と呼ばれる主人公の選ぶ選択肢によってヒロイン?または彼女に関わる者達の運命が変わる?お伽話も付属されている。
なんだかよくわからないけれど、モフモフの神様が言うには
ヒロインがその世界を気に入らなければリセットという再構築の呪文を唱える事で世界が再生され人の記憶は消去され、何事もなかったかのようにある時点まで時が逆行を繰り返し、死すらなかった事になり繰り返しの日々がはじまると言う。
しかも、そのゲームに捕らわれた魂は消える事はなくヒロイン?が納得するまで解放されないと言う残酷な箱庭と言った。
「それで、魂はその世界から抜け出せないはずなのに私はどうしてこちらへ来れたのでしょうか?今度こそ死ねたのでしょうか?」
その箱庭の理論なら魂はヒロイン?が納得するまで解放されないはず?
むしろなぜ私は今この場所に居るのかしら?そう疑問に思っていると、モフモフの神様が教えてくれた。
「今回は私の持つ特例の秘術が働いたのだよ。フローリア信じられないかもしれないけれどキミは先程の死で999回目を迎えた」
「はい。多分記憶が間違いでなければ私は死んだのだと記憶しています」
「普通は、普通の魂はそんなに長い時を生きられない。長きに渡り生き続ける魂は少なからず傷つき消耗しやがて消滅し、浄化をへて新しき魂へ生まれ変わる。だがキミの魂は穢れや消耗、などなく逆に繰り返し生きる度に光の輝きが増していた。何故だかわかるかい?」
とても優しい色に変わるモフモフの神様。
「いえ、私は思い出した私のもの?らしき記憶の中にも魂の輝きが増すような事をした覚えもありませんし、むしろ周囲に嫌われていたようですわ」
思い出した記憶の中はどれもこれも悲惨な物ばかり、自らが望んだ事だとしても余りにフローリアの辿る運命は残酷な物ばかりだ。
「確かに、キミは人の事ばかりを優先して自分の幸せを後回しどころか、考えすらしなかった。いつもキミの望みは国の繁栄と王太子の幸せ。それ以外のものはどれだけでも犠牲にできる高潔で気高い魂だった。だから逆にあの世界はキミを手放す事を嫌がったんだよ」
悲しみの色に変わるモフモフの神様。
「ねぇフローリア。キミは自分が幸せになりたいと思った事はないかい?」
「幸せにですか?」
「ああ、誰の事も気にせずフローリアとして幸せになりたいと思った事は?思い出した記憶は……決して幸せだと言えるものではなかっただろう」
確かに私の思い出した記憶の中での私の人生は確かに控えめに言っても幸せな結末など皆無だ。
でもそんな人生を普通に受け入れていた私にはそこまで不幸だとも思えないのも事実。
ただ、幸せが何かわからないのだ。
「わかりません。私は自分が幸せになりたいと思って生きていた事がないみたいです。幸せがどういう事なのかそれがわからないのです」
それが今の私の正直な気持ちだ。
自分が去る事でだれかが幸せになれるならそれがいい。
この考えは異常だったんだろうか?
「フローリア……キミは何度も何度も繰り返す人生で大事な物を失ったようだね」
モフモフの神様の顔は見えないのだけど、明らかに私を残念な物を見るような目で見ているのだけは何となくわかった。
「さて、ここからが本題だよ」
「はい、なんでしょうか?」
そう答えた私にモフモフの神様は思いもよらない事を告げた。
「フローリア、キミはこれからどうしたい?」
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