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1章 やり直し人生のはじまりのはじまり
999回目の死を迎えたわたし
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気がつくと、とそこはただ真っ白な空間だった。
何もなく何も存在すらしないただの白。
どうして私はこんな所にいるのかしら?
そう思っている彼女の中に急激に信じられないくらいの衝撃的な映像と記憶が流れ込んで来た。
そのほとんどが知りたくもないような内容。
残酷で口にするのも躊躇われるような記憶の数々に思わず慄き吐き気を催す。
何故このようなものが今更私の中に入ってくるの?
忘れたい記憶なのに!!
え?
忘れたい記憶?
忘れたいってどう言う事?
私はこの記憶を知っているの?
自分の知り得るはずのない記憶と、その記憶が全て私が体験した物だという記憶がごちゃ混ぜになって脳内で暴れ回る。
あ、頭がおかしくなりそう。
目覚めたままの状態で私はクラクラとする頭を抱えていると。
私の視界に小さく金色に光るモフモフとした物が現れた。
それは本当に小さく、ふわふわとした物でポワポワと浮かぶ物に私は釘付けになっていた。
「ようやく会えたね、フローリア」
その声は目の前を漂う金色のモフモフから聞こえたようだ。
明らかに不審な毛玉に名前を呼ばれ?
あれ?フローリアって私の事よ、ね?
なんだか自分の名前すらよくわからなくて怖いけど、今は私がフローリアだと言う事にしておこう。
「あの?貴方は?」
恐る恐る金色のモフモフへ尋ねると、思いのほか簡単にモフモフは返事をくれた。
「私はキミたちが生きている世界を作った創造神、神様?と言った方がキミたちには想像しやすいかな?」
「神様……ですか?」
金色のモフモフが神様。今まで神様って言うような存在は教会や聖堂にある人型の物だと思っていたけれど、所詮人が作り出した偶像だったのね。
本物の神様は金色でモフモフなんだ。
「あの?ところで此処は何処ですか?私は一体……あ、確か私死んだんだったかしら?」
確か、何の感情もなかった相手との婚約破棄をされこれ幸いと会場を後にし馬車に乗り込もうとした瞬間、なぜかマリーベルに刺されたのよね。
どうして私はマリーベルに殺されなければならなかったのかしら?彼女の望み通り王太子殿下を解放してあげたのに?
謎しかないわ。
「フローリア、そろそろ話を進めてもいいかな?」
神様に問いかけながらも自分の世界に入り込んでしまっていた私、恥ずかしい。
「はい。申し訳ありません。お話を進めてください」
「まずは、ここはキミたちが生きていた世界と死して肉体を失った魂が輪廻転生の輪に組み込まれる時に問題のある魂が導かれる部屋だ」
「問題……ですか?」
「あぁ、人には様々な寿命がある。その寿命を全うし死という最後を迎えた問題のない魂は現世で受けた穢れを払われ今までの記憶を消し、魂を浄化され輪廻転生の輪に乗る。問題のある魂というのは寿命が残っているにも関わらず殺されたり、自死を選んだり、魂の輝きに肉体が耐えられなかったなど、その魂の定められた寿命を全うできなかった魂を回収してその魂のこの先の行き場を選定する場所だよ」
簡単に言うと、人としての人生を自分の力以外の力によって寿命を全うできなかった可哀相な魂の休憩所?って事かしら。
「では、私の魂も何か問題があったって事ですか?」
神様の理論ならそういう事だよね。
「あぁ、本来なら君の魂は気が遠くなるずっとずっと前にこの場所へ来るはずだったんだ」
急に悲しそうな色をする神様……見た目は金色のモフモフなのになぜか感情がわかるのが不思議だ。
「えっと、それはどういう事でしょうか?」
「少し長くなるけど時間は無限にある。キミが納得するまでゆっくり話そうか」
そう言うと、今まで上か下かもわからなかった真っ白いだけの部屋にテーブルとソファーが現われた。
私はモフモフの神様にソファーに導かれ、どこから持ってきたのかお茶やお茶菓子でおもてなしを受けると。
「じゃぁフローリア、キミの事を話そう」
そう言うと私の真正面の席に金色のモフモフは落ち着いた。
何もなく何も存在すらしないただの白。
どうして私はこんな所にいるのかしら?
そう思っている彼女の中に急激に信じられないくらいの衝撃的な映像と記憶が流れ込んで来た。
そのほとんどが知りたくもないような内容。
残酷で口にするのも躊躇われるような記憶の数々に思わず慄き吐き気を催す。
何故このようなものが今更私の中に入ってくるの?
忘れたい記憶なのに!!
え?
忘れたい記憶?
忘れたいってどう言う事?
私はこの記憶を知っているの?
自分の知り得るはずのない記憶と、その記憶が全て私が体験した物だという記憶がごちゃ混ぜになって脳内で暴れ回る。
あ、頭がおかしくなりそう。
目覚めたままの状態で私はクラクラとする頭を抱えていると。
私の視界に小さく金色に光るモフモフとした物が現れた。
それは本当に小さく、ふわふわとした物でポワポワと浮かぶ物に私は釘付けになっていた。
「ようやく会えたね、フローリア」
その声は目の前を漂う金色のモフモフから聞こえたようだ。
明らかに不審な毛玉に名前を呼ばれ?
あれ?フローリアって私の事よ、ね?
なんだか自分の名前すらよくわからなくて怖いけど、今は私がフローリアだと言う事にしておこう。
「あの?貴方は?」
恐る恐る金色のモフモフへ尋ねると、思いのほか簡単にモフモフは返事をくれた。
「私はキミたちが生きている世界を作った創造神、神様?と言った方がキミたちには想像しやすいかな?」
「神様……ですか?」
金色のモフモフが神様。今まで神様って言うような存在は教会や聖堂にある人型の物だと思っていたけれど、所詮人が作り出した偶像だったのね。
本物の神様は金色でモフモフなんだ。
「あの?ところで此処は何処ですか?私は一体……あ、確か私死んだんだったかしら?」
確か、何の感情もなかった相手との婚約破棄をされこれ幸いと会場を後にし馬車に乗り込もうとした瞬間、なぜかマリーベルに刺されたのよね。
どうして私はマリーベルに殺されなければならなかったのかしら?彼女の望み通り王太子殿下を解放してあげたのに?
謎しかないわ。
「フローリア、そろそろ話を進めてもいいかな?」
神様に問いかけながらも自分の世界に入り込んでしまっていた私、恥ずかしい。
「はい。申し訳ありません。お話を進めてください」
「まずは、ここはキミたちが生きていた世界と死して肉体を失った魂が輪廻転生の輪に組み込まれる時に問題のある魂が導かれる部屋だ」
「問題……ですか?」
「あぁ、人には様々な寿命がある。その寿命を全うし死という最後を迎えた問題のない魂は現世で受けた穢れを払われ今までの記憶を消し、魂を浄化され輪廻転生の輪に乗る。問題のある魂というのは寿命が残っているにも関わらず殺されたり、自死を選んだり、魂の輝きに肉体が耐えられなかったなど、その魂の定められた寿命を全うできなかった魂を回収してその魂のこの先の行き場を選定する場所だよ」
簡単に言うと、人としての人生を自分の力以外の力によって寿命を全うできなかった可哀相な魂の休憩所?って事かしら。
「では、私の魂も何か問題があったって事ですか?」
神様の理論ならそういう事だよね。
「あぁ、本来なら君の魂は気が遠くなるずっとずっと前にこの場所へ来るはずだったんだ」
急に悲しそうな色をする神様……見た目は金色のモフモフなのになぜか感情がわかるのが不思議だ。
「えっと、それはどういう事でしょうか?」
「少し長くなるけど時間は無限にある。キミが納得するまでゆっくり話そうか」
そう言うと、今まで上か下かもわからなかった真っ白いだけの部屋にテーブルとソファーが現われた。
私はモフモフの神様にソファーに導かれ、どこから持ってきたのかお茶やお茶菓子でおもてなしを受けると。
「じゃぁフローリア、キミの事を話そう」
そう言うと私の真正面の席に金色のモフモフは落ち着いた。
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