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プロローグ
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「おら、とっとと行くぞ」
黒いフードを深々と、顔が隠れるまで被った人の姿をした人ならざるものは、目の前の小さな子供に向かってそう怒鳴った。
子供はわずか12歳程度で、目の前の男の言葉なんて聞こえてないかのように、静かに地面に横たわっている「死体」を見つめていた。
「はっ。そいつらは『兄』のお前が殺したんだろ?いまさら何後悔したみたいな顔しているんだ」
その煽りの言葉を受けて、子供はようやくずっと下を見ていた顔をあげた。
その瞳は夜のような紺色から一瞬にして赤色に変わり、月のような銀色のキレイな髪も漆黒に変わった。
「確かに俺は子供で、しかも純血の魔族じゃない」
そう言い切り、彼は目の前に立っている4人を見回した。
「ただ、お前たちがいくら否定しようが、俺が、今の魔王の唯一の実の子供であるということを変わらない。その口の利き方はどうなんだ?」
そういいながら、彼は自分の魔力を具現化させた。
それを見た四人は一瞬でひれ伏し、先程彼に向かって怒鳴っていた先頭の人は震えた声で、
「申し訳ございませんでした、レイ殿下」
と、言った。
しかし、子供はその言葉を無視して、一番後ろでひざまずいている男の方をじっと見ていた。
10分ほど沈黙が続き、レイと呼ばれた少年はようやく視線を目の前の人に戻した。
「行こう」
「……っ!こちらへ」
そのままレイは男四人に囲まれ、暗闇の中に消えていった。
この日から、人界から「テオ」という少年は消え、代わりに魔界に魔族の王の実の子、「レイ」という王子が現れた。
黒いフードを深々と、顔が隠れるまで被った人の姿をした人ならざるものは、目の前の小さな子供に向かってそう怒鳴った。
子供はわずか12歳程度で、目の前の男の言葉なんて聞こえてないかのように、静かに地面に横たわっている「死体」を見つめていた。
「はっ。そいつらは『兄』のお前が殺したんだろ?いまさら何後悔したみたいな顔しているんだ」
その煽りの言葉を受けて、子供はようやくずっと下を見ていた顔をあげた。
その瞳は夜のような紺色から一瞬にして赤色に変わり、月のような銀色のキレイな髪も漆黒に変わった。
「確かに俺は子供で、しかも純血の魔族じゃない」
そう言い切り、彼は目の前に立っている4人を見回した。
「ただ、お前たちがいくら否定しようが、俺が、今の魔王の唯一の実の子供であるということを変わらない。その口の利き方はどうなんだ?」
そういいながら、彼は自分の魔力を具現化させた。
それを見た四人は一瞬でひれ伏し、先程彼に向かって怒鳴っていた先頭の人は震えた声で、
「申し訳ございませんでした、レイ殿下」
と、言った。
しかし、子供はその言葉を無視して、一番後ろでひざまずいている男の方をじっと見ていた。
10分ほど沈黙が続き、レイと呼ばれた少年はようやく視線を目の前の人に戻した。
「行こう」
「……っ!こちらへ」
そのままレイは男四人に囲まれ、暗闇の中に消えていった。
この日から、人界から「テオ」という少年は消え、代わりに魔界に魔族の王の実の子、「レイ」という王子が現れた。
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