光と闇の子

 テオは生まれる前から愛されていた。精霊族はめったに自分で身籠らない、魔族は自分の子供には名前を付けない。しかしテオは違った。精霊族の女王である母が自らの体で産んだ子供、魔族の父が知恵を絞ってつけた名前。だがある日、「テオ」は消えた。
 レイは生まれた瞬間から嫌われていた。最初は魔族の象徴である黒髪だからと精霊族に忌み嫌われ、森の中に捨てられた。そしてそれは、彼が魔界に行っても変わらなかった。半魔族だから、純血種ではないからと、蔑まれ続けた。だから、彼は目立たずに強くなっていった。
 人々は知らない、「テオ」が「レイ」であると。自ら親との縁の糸を絶ったテオは、誰も信じない「レイ」になった。
 だが、それでも、レイはただ一人を信じ続けた。信じてみようと思ったのだ。


 BL展開は多分だいぶ後になると思います。主人公はレイ(テオ)、攻めは従者のカイルです。
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