転生令嬢はやんちゃする

ナギ

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与太話

この世には新婚旅行が無いらしい

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新婚旅行がないというのを結婚した後にしったレティさんですが
行きたいと言えば連れてってくれるのがテオです



「は!? 新婚旅行ってないの!?」
「まずシンコン旅行がわからないんだけど……」
 結婚して、ある夜。
 私はテオに新婚旅行はいつするの、まったく計画してないわよねと言ったら。
 なにそれと言われて。
 えー!!
 私は結婚したばっかりの人が二人きりでする旅行! と訴えた。
「つまり、二人きりで旅行に行きたい、と」
「うん。近いところでもいいから」
「でもおめでとうの挨拶とか、報告とかで王都を離れられないよ?」
「うっ、そうなのよね……」
 結婚したらのんびりよー! とか思ってたけど実際はそうじゃなくて。
 結婚式を身内だけにしたのもあってたくさんの人にあってる。テオのお披露目みたいなものだから仕方ないんだけど!
「いきたい?」
「うん、まぁ……いきたい」
「わかった、どうにかするよ」
 と言って、テオはどうにかしてくれた。どうにかすると言ってどうにかできる人すごい。
 一週間後には予定を調整して、行ってきますということになった。
 と言っても、さすがに遠出は無理だったので、二泊三日で山間の小さな街に。
 そこはちょっと涼しくて、やぎとか牛とか放牧してあって乳製品が特産物。
 テオがそこを選んだのは、私の為らしい。
「ほらチーズを絡めて食べるなんとかの話して転がってただろ、この前」
「ああああ! チーズフォンデュ!!」
「産地ならそういうの、やれるかなぁって」
 チーズフォンデュ。その素敵な食べ物のことを皆は知らない。
 できる、絶対にできると思う。産地ならば!
 王都とかでチーズを求めると、結構お高い。嗜好品って感じで、需要もそんなに高くないもの。好きな人だけが食べるって感じなのよね。
 そして買うとなるとまるっとでっかいのしかない。それを消費するのはなかなかというところ。
 チーズだけもりもり食べるって感じはないもの。デザートチーズはまた別だし。
 そんなことを話しながら、ゆっくりとした速度の馬車で街に向かって。
 車中から外の景色みて、途中の村に立ち寄ったりとかテオとのほほんとのどかな時間を過ごす。
 そして晩御飯は、宿に色々リクエストをして、一緒に作ってチーズフォンデュにしてもらった。
 宿はロッジみたいなこじんまりしたとこ。一家族に私たちがお邪魔してる感じだけど、大体このへんはこういう宿ばっかりみたい。
 宿の人もチーズフォンデュに興味示してくれて、一緒にごはんということに。
 わいわい食べるのって良いわよね!
 パンに野菜に、お肉とか! 色んなものをテーブルに並べて、そして真ん中にチーズフォンできゅのお鍋ー!
 っていうのは、携帯のコンロないからできないわけで。暖炉の上に鍋を釣った!
 ひぃ! これはこれですごく、良い!
「そうそう、こういうかんじ!」
「レティのイメージ通り?」
「うんうん、それで最後の締めにパスタいれて絡めて胡椒振って食べる……」
 うっとり。炭水化物万歳!!
 テオが笑いながら好きにしたらいいよと言う。テオは私の事、良くわかってる!
「はい、レティ」
「ありがと。おいしい……」
「あ、本当だ美味しい。これちょっとお酒いれてる?」
「うん、白ワインをちょっと」
 皆でわいわいしながら食べる料理として、これいいねとテオは言う。
 あああ、全部つけて食べたいと思ってると、私の口の前にチーズ絡めたパン。反射的にかぶりついてしまう。
「そっち頂戴」
 そしてテオが私が持ってた人参を食べる。あー! 食べ過ぎー!
 チーズをつけて、色々食べて幸せ。できたての生ベーコンと合わせるとおいしかった。
 最後にちゃんとパスタもいれて、チーズは無くなる。生ベーコン残してたのでそこに入れておいしかった……満足。
 宿の方が、これは美味しいと言って他のひと達にも広めてくれるらしい。これが普及すれば、もっとチーズの消費もよくなるだろうし街の為にもなるって。
 そしてそれから、私はまだお腹に余裕があったのでじゃがいもゆでてもらって。
 そこにチーズの塊の一部を魔術で溶かして食べた。めっちゃおいしかった。
 お子さんにじーっとみられたのでちょっと分けてあげたけども。
 そんなこんなで、産地なのでチーズもお安い。
 まるっと一個、私がよいしょーって抱える大きさのを購入。
 これでお父様やお母様、お兄様とデジレ様も招いてフォンデュする……!
 移動に一日ずつかかるのが良い感じだったので、またこういう風に出かけたいなと思う。
 そう言うと、良いねと笑ってくれた。
「俺も旅行は好き。特にレティと二人きりなのがいい」
「? 旅行しなくても二人きりになれるでしょ?」
「そうだけどね。そうじゃないんだよね」
 んー?
 何を言ってるのか、と思う。
 するとテオは言い直した。
「二人きりで、レティを独り占めできるから。突然誰かが来るなんてことないじゃない?」
 まぁ深く考えないでいいよとテオは笑って、私と手を繋ぐ。
 なにはともあれ、テオとの旅行は楽しかった。
 二人での思い出作りは良いもの!



と、普通に楽しかったー!と思ってるレティ。
テオの方は一緒に居る時に誰も割り込んでこなくって最高の時間だったんだと思います。
一緒に旅行して楽しかったけど、楽しいの内に温度差があるような!
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