転生令嬢はやんちゃする

ナギ

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与太話

熱烈な求愛

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殿下がすきすきいわれてるだけの



「すき!」
「うん、ありがとう」
「だいすき!」
 モテ気です!! 俺、モテてます!!
 と、声を大にした――かった。
 俺に好きと言っているのが、レティとテオドールの娘、ノエル(三歳)でなければ。
「殿下……三歳児からの好きにでれでれされては、その」
「でれでれしてないけど。それで、そのの続きは?」
「ロリコンって言われますよ」
「ろりこん?」
「……簡単に言うと、幼女趣味」
「違うから!」
 これは否定しておかなければと本能が言う。すぐさま否定するとわかってますよと言った本人、レティは笑った。
 俺はなぜか、幼女にモテる。
 トリスタンと姉上の子の、フラウも俺の事が大好きだ。会えば膝の上に必ずのってきて抱き着かれる程度には好かれている。トリスタンうらやましいだろうとはちょっと思っている。
 優越感万歳。
 しかしこのノエルちゃんはフラウ以上に積極的だ。
 なぜなら俺の膝の上にのって抱き着いて、頬にちゅっちゅとかわいい音をさせているからだ。
「殿下、おいくつでしたっけ……あ、お兄様と一緒ですよね」
 わぁ、と何とも言えない表情。
 いや、俺はそういう気はまったく、ないからね? ないからね?
「テオに甘えるより積極的な……父親としてどう?」
「ちょっと複雑……」
 うぅんと唸るテオドールのもとにノエルちゃんを差し出す。けれどいやだと暴れて泣くので渡せないままだ。
「やー!」
「これはもう寝ちゃうまで無理かも」
「俺、ちょっと顔を見に来ただけだったんだけどな……」
 まぁ仕事したくなくて抜けてきたのもあるからいいんだけど。
 帰ったら机の上に紙の束かな!
 でもこのままべったりされたままなのも困る。
 色々話して遊んでいると疲れてきてうとうと。三歳児だもんね。
 眠ったところをレティへと任せた。
「かわいい顔して寝てる……それにしても殿下、よかったですね。イラがいなくて」
「イラ? ああ、イライアス君?」
「あー、イラはノエルが大好きだから……あんな風にくっついてるの見たら、夜襲くらいはしそうな」
 待って、夜襲って。どんな教育してるの、二人とも。
「今日はお兄様達に連れられて、フラウちゃんとお出かけだものね」
「え? フラウと?」
「そう。狩り、という建前で魔術的なお勉強を」
 またそれは、何かやらかしそうな気配しかないんだけど。
 そもそもこの二人がいて姉上達が教えるベき魔術なんてないんじゃ、と思うけど。ああ、逆か。
 常識を教えてるのか。
 まー、親から離れてみるのも勉強かなぁ。
 なんて思ってると、ノエルちゃんがぱちっと目を覚まして。
「あ、起きちゃった。うぅん、小休止だったのね」
「でんかー!」
「あっ、はい」
 俺はもうしばらく、ノエルちゃんの相手をすることになる。




この話の段階では、32歳の殿下と3歳のようじょ。
犯罪かな(まがお)
このネタでしばらく殿下はからかわれます。
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