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第四章
制圧の一手
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細い道を抜けて大通り!
そこに出た瞬間向けられた威圧感。
危ないと直感的に思った私はガブさんを飛び越えて前に出て防御姿勢をとった。
魔術の構築なんて一瞬、イメージ万歳! 難しい言葉なんていらないのは幸い。
私にとって魔術とは息をするような感じなんだから。
向けられたものを吸収する壁のイメージ。
両腕を前に出してそれを生み出すだけ。薄く広く、丈夫なもの。
私の、その判断は正しかった!
目の前に迫ったのは炎弾の雨。それは周囲に人がいるのも関係なく降り注ぐ。
「ガブさん前乗せて!」
「ああ!」
姿を消すのをやめて、私はガブさんの前にすとんと乗せてもらう。
空飛ぶとかそこまで気を、回せると言えば回せるんだけどー!
面倒だしー!
それに、周りの人達巻き込むわけにはいかない。
炎弾が当たる、それと同時に消す。壁を広げて、通さない。通りにいる人たちはその様に慌てて逃げていく。
すごいな、とガブさんが零しながら馬を操って進む。
炎弾は防いだ。すると周囲からわぁっと武器持った人達。
もー! あとちょっとなんだけど!
「えー! もうやっぱり空飛ぶしかないんじゃ!」
「今ここで飛ぶと矢で狙われる。引く……いやそんなことしてる余裕はないか」
だって目の前に、ゴールがあるんだとガブさんは零す。
それなら突っ切るのみ。馬であの宿の中まで入ってしまおうとガブさんは、決めた。
最悪、宿の――建物の内部まで。
んんっ、それあとで怒られるやつ!
「付き合わせて悪いな」
「いえいえ、ここまできたらあとちょっとでー……あー!」
「え、なに?」
「ガブさんステイステイ! う、動かない方がいいです!」
と、いいますのも!
私は見たのだ。宿からしれっと出てきたのはデジレ様です。
男装してますし本当に何をされてるんですかね……いえ、想像できるんだけど。
できるんだけど、したくないような!
そして殿下です。殿下めっちゃデジレ様止めようとしてるけど、まぁ、うん。
できるわけないですよね!!
宿の入り口側から、人の波が崩れていくのがわかる。
そりゃこれだけ派手にやってれば大騒ぎだろうし。
「……もうちょっと待ってから行こう」
「そうですね、はい、はい……」
デジレ様が魔術を紡いでいるのがわかる。しかも結構、えぐそうな、こう。
背後なので、こっちに向かってきてる人達はそれが見えてない。
「……アレクがごめんっていってるな」
「え?」
見ると、こっちに頭を下げている殿下。
ガブさんは手綱を引いて、馬を操りその場から下がった。
その瞬間――ゴッと鈍い音がして目の前の地面が沈んだ、というか。
向かってきていた人たちがべしゃっと地面にひれ伏した。
私が風で押しつぶした、とかじゃなくてデジレ様は本気で圧をかけて、押しつぶした。
しかも、ものすっごく、絶妙な力加減で!! その時間は十数秒だったけどこの場を制圧するには十分なものすぎて!!
ひえええええ、本当に下がっててよかった、セーフ! セーフ!!
しばらくその圧はかかったままだけど、デジレ様はふっとゆるめた。
その瞬間に、ガブさんは馬を走らせる。ぎゃああああ下の人達ごめんなさい!
ちょっとというか遠慮なく踏みながら馬は走ります。
上手に避けてるけど完全にはいかなくて、多少ふみっと……ぐぎゃっとか痛そうな悲鳴が聞こえたのも聞こえないふり!
そして――私たちは、デジレ様と殿下の所に到着した。
「手間をかけさせてしまって、申し訳ありません……王女殿下」
「良い良い、こうやって一度ふるってみたかったのでな!」
「ああ……もう本当に姉上……」
「アレクもお疲れ」
「ああ、うん……ガブ、無事で何より。早く中に入れ」
こうなってしまえば、もう相手さんは手出しができない。
宿の方で衛兵さんたちを読んでぐぎゃっと潰れている人たちはお縄になったそうです。
でも、まだガブさんが無事で、帰ってきているってことは伝わっていない。
まだ何があるかはわからないけど、ガブさんがこちら側と無事、本当の意味で合流できたので私はそれじゃあと馬から降りて踵を返した。
「お兄様達のとこにいってきます」
「いや、待って欲しい、レティ。それよりこれを皇太子殿に渡してきてほしい」
さっと殿下が出したのは無事にガブさんを保護したことを書いている手紙だ。
ま、この手紙を届けた後にまだ帰ってなければ探しに行けばいいかな。
私は頷いて、手紙を受け取ると姿を消してお城へ。
ガブさんからは兄上に元気そうだと伝えてほしいとお願いされました。
そっか、うん。
今までどこにいるかわからなかったガブさん。皇太子さまは不安そうだったし……ガブさんだって心配かけたと思ってるはず。
私は大急ぎで城へと向かった。
そこに出た瞬間向けられた威圧感。
危ないと直感的に思った私はガブさんを飛び越えて前に出て防御姿勢をとった。
魔術の構築なんて一瞬、イメージ万歳! 難しい言葉なんていらないのは幸い。
私にとって魔術とは息をするような感じなんだから。
向けられたものを吸収する壁のイメージ。
両腕を前に出してそれを生み出すだけ。薄く広く、丈夫なもの。
私の、その判断は正しかった!
目の前に迫ったのは炎弾の雨。それは周囲に人がいるのも関係なく降り注ぐ。
「ガブさん前乗せて!」
「ああ!」
姿を消すのをやめて、私はガブさんの前にすとんと乗せてもらう。
空飛ぶとかそこまで気を、回せると言えば回せるんだけどー!
面倒だしー!
それに、周りの人達巻き込むわけにはいかない。
炎弾が当たる、それと同時に消す。壁を広げて、通さない。通りにいる人たちはその様に慌てて逃げていく。
すごいな、とガブさんが零しながら馬を操って進む。
炎弾は防いだ。すると周囲からわぁっと武器持った人達。
もー! あとちょっとなんだけど!
「えー! もうやっぱり空飛ぶしかないんじゃ!」
「今ここで飛ぶと矢で狙われる。引く……いやそんなことしてる余裕はないか」
だって目の前に、ゴールがあるんだとガブさんは零す。
それなら突っ切るのみ。馬であの宿の中まで入ってしまおうとガブさんは、決めた。
最悪、宿の――建物の内部まで。
んんっ、それあとで怒られるやつ!
「付き合わせて悪いな」
「いえいえ、ここまできたらあとちょっとでー……あー!」
「え、なに?」
「ガブさんステイステイ! う、動かない方がいいです!」
と、いいますのも!
私は見たのだ。宿からしれっと出てきたのはデジレ様です。
男装してますし本当に何をされてるんですかね……いえ、想像できるんだけど。
できるんだけど、したくないような!
そして殿下です。殿下めっちゃデジレ様止めようとしてるけど、まぁ、うん。
できるわけないですよね!!
宿の入り口側から、人の波が崩れていくのがわかる。
そりゃこれだけ派手にやってれば大騒ぎだろうし。
「……もうちょっと待ってから行こう」
「そうですね、はい、はい……」
デジレ様が魔術を紡いでいるのがわかる。しかも結構、えぐそうな、こう。
背後なので、こっちに向かってきてる人達はそれが見えてない。
「……アレクがごめんっていってるな」
「え?」
見ると、こっちに頭を下げている殿下。
ガブさんは手綱を引いて、馬を操りその場から下がった。
その瞬間――ゴッと鈍い音がして目の前の地面が沈んだ、というか。
向かってきていた人たちがべしゃっと地面にひれ伏した。
私が風で押しつぶした、とかじゃなくてデジレ様は本気で圧をかけて、押しつぶした。
しかも、ものすっごく、絶妙な力加減で!! その時間は十数秒だったけどこの場を制圧するには十分なものすぎて!!
ひえええええ、本当に下がっててよかった、セーフ! セーフ!!
しばらくその圧はかかったままだけど、デジレ様はふっとゆるめた。
その瞬間に、ガブさんは馬を走らせる。ぎゃああああ下の人達ごめんなさい!
ちょっとというか遠慮なく踏みながら馬は走ります。
上手に避けてるけど完全にはいかなくて、多少ふみっと……ぐぎゃっとか痛そうな悲鳴が聞こえたのも聞こえないふり!
そして――私たちは、デジレ様と殿下の所に到着した。
「手間をかけさせてしまって、申し訳ありません……王女殿下」
「良い良い、こうやって一度ふるってみたかったのでな!」
「ああ……もう本当に姉上……」
「アレクもお疲れ」
「ああ、うん……ガブ、無事で何より。早く中に入れ」
こうなってしまえば、もう相手さんは手出しができない。
宿の方で衛兵さんたちを読んでぐぎゃっと潰れている人たちはお縄になったそうです。
でも、まだガブさんが無事で、帰ってきているってことは伝わっていない。
まだ何があるかはわからないけど、ガブさんがこちら側と無事、本当の意味で合流できたので私はそれじゃあと馬から降りて踵を返した。
「お兄様達のとこにいってきます」
「いや、待って欲しい、レティ。それよりこれを皇太子殿に渡してきてほしい」
さっと殿下が出したのは無事にガブさんを保護したことを書いている手紙だ。
ま、この手紙を届けた後にまだ帰ってなければ探しに行けばいいかな。
私は頷いて、手紙を受け取ると姿を消してお城へ。
ガブさんからは兄上に元気そうだと伝えてほしいとお願いされました。
そっか、うん。
今までどこにいるかわからなかったガブさん。皇太子さまは不安そうだったし……ガブさんだって心配かけたと思ってるはず。
私は大急ぎで城へと向かった。
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